『篤姫』vol.27「徳川の妻」
一週飛ばしてしまいましたが、とうとう完全な釣りドラマになってしまいましたね。
あれこれ捏ね繰り回して、禁じ手の飛び道具(?)まで出して来たわりには、何なんですか? あのオチは… ('A`)
しかしまあ、これで近年稀にみる高視聴率を叩き出しているそうですから、今の時代のニーズにぴったり合致しているということにはなるのでしょうが… (-_-;)
それにしても、慶福後継の決め手が「御台様が後見役として力を振るえるように」とは…。
話の流れの上での方便としても、思わず目が点になりました。
いや、百歩譲ってそういうことも多少意識するのはアリとしても、それより先の大前提にもっと納得の行く理由を示してもらわないと… ('~`;)
ウツケのフリをしている英邁な上様は、確か篤姫様もビックリの超先進的な考えをお持ちという話だったように思うのですが、そういうものは全部うっちゃって、時代の流れに逆行するように徳川宗家の存続こそ第一と結論付けちゃったわけですから、それまでの長い長い前フリはいったいなんだったのかと… (~_~;)
やっぱりフリでなく本物のウツケだった!?
今さらながら、聡明ベースの仮想ウツケなんて姑息な手を使わず、基本はウツケで、でもどこか勘の鋭い所があって、時として常人も舌を巻くサプライズ的な発想を当人も無意識のうちに披露する…というぐらいが妥当だったのではないでしょうか。
篤姫様の側からしても、頭脳明晰な隠れ名君に惹かれるという方がそれは分かり安いのでしょうが、でも、それなら「もし本物のウツケだったら好きにならなかったのか?」という疑問も沸いて来ますし、むしろウツケの中に潜む天性のきらめきに彼女だけが気づき、それを愛する…。堺家定ならそういうキャラ設定でも十分魅力的な上様にしてくれたように思えますし、今はかえってその聡明の部分で小賢しい印象すら受けることも… (-_-;)
まあ、泣いても笑っても次回でご臨終ですから、何はともあれ有終の美を飾っていただきたいものです(しかし予告編で全部バラしてしまっていいのやら?)。
次回は大立者が一気に二人もご退場ですから、慌しいことになりそうですね。とはいえ、どちらも決定的瞬間はなしで、遺言+回想の忠剛パターンに落ち着きそうですが…(場合によってはお一方はご報告のみだったり?)。
それにしても、最後の切り札の遺言できちんと斉彬殿の名誉挽回は成りますのやら?
尚五郎もとい小松帯刀を軟弱ダメキャラにしたことで思わぬ被害を被ってしまいましたからね。あんなダメ五郎にずけずけダメだしされて、ぐうの音も出ない殿様というのはさすがに萎える… (-_-;)
篤姫様も早々に脱一橋派に転んじゃったものですから、結果的に斉彬の求心力のなさがクローズアップされてしまうことになり、おかげで、斉彬を頼りにしていた今は亡き阿部老中まで資質が疑われるような状況になっていますが…、
よもやこれで製作陣の目論見どおりというわけではないでしょうね… (?_?)
あれこれ捏ね繰り回して、禁じ手の飛び道具(?)まで出して来たわりには、何なんですか? あのオチは… ('A`)
しかしまあ、これで近年稀にみる高視聴率を叩き出しているそうですから、今の時代のニーズにぴったり合致しているということにはなるのでしょうが… (-_-;)
それにしても、慶福後継の決め手が「御台様が後見役として力を振るえるように」とは…。
話の流れの上での方便としても、思わず目が点になりました。
いや、百歩譲ってそういうことも多少意識するのはアリとしても、それより先の大前提にもっと納得の行く理由を示してもらわないと… ('~`;)
ウツケのフリをしている英邁な上様は、確か篤姫様もビックリの超先進的な考えをお持ちという話だったように思うのですが、そういうものは全部うっちゃって、時代の流れに逆行するように徳川宗家の存続こそ第一と結論付けちゃったわけですから、それまでの長い長い前フリはいったいなんだったのかと… (~_~;)
やっぱりフリでなく本物のウツケだった!?
