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天下の名城 姫路城

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9月最後の日曜日に、偶々神戸に出る用があったので、それならついでに…と予ねてよりの懸案であった姫路まで足を伸ばしてみることに。

来年秋にも「平成の大修理」に入ると言われている、国宝にして現存12天守の一つ「姫路城」の雄姿を今一度拝んでおきたいと思っての訪問でした(小学生の頃以来○○年ぶり!)。




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まずは広い広い「三の丸広場」から。
あいにくのお天気ということもあって人影はまばらでしたが、ここまでは無料で入って来られますので、各種イベントに使用されることもしばしば。陽気の良い時には多くの家族連れで賑わいます(動物園も隣接していますし)。



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その三の丸広場から見る天守閣。
こちら側からは姫路城の特徴とされる三つの小天守はほとんど見えませんが、姫路城十景の一つにも挙げられるお馴染みのアングルです。




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小天守を含めた連立式天守閣の姿を拝むのに最適なのが西の丸から。
丹精された松の植木の向こうに浮かぶ天守閣という格好の構図は、城内で最も美しいとも言われています(先に挙げた「姫路城十景」には入っていません)。
※冒頭の写真もこれの拡大版です




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その西の丸の渡櫓。
姫路城は大坂城落城後に本多忠刻に再嫁した千姫ゆかりの城でもあり、ここ西の丸はその千姫を始め女人達の住まいとなっていました。




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西の丸の長局の一番北側にある「化粧櫓」の内部には、往時を偲んでこのような貝合わせに興じる蝋人形が置かれています。




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「化粧櫓」の外観。
女の園の比喩で「化粧」と付けているのかと思きや、千姫が持参した化粧料(持参金)を充てて建てられたことからくるネーミングだとか。とはいえ、実際、化粧品の跡も多数残っていたそうですが… (^^ゞ





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西の丸を後にして、天守閣を目指すべく二の丸へ。
その入口に当たる「はの門下坂」は時代劇のロケによく使われるこれまたお馴染みスポット。
もう少し後ろから撮ると、天守も入ってベストアングルだったようなのですが、そこまではとても目配りが及ばず… (~_~;)

なお、この右手の白壁にも見られますが、三角や四角の穴が空けられているのは単なる飾りではなく、侵入者を見張りつつ、そこから弓矢や銃などを放つための仕掛け(狭間=さま)。また、微妙にバラつきのある段差も敵兵が登り辛いようにと考えられてのもの。

中世の赤松氏に始まり、黒田官兵衛→豊臣秀吉(秀長・木下家定)→池田輝政と名立たる戦国武将の手を渡りながら進化を遂げた姫路城もまた、他の城と同様、戦時の砦としての機能を最優先に建てられた建造物ということです。




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こちらは姫路城の紋瓦の一覧。
築城や修理の度に歴代城主各々の家紋を施した瓦を使用しており、瓦の紋を見ればその時代がわかるという寸法なのだとか。





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いくつもの門をくぐりぬけ、上に下にと迷路のような道筋をたどって、ようやく本丸に到着。
あまりの大きさに、ぎりぎりいっぱいまで下がってやっとこさ全容が入るという具合で… (^^ゞ

ということで、ここからいよいよ天守閣の内部へ。
全五層のうち、最初の二層ぐらいは鎧や武具などの展示スペースが並びますが、最小限の光しか当たらないのでかなり薄暗く、よってほとんど撮影放棄 (^^ゞ



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城を支える二本の大黒柱の一つ「東大柱」。
昭和の大修理の際に、根元部分が腐っていたため、一部補強されましたが大部分は創建時のまま。対する「西大柱」は芯が腐っていたため、新しい木を二本接ぎ合わせて再現したそうです。

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暗がりの城内からパッと視界が明るくなると、そこに広がるのはまさに天下を取ったような気分も味わえる実に広がりのある眺望。
まずは西側から。手前の緑豊かなゾーンは好古園(次の記事でご紹介)になります。




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こちらは西の丸方面。
櫓などの配置が見た目にわかりやすいアングルです。

一番右側の長局から化粧櫓にかけてのゾーンが、ひときわ白く見えるのは、天守閣に先駆けて改修工事が進められているため。



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しかし、今年の夏はゲリラ豪雨が多発し、屋根瓦や壁に漆喰を塗る作業では、塗るそばから剥がれたり浮き上がったりして難渋を極めたようです( こちらの記事 をご参照のこと)。



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東側に回るとすぐそばにレトロな赤レンガの建物が。
明治38年建築の旧陸軍の建物を保存、現在は市立美術館として活用されています。
なお、ここから天守閣を見上げるアングルも姫路城十景に挙げられているようです。



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JRと山陽電鉄の姫路駅のある南側。
道幅の広い大手前通りが駅前まで一直線に伸びます。
この城自体が、小高い山の上に建っているのと、さほど背の高いビルも見当たらないので見晴らしは抜群。すなわち街中からも、このお城の天守が割り合いよく見えるということでもあります。



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さて、天守の外へ出て下城の途、今度は真下から天守を見上げる構図で。
間近から仰ぎ見る迫力もさることながら、唐破風(からはふ)、千鳥破風(ちどりはふ)、大入母屋破風(おおいりもやはふ)と形状の異なる屋根が複雑に入り組んで生まれる曲線美も中々興味深いです。




