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『篤姫』vol.39「薩摩燃ゆ」

近頃とみに「そうでしたか…」「そうですか…」といったセリフが急増している天璋院様。
歴史に直接関わることのできない立ち位置の人物を主役に据えた苦しさがいよいよ顕著になって来ましたね。



 
それにしても、和宮さんが意外にしぶとく(失礼)、天璋院様の軍門に下らずにいてくれているのは嬉しい誤算です。

毎度ほとんど思いつきだけの発言や行動を繰り返し、ただ周りを振り回しているだけのようにしか見えない天下無敵のヒロイン様に対し、いたってもの静かな佇まいから、しかし、核心を突いてピシャリと言って返す和宮さんが、今や唯一残るこのドラマの良心のように思えるぐらいで…。

ドラマで嫁姑物というと、まず姑上位で嫁が苦労するパターンが主ですが、今回は姑がヒロインですから、やはり姑の方に同情を集めるような作りになるのは自明の理。ただ、今年の特徴と言いますか、敵役の方がより魅力的なキャラになる法則が、和宮さんの場合にもきっちり当てはまってしまったのは皮肉と申しますか… (^_^;)

しかし、そうは言っても最後の最後には平伏す時も来るのでしょうが、その日まではどうか天璋院ブロッカーとして、大いに遣り合っていただきたいものです。まあ、実際それぐらいしないと、大奥メインで話を進められないでしょうしね…。


それはさておき、今回のお題にも上がっている薩英戦争。
日本が戦場となる外国との本格的な戦いとしては、鎌倉時代の元寇以来になりましょうか。

結末もまたその元寇と似たようなところがあり、受けた物的被害の大きさを見れば完敗としか言い様のない惨状ながら、そもそも敵方に壊滅させる気などさらさらなく、どちらかと言えば脅しが目的の攻撃ですから、一定の成果が上がれば自分たちの身を危うくしてまで追撃しようなんて気概はなく、ちょっと雲行きが怪しくなればあっさり撤退に転じるのもある意味想定内のことで…。

今回の薩英戦争は、要は薩摩が賠償金支払を拒否したことから始まっているのですから、完膚無きまでに叩きのめしてしまったのでは肝心の賠償金をせしめられないわけで…。ほどほどに痛めつけて出すものを出させ、さらに交易の道を開き甘い汁をたっぷり吸い上げようという魂胆も見え隠れしなくも…。

しかし、撤退の事実だけで「大勝利!」と浮かれる薩摩隼人の中で、ただ一人「負けた!」と身も世もなく慟哭する帯刀くん。
とりわけ、炎に包まれる城下を呆然と眺め立ち尽くしていた姿は、いかにも心が壊れてしまった人のような異様な雰囲気で…。あれはさすがに心優しき軟弱男にはあまりにも刺激が強すぎたでしょうか。それとも、ここからようやく人斬りにも、女を囲うことにも躊躇のない別人格に転換とか?

やはり薩摩にれっきとした正妻がいながら、京の芸妓を妾に囲い、その上、二人の間に生まれた子を小松家の跡取りにするという事実は、小松帯刀という人物を語る時に最大の汚点と映るものなのでしょうかね。「何と言う不実な男!」「これぞ女の敵!」みたいな…。

そして、仮にも準主役とも言うべき人物が、そんな不埒な男であってはならない→それなりの理由が必要→戦争によるPTSDのせいということにしよう…という寸法ではないかと…。

次回、その問題のお相手さんがご登場のようですし、禁門の変での豹変(?)ぶりも見られるようですので、その辺りのこともすぐに明らかになりそうですね。それに出会いと言えば、龍馬とも勝さんの仲介で初顔合わせとなるようですし…。

その勝先生は帯刀・龍馬に続き何と!公方様まであっさりと陥落。
どれだけ人誑しなんだか… (^^ゞ

薩英戦争のくだりで元寇のことを思い出したからでしょうか、勝がふと謝国明(by『北条時宗』)とダブって見えて来ました。名より実を取る的な論理はいかにも商人気質というふうな感じですし…。

毎度大仰にのたまう講釈もどれも机上の空論チックで、イマイチ胸に響いて来ないので(先見の明という名の無責任発言)、どなた様も何であんなに易々と転ぶのか説得力に欠ける気がする所なども、結構共通しているようにも…。

そして、この錚々たる顔ぶれの勝門下の列に、次回もまた一人、幕末の英雄のあの人が帰還して加わることになりそうで…。希代の人誑し勝の唯一の弱点と言ってもよさそうな天璋院様の最強伝説はまだまだ続くのでしょうか… (-_-;)
by kiratemari | 2008-10-01 20:08 | テレビ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 鹿苑 at 2008-10-01 22:17 x
 アームストロング砲の威力云々のナレーションを聞いて、「司馬先生は罪深いなぁ」と思ってしまいました。他所の星のドラマだから、あれはあれでもいいのかな。
 昔の人間の価値観を、現代人の価値観にあわせて歪めて描くのは、なんだかなぁ、です。その人物を激しく見誤ってることになりますからね。歴史ものを作る意味がないというか。あ、『篤姫』は歴史ものじゃなくて、他所の星のドラマだった。
 主役の暗黒面な出来事を取り上げる時、大河ではよく「汚れ役の側近のせい」にして、主役を良い子のままにしておく手法をとってましたけど、今回は篤姫を良い子のままにしておけるので、小松帯刀の汚れ役も「可」なのでしょうか。なるほどー。
Commented by 手鞠 at 2008-10-02 22:19 x
鹿苑さん、こんばんは~♪
アームストロング砲の件はよく知らなかったのですが、実際はトンデモな代物だったのですね(汗)。
この期に及んで史実がどうこうなんて言う気もありませんが、しかし、他人の創作物からの引用(と取られかねない事柄)をさも史実のように語るのはどうなんでしょう。
せめて手近な(しかも視聴者が疑問に思った時にもヒットしやすい)w○kiぐらいは事前に覗いておけと… (-_-;)

「きらめきの刹那」 別館  花や史跡の探訪記録や源平&時代物ドラマ話など何でもござれの雑記帳


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