今さらながら、聡明ベースの仮想ウツケなんて姑息な手を使わず、基本はウツケで、でもどこか勘の鋭い所があって、時として常人も舌を巻くサプライズ的な発想を当人も無意識のうちに披露する…というぐらいが妥当だったのではないでしょうか。
篤姫様の側からしても、頭脳明晰な隠れ名君に惹かれるという方がそれは分かり安いのでしょうが、でも、それなら「もし本物のウツケだったら好きにならなかったのか?」という疑問も沸いて来ますし、むしろウツケの中に潜む天性のきらめきに彼女だけが気づき、それを愛する…。堺家定ならそういうキャラ設定でも十分魅力的な上様にしてくれたように思えますし、今はかえってその聡明の部分で小賢しい印象すら受けることも… (-_-;)
まあ、泣いても笑っても次回でご臨終ですから、何はともあれ有終の美を飾っていただきたいものです(しかし予告編で全部バラしてしまっていいのやら?)。
次回は大立者が一気に二人もご退場ですから、慌しいことになりそうですね。とはいえ、どちらも決定的瞬間はなしで、遺言+回想の忠剛パターンに落ち着きそうですが…(場合によってはお一方はご報告のみだったり?)。
それにしても、最後の切り札の遺言できちんと斉彬殿の名誉挽回は成りますのやら?
尚五郎もとい小松帯刀を軟弱ダメキャラにしたことで思わぬ被害を被ってしまいましたからね。あんなダメ五郎にずけずけダメだしされて、ぐうの音も出ない殿様というのはさすがに萎える… (-_-;)
篤姫様も早々に脱一橋派に転んじゃったものですから、結果的に斉彬の求心力のなさがクローズアップされてしまうことになり、おかげで、斉彬を頼りにしていた今は亡き阿部老中まで資質が疑われるような状況になっていますが…、
よもやこれで製作陣の目論見どおりというわけではないでしょうね… (?_?)
by kiratemari
| 2008-07-08 20:40
| テレビ
|
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Comments(6)
手鞠さん、こんにちは♪
慶福を次期将軍に決めた理由について、私も「えっ、これはドラマのオリジナルに違いない」と思ったので、原作本を取り出して調べてみました。ちょうど上巻のラストだったので調べやすかったのです…。そうしたら、原作でもドラマと同じような理由だったのでまたびっくり。でも、原作は確か、家定はうつけなのか英明なのかわからないキャラでした。手鞠さんのおっしゃるように、ふだんはうつけだけど、たまにぱっと鋭いことを言う…という感じに描かれていたような気がします。ということは、やはり原作通りに描いた方が良かったかもしれませんよね。
それにしても薩摩のお殿様、最近は家定の陰に隠れてしまって影が薄くなってしまいましたね。このまま退場というのもちょっと気の毒に思ったり…。
慶福を次期将軍に決めた理由について、私も「えっ、これはドラマのオリジナルに違いない」と思ったので、原作本を取り出して調べてみました。ちょうど上巻のラストだったので調べやすかったのです…。そうしたら、原作でもドラマと同じような理由だったのでまたびっくり。でも、原作は確か、家定はうつけなのか英明なのかわからないキャラでした。手鞠さんのおっしゃるように、ふだんはうつけだけど、たまにぱっと鋭いことを言う…という感じに描かれていたような気がします。ということは、やはり原作通りに描いた方が良かったかもしれませんよね。
それにしても薩摩のお殿様、最近は家定の陰に隠れてしまって影が薄くなってしまいましたね。このまま退場というのもちょっと気の毒に思ったり…。
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ともp
at 2008-07-09 18:49
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手鞠様、こんばんは。
私は、以前に原作を読んでいたので、あれだけ聡明な上様がどういう理由で慶福を世継ぎにし、大老を井伊にするか興味津々でした。
22話でこの難局を乗り切るためには阿部の構想である挙国一致体制しかないとし、そのためには徳川幕府が滅びてもかまわないとまで言っていましたから。
でも実は私は手鞠様やえりか様と違い、このドラマの理由付けに納得してしまいました。
誰も信じることができない状態のとき、つまり守るべきものがなかったときは、冷静にものごとを見ることができました。しかし篤姫を愛するようになって守るべきものができてしまった。なのに自分はもう長くはない。相手は実家を捨てて徳川の妻になると言ってくれる。
