『篤姫』vol.35「疑惑の懐剣」
嫁姑問題に限らず人の行動パターンなんていつの時代も似たり寄ったり…。
このドラマはそういう思考の許で描かれているのでしょうね (-_-;)
それにしても、先週分で「本寿院さまは?」とここで叫んだら早速のご帰還。
そこだけは製作陣の術中にまんまとはまってしまった格好で…(^^ゞ
その本寿院様からの「姑のしつけがなってない!」の痛いお言葉に、かつて自分が受けた仕打ちを思い出し、同じように体当たり攻撃を実践してみせる天璋院様。
つくづく話の展開方法の引き出しの少なさを感じさせられます (-_-;)
しかしまあ、和宮の胸座を掴んで懐中を改めようとするのももちろん驚きでしたが、それ以上に、鏡が身だしなみチェックの道具としてしか認識されていないことの方がよっぽど唖然。
現代の薄っぺらいガラス板製の鏡とは違い、いわゆる銅鏡のような類ですよ。
見た目以上に重量のあるものですし、金属製品の常として、シルバーのアクセサリーなどと同様、すぐに曇ったり黒ずんだりしてきますから、しょっちゅう磨く必要のある中々手のかかるもの。日用的な用途で常時携行するには不向きといわざるをえない代物だと思うのですが…。
先週の予告の段階で問題の品が鏡であることは容易に想像がついていましたが、それは鏡の本来持つ神具や呪具の性質から、魔除けや御守として肌身離さず持ち続けているものとの解釈をしていました。実際、あれは亡き父帝・仁孝天皇の形見の品という話もあるようですし。
とはいえ、家茂に心を動かされつつ、プライドが邪魔をして素直になれない和宮のちょっと屈折した乙女心を表現するアイテムとして、鏡を利用するアイデアに「なるほど」と思う部分もないわけではありません。しかし、そこまで全面的に現代的な解釈をしてしまってはそも時代物である意義がないように思えますし、そうやって本来その物が持つ用途や役割が人々の記憶から薄れて行ってしまうのも非常に淋しくまた残念に思われてなりません。
それにしても、鏡を刃物と誤認するくだり。
抜き身ならともかく懐剣は鞘から抜かなければピカッと光ることはありませんよね(鞘に螺鈿細工を施すなどしてれば別ですが)。そこで思うのは一度ならずも、疑惑をかけられた後にも再度そういう怪しまれるような行動を繰り返すか?ということ。
そこの所を踏まえれば、賢明(?)な天璋院様なら懐剣や刃物の類でないことは早々に察して、およそ見当違いの疑いをかけられ困惑しきっておられるであろう和宮様の窮地をお救いするべく、自分が悪者になってでも身の潔白を証明して差し上げよう…なんて美談めいた方向へ持って行くことも必ずしも不可能ではなかったように思いますし、実際にそうしたかったのかもしれませんが、それにしては何もかも中途半端。
掴みかかって懐から鏡が滑り落ちたシーンでも、下手に「そうでしたか…」としたり顔になる所まで入れず、せいぜい驚き顔だけで止めておいて、その場で天璋院が非礼を詫びたかどうかなど曖昧にするだけでも随分印象が変わったのではないでしょうか。
で、その後の滝山とのシーンで和宮の素直になれない乙女心をそれとなく解説して、無体な振る舞いに及んだ本当の理由に思い至った滝山から「天璋院様は初めからそうと見抜かれて?」などと感服の言葉をせしめれば、今は亡き家定が評価していた並みの人間とは少し違う天璋院の目線というのも少しは具体的に表せて、なおかつそれに恐れ入る滝山ももう少し自然に見えるのではないかと思うのですが…、どんなものでしょうか。
ヒロインたるもの、視聴者の大半の支持を得られるような好感度の高いキャラである必要はもちろんあるでしょうが、しかし、今のやり方を続けていては、まずある一定の層には確実にそっぽを向かれるのは疑いのないところ。いつまでも結果オーライ的な決着のつけ方ばかりでなく、そろそろ知的で淑女らしい大人の解決法へ路線変更していただきたいものです。
