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初秋の高台寺

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鷲峰山・高台寿聖禅寺、略して高台寺。
言わずもがな、豊臣秀吉の正室・北政所(高台院)が夫秀吉の菩提を弔うために建立したお寺です。

2005年秋に訪れて以来しばらくご無沙汰でしたので、そろそろ再訪したいと思っていた所に、高台寺&圓徳院&掌美術館の拝観券と京都までの往復乗車券がセットになったご招待券が手に入ったもので、喜び勇んで出かけたという次第です (^^ゞ



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入口に当たる庫裏の前。
ここでも盛りは過ぎていますが萩の花がお出迎え~♪



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庫裏の建物の際に並べられた藤袴の鉢植え。
万葉の昔より日本人に親しまれ、秋の七草にも挙げられる花ですが、近年の河川改修等の環境の変化により減少し続け、とりわけ原種の藤袴は、今や絶滅危惧種の指定を受けるほどになっています。

そこで再生への一歩として、1998年に京都市西京区大原野の古池の堤防で発見された藤袴の野生種を栽培して増やし、2007年よりは花の時期に京都市内の各所に鉢植えを預け、街のあちらこちらで花を咲かせるという試みが行われており、これもその一環のようです。あいにくとこの時はまだ蕾でしたが、今頃はもう見頃になっているでしょうか。



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境内に入って最初に登場はこちらの「遺芳庵」。
近世初期の茶人・灰屋紹益が夫人の吉野太夫を偲んで建てたという茶室で、特色の大きな丸窓「吉野窓」もあります。



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書院に上がり方丈前庭へ。
創建時の方丈は文禄の役後に伏見城の建物を移築したものでしたが、現在のものは庭の向こう(方丈の南正面)にある勅使門と共に大正元年(1912)に再建されたもの。

毎年秋の紅葉時期にはモダンなオブジェなどを配した一風変わったライトアップが催されます。


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方丈の東側は小堀遠州作といわれる石組みを配した桃山様式の庭園。
向こうに見えるのは共に重要文化財の観月台と開山堂です。



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書院と開山を結ぶ屋根付きの廊の途中にある「観月台」。
偃月池の真ん中に位置し、ここから北政所が亡き夫を偲びながら月を眺めたと言われています。



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こちらは開山堂。
高台寺第一世の住持、三江紹益を祀る塔所。
元々は北政所の持仏堂だったらしく、堂内の天井は秀吉の御座舟の天井と北政所の御所車の天井を用いたものと言われています。



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開山堂から霊屋(おたまや)に伸びる臥龍廊(がりょうろう)。
波打つ甍が龍の背のように見えることからこの名が付けられたと言われます。
今は立ち入り禁止となっており、霊屋へはぐるっと迂回して登ることになります。



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開山堂と霊屋の間に横たわる臥龍池。
覆いかぶさるような紅葉が水面に映り込み、とりわけ秋の紅葉の頃の風景は秀逸です。




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秀吉と北政所を祀る霊屋(重要文化財)。
慶長10年(1605)建築の宝形造檜皮葺きの堂。

内部は中央に大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)、右に秀吉、左に北政所の像を納めた厨子が安置されており、北政所像の下には当の北政所自身が葬られているそうです。




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霊屋から見下ろす臥龍廊。





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霊屋からまた少し上った所にある「傘亭」(重要文化財)。
伏見城から移築した千利休の作、秀吉好みの茶室と伝えられています。
正式名称は安閑窟ですが、内部の天井が竹で組まれており、その形が唐傘に似ている所から「傘亭」と称されています。

そして、傘につきものといえば…、雨?




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時雨亭(重要文化財)
傘亭の南隣に建ち、傘亭との間を屋根付きの土間廊下が繋いでいます。
珍しいニ階建ての茶室で、傘亭同様伏見城からの移築と見られています。

傘亭・時雨亭の辺りが境内の中では一番高くなっており、ここから一気に下りになります。



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右手に広がるのがこの竹林。
この辺りもライトアップされます。



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出口に近いお茶席・雲居庵の前に咲いていた秋明菊。
目立つ秋の花が少ない境内で、ひと際華やかに咲き誇り、道行く人の目を一身に惹きつけていました。










臥龍池の風情など、是非とも紅葉の季節に訪れたい場所ではありますが、混雑も免れないメジャースポットなれば…、今年の紅葉狩りの候補に入れるかどうか大いに迷う所です (-_-;)




【このページの写真&動画は平成20年9月23日に撮影したものです】



《メモ》
  鷲峰山・高台寺【地図】
   京都市東山区高台寺下河原町526番地
   TEL:075-561-9966
   拝観料… 一般600円、中学生250円、小学生無料
        3ヵ所共通割引拝観券(高台寺・掌美術館・圓徳院) 900円
   拝観時間… 9:00-17:30(受付17:00)
by kiratemari | 2008-10-03 20:08 | ├京都 | Trackback | Comments(0)

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