だとしたら愛する篤姫を路頭に迷わせることがないように徳川将軍家を守ると言ってくれた井伊に掛けるしかないと思っても自然のような気がします。
愛故に目が曇ってしまうわけで、とても人間的だなあと思ってしまいました。
一国を傾けても愛してくれる男がいるというのは女冥利につきるというものです。もっとも巻き込まれるほうはたまったものではありませんが。
それでは、また。
私は、以前に原作を読んでいたので、あれだけ聡明な上様がどういう理由で慶福を世継ぎにし、大老を井伊にするか興味津々でした。
22話でこの難局を乗り切るためには阿部の構想である挙国一致体制しかないとし、そのためには徳川幕府が滅びてもかまわないとまで言っていましたから。
でも実は私は手鞠様やえりか様と違い、このドラマの理由付けに納得してしまいました。
誰も信じることができない状態のとき、つまり守るべきものがなかったときは、冷静にものごとを見ることができました。しかし篤姫を愛するようになって守るべきものができてしまった。なのに自分はもう長くはない。相手は実家を捨てて徳川の妻になると言ってくれる。
だとしたら愛する篤姫を路頭に迷わせることがないように徳川将軍家を守ると言ってくれた井伊に掛けるしかないと思っても自然のような気がします。
愛故に目が曇ってしまうわけで、とても人間的だなあと思ってしまいました。
一国を傾けても愛してくれる男がいるというのは女冥利につきるというものです。もっとも巻き込まれるほうはたまったものではありませんが。
それでは、また。
えりかさん、こんばんは~♪
将軍継嗣のくだりは原作でも同じなのですね。
どうりでこれまでの流れと結論がチグハグに感じられたわけで…。ドラマオリジナルの「実は明晰な上様」と原作の結末の摺り合わせが今一つ上手く行かなかったような印象ですね。後付けで設定を弄るは本当に難しいですから…(-_-;)
薩摩のお殿様の扱いがこれほど低くなるとは予想もしていませんでした。
特に篤姫様の大奥入り後は専ら尚五郎相手のシーンばかりで、こちらの見る気が失せたのも要因の一つでしょうが… (^^;)
名誉挽回と行きたい大ラスですが、遺言の朗読が唯一の見せ場なんてことになりような予感が…(--ゞ
将軍継嗣のくだりは原作でも同じなのですね。
どうりでこれまでの流れと結論がチグハグに感じられたわけで…。ドラマオリジナルの「実は明晰な上様」と原作の結末の摺り合わせが今一つ上手く行かなかったような印象ですね。後付けで設定を弄るは本当に難しいですから…(-_-;)
薩摩のお殿様の扱いがこれほど低くなるとは予想もしていませんでした。
特に篤姫様の大奥入り後は専ら尚五郎相手のシーンばかりで、こちらの見る気が失せたのも要因の一つでしょうが… (^^;)
名誉挽回と行きたい大ラスですが、遺言の朗読が唯一の見せ場なんてことになりような予感が…(--ゞ
ともp様、こんばんは~♪
そうですね。誰にも心を許せず一人殻に閉じこもっていた頃には何に対してもクールでいられたのが、その殻をぶっ壊して飛び込んで来るようなバイタリティー溢れる嫁さんとの出会いによって人間らしい感情を取り戻して、そのパワーに引き摺られる形で理性の中では選び得ないような選択もしてしまう…という見方もアリでしょうね。
ただ、敵対陣営に属する井伊と篤姫が、どう考えても互いに手を携えてやって行ける取り合わせでないことはわかりきっているのに、一分もない望みを真剣に語ってしまっていたのには、どうしても矛盾を禁じえなくて…。あと、どう放ったらかしにようと絶対に路頭には迷いそうにない篤姫様にそんな心配は御無用だろうと(爆)。
結局の所、今の篤姫様に全く感情移入できていないのが、何事も肯定的に受け止められない一番の理由のようです (^^ゞ
そうですね。誰にも心を許せず一人殻に閉じこもっていた頃には何に対してもクールでいられたのが、その殻をぶっ壊して飛び込んで来るようなバイタリティー溢れる嫁さんとの出会いによって人間らしい感情を取り戻して、そのパワーに引き摺られる形で理性の中では選び得ないような選択もしてしまう…という見方もアリでしょうね。
ただ、敵対陣営に属する井伊と篤姫が、どう考えても互いに手を携えてやって行ける取り合わせでないことはわかりきっているのに、一分もない望みを真剣に語ってしまっていたのには、どうしても矛盾を禁じえなくて…。あと、どう放ったらかしにようと絶対に路頭には迷いそうにない篤姫様にそんな心配は御無用だろうと(爆)。