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最後にご紹介するのは上里丸にある「お菊井」。
このお菊とは「一枚~~、二枚~~」のあの「播州皿屋敷」のお菊さん。

家老の主家乗っ取りの企みを知った女中のお菊が、密告して城主の暗殺を未然に防いだものの、そのことで逆恨みした家老の魔の手が忍び寄り…。

ある日、十枚一組の家宝の皿の一枚が失せ、管理者であったお菊はその過失により手酷く責められ、最後にはとうとう殺されてしまい、その亡骸が投げ込まれた城内の古井戸からは、それ以来、夜な夜な皿を数える声が聞こえた…という顛末のその井戸がコレだとか。

転落しないように金網が張られていますので、底まで見通すことはできませんけど… (^_^;)



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有料ゾーンの入口に当たる菱の門前にある「三国濠」の前から見上げる天守閣。
これで城内をやっと一巡り。結構飛ばし見で回ったつもりでしたが(腹切丸など素通りした所も)、2時間近くがあっという間に過ぎておりました。

さすがに天下の名城、スケールの大きさも群を抜いています (^_^;)







来秋からおよそ5年もの長期間、修理のためやむを得ないこととはいえ、せっかくの雄姿が覆い隠されてしまうのは非常に残念ですが、しかし、この素晴らしい遺産を後世に残して行くためにはどうしても必要な時間。さらに美しさに磨きをかけて甦る日を楽しみに待って、今度こそは蒼天に映えて輝く白鷺を眺めたいと思います o(^-^)o


ということで、お城めぐりの後は、庭園めぐりと参りましょう~♪


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【このページの写真&動画は平成20年9月28日に撮影したものです】




《メモ》
  姫路城【地図】
   兵庫県姫路市本町68番地
   TEL:079-285-1146
   拝観料… 一般600円、中学生以下200円
          ※好古園との共通券や博物館&美術館との共通券もあり
   入場時間… 9:00-16:00(4月下旬~8月は17時まで)
   休城日… 12/29・30
by kiratemari | 2008-10-11 22:30 | ├兵庫 | Trackback | Comments(6)
Commented by えりか at 2008-10-13 09:45 x
 手鞠さん、こんにちは♪

 姫路城に行かれたのですね。写真を拝見しました。やっぱりすごい~。

 私も12年前に行きました。大好きな黒田官兵衛の生まれ故郷を見たいという一心で行ったのですが、見どころが多くて大満足でした。

 もう一度行きたいと思っていたのですが、もうすぐ改修工事に入るのですね。400年前に作られた天守閣が現在でも残っているのはすばらしいことですし、これを後世に伝えていくためには改修工事も必要ですものね。工事が終わったらまた訪れてみたいです。
Commented by ちゃんちゃん at 2008-10-13 15:36 x
 手鞠さん、こんにちは。

 僕が行ったのは高校3年生の時ですから、もう22年前になりますね~

 やっぱり姫路城は壮大で良いですね!
 僕は大きな回廊がお気に入りです。

 お菊さんの井戸ってここだったんですね?
 22年前には見た覚えが有りません・・・
Commented by 手鞠 at 2008-10-13 22:17 x
えりかさん、こんばんは~♪
黒田官兵衛ゆかりの地の姫路、やはり訪問済みでしたね。
姫路城は子供心に大きなお城という記憶はあったのですが、大人になって改めて訪ねてみても…、やっぱり大きかったです (^^ゞ

改修工事中は天守閣全体がシートで覆われるそうで、外観はまず見られないでしょうか、その代わり、廻りにエレベーター付きの足場が組まれ、工事の現場を見学できるようにするみたいですので、それはそれで貴重な機会かもしれません。
Commented by 手鞠 at 2008-10-13 22:18 x
ちゃんちゃんさん、こんばんは~♪
大阪人はまず遠足やら何やらで、学生の間に一度は訪れるのが義務のようになってますものね (^^ゞ

姫路城は天守閣だけでなく、そこへ至るまでの回廊や門なども魅力的。
登ったり降りたり結構大変ですけど… (^^;)

お菊さんの井戸は、順路で行くと天守閣から下って来てほとんど最後の所ですので、結構見落としがちかもしれませんね。
Commented by sanraku2 at 2008-10-14 22:36 x
手鞠さんも姫路城に行かれていたとは、奇遇ですね!(1週違いですけど汗) 私も早く更新しなければ・・・(^^;;;

ちなみに「はの門下坂」ですが、天守とのセットにチャレンジするも、天守が木々に遮られて上手くいきませんでした(;_:) あそこは冬枯れの時季がいいのかもしれません。
Commented by 手鞠 at 2008-10-15 19:39 x
sanraku2さん、こんばんは~♪
姫路城へは修復工事の話が漏れ聞こえて来た昨年ぐらいからずっと考えていたのですが、大阪からだと近いような遠いような微妙な位置ということもあって、中々実現しませんでした。sanraku2さんがいらっしゃることは存じていましたので、記事を拝見してからの方が好都合だったのですが、この機会を逃すとまたいつにのことになるかわかりませんので(紅葉狩りとか入って来ますし)、えいやーと行って来てしまいました(笑)。

「はの門下坂」の撮影スポットは無理だったのですね。
そういえばどこかで見かけた写真も殺風景な感じがありましたので冬だったのかも…(^^ゞ

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