このドラマはそういう思考の許で描かれているのでしょうね (-_-;)
それにしても、先週分で「本寿院さまは?」とここで叫んだら早速のご帰還。
そこだけは製作陣の術中にまんまとはまってしまった格好で…(^^ゞ
その本寿院様からの「姑のしつけがなってない!」の痛いお言葉に、かつて自分が受けた仕打ちを思い出し、同じように体当たり攻撃を実践してみせる天璋院様。
つくづく話の展開方法の引き出しの少なさを感じさせられます (-_-;)
しかしまあ、和宮の胸座を掴んで懐中を改めようとするのももちろん驚きでしたが、それ以上に、鏡が身だしなみチェックの道具としてしか認識されていないことの方がよっぽど唖然。
現代の薄っぺらいガラス板製の鏡とは違い、いわゆる銅鏡のような類ですよ。
見た目以上に重量のあるものですし、金属製品の常として、シルバーのアクセサリーなどと同様、すぐに曇ったり黒ずんだりしてきますから、しょっちゅう磨く必要のある中々手のかかるもの。日用的な用途で常時携行するには不向きといわざるをえない代物だと思うのですが…。
先週の予告の段階で問題の品が鏡であることは容易に想像がついていましたが、それは鏡の本来持つ神具や呪具の性質から、魔除けや御守として肌身離さず持ち続けているものとの解釈をしていました。実際、あれは亡き父帝・仁孝天皇の形見の品という話もあるようですし。
とはいえ、家茂に心を動かされつつ、プライドが邪魔をして素直になれない和宮のちょっと屈折した乙女心を表現するアイテムとして、鏡を利用するアイデアに「なるほど」と思う部分もないわけではありません。しかし、そこまで全面的に現代的な解釈をしてしまってはそも時代物である意義がないように思えますし、そうやって本来その物が持つ用途や役割が人々の記憶から薄れて行ってしまうのも非常に淋しくまた残念に思われてなりません。
それにしても、鏡を刃物と誤認するくだり。
抜き身ならともかく懐剣は鞘から抜かなければピカッと光ることはありませんよね(鞘に螺鈿細工を施すなどしてれば別ですが)。そこで思うのは一度ならずも、疑惑をかけられた後にも再度そういう怪しまれるような行動を繰り返すか?ということ。
そこの所を踏まえれば、賢明(?)な天璋院様なら懐剣や刃物の類でないことは早々に察して、およそ見当違いの疑いをかけられ困惑しきっておられるであろう和宮様の窮地をお救いするべく、自分が悪者になってでも身の潔白を証明して差し上げよう…なんて美談めいた方向へ持って行くことも必ずしも不可能ではなかったように思いますし、実際にそうしたかったのかもしれませんが、それにしては何もかも中途半端。
掴みかかって懐から鏡が滑り落ちたシーンでも、下手に「そうでしたか…」としたり顔になる所まで入れず、せいぜい驚き顔だけで止めておいて、その場で天璋院が非礼を詫びたかどうかなど曖昧にするだけでも随分印象が変わったのではないでしょうか。
で、その後の滝山とのシーンで和宮の素直になれない乙女心をそれとなく解説して、無体な振る舞いに及んだ本当の理由に思い至った滝山から「天璋院様は初めからそうと見抜かれて?」などと感服の言葉をせしめれば、今は亡き家定が評価していた並みの人間とは少し違う天璋院の目線というのも少しは具体的に表せて、なおかつそれに恐れ入る滝山ももう少し自然に見えるのではないかと思うのですが…、どんなものでしょうか。
ヒロインたるもの、視聴者の大半の支持を得られるような好感度の高いキャラである必要はもちろんあるでしょうが、しかし、今のやり方を続けていては、まずある一定の層には確実にそっぽを向かれるのは疑いのないところ。いつまでも結果オーライ的な決着のつけ方ばかりでなく、そろそろ知的で淑女らしい大人の解決法へ路線変更していただきたいものです。
by kiratemari
| 2008-09-02 23:19
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