結局の所、今の篤姫様に全く感情移入できていないのが、何事も肯定的に受け止められない一番の理由のようです (^^ゞ
手鞠さん、こんばんは。
家定を偽装ウツケにして逃げたのは、NHKの失敗だなぁ、と思いました。ちゃんと正面からウツケを描いて、それをちゃんと受けとめる篤姫にしておけば、一段高いヒロインになれたでしょうに。今の脚本は、周りを掘り下げて、篤姫を高くみせようとしてるだけですからねぇ。
英邁ということにして一度持ち上げた家定を、「やっぱり身勝手なウツケでした」と貶めて辻褄を合わせてるんですから、ガックリ感倍増。
「日本国がどうのこうの」と言ってた最初の頃の篤姫に比べると、どんどん人物のスケールが小さくなっていくというか、これが「ホームドラマ」ということなんでしょうかねー。篤姫に引きづられて、家定や斉彬まで人物が小さくなってるし。
つまるところ、当初の任務に失敗した篤姫の功績と言えるものは、「徳川宗家の後継者を養育した」という、旧幕臣以外の一般庶民にとってはどうでもいいことぐらいしか無いわけで、そこへ物語の焦点を合わすとなると、こうなってしまうのでしょうか。
高い理想やきれいごとを口で言うわりには、実際にやってる行為との齟齬が大きい、その矛盾をうまく処理できてない、という大河ドラマの伝統がまた出た、という感じです。
篤姫に感情移入できておれば、「御台所のためなら、セカイがどうなってもいい」という家定の決心にも納得できてたと思うのですけど……。やはり篤姫本人に魅力を感じられないのが最大のネック。
家定を偽装ウツケにして逃げたのは、NHKの失敗だなぁ、と思いました。ちゃんと正面からウツケを描いて、それをちゃんと受けとめる篤姫にしておけば、一段高いヒロインになれたでしょうに。今の脚本は、周りを掘り下げて、篤姫を高くみせようとしてるだけですからねぇ。
英邁ということにして一度持ち上げた家定を、「やっぱり身勝手なウツケでした」と貶めて辻褄を合わせてるんですから、ガックリ感倍増。
「日本国がどうのこうの」と言ってた最初の頃の篤姫に比べると、どんどん人物のスケールが小さくなっていくというか、これが「ホームドラマ」ということなんでしょうかねー。篤姫に引きづられて、家定や斉彬まで人物が小さくなってるし。
つまるところ、当初の任務に失敗した篤姫の功績と言えるものは、「徳川宗家の後継者を養育した」という、旧幕臣以外の一般庶民にとってはどうでもいいことぐらいしか無いわけで、そこへ物語の焦点を合わすとなると、こうなってしまうのでしょうか。
高い理想やきれいごとを口で言うわりには、実際にやってる行為との齟齬が大きい、その矛盾をうまく処理できてない、という大河ドラマの伝統がまた出た、という感じです。
篤姫に感情移入できておれば、「御台所のためなら、セカイがどうなってもいい」という家定の決心にも納得できてたと思うのですけど……。やはり篤姫本人に魅力を感じられないのが最大のネック。
鹿苑さん、こんばんは~♪
おっしゃる通り、ウツケはウツケとして描いて、その上でヒロインとどう心を通わすか…という部分に焦点を合わせて欲しかったですね。確かにデリケートな問題もはらんでいますし、できれば避けて通りたい気持ちもわからなくはないですが、史実はともかく原作がそのようになっているからには、物語観全体に及ぼす影響を鑑みても、極力変えるべきではなかったと思います。
家定も含め周辺人物たちのスケールダウンは本当に嘆かわしい限りですね。無駄に豪華キャストを揃えたのがさらにお粗末感を深めたようにも…(-_-;)
同じ主役を引き立てるにしても、周りを低く見せるのではなくむしろ高く見せて、その中でも一歩も引かない健闘ぶりを見せる主人公…という描き方もあるでしょうに…。相手が強豪であれば別に勝てなくても十分に立派に見えるものですし、実際の篤姫の生涯を見ればそれが妥当ではないかと…。
前口上だけいくら盛大に煽っても、それに見合う結果がついてこないのですから、いささか「持ち上げ損」の感も否めませんね (~~;)
おっしゃる通り、ウツケはウツケとして描いて、その上でヒロインとどう心を通わすか…という部分に焦点を合わせて欲しかったですね。確かにデリケートな問題もはらんでいますし、できれば避けて通りたい気持ちもわからなくはないですが、史実はともかく原作がそのようになっているからには、物語観全体に及ぼす影響を鑑みても、極力変えるべきではなかったと思います。
家定も含め周辺人物たちのスケールダウンは本当に嘆かわしい限りですね。無駄に豪華キャストを揃えたのがさらにお粗末感を深めたようにも…(-_-;)
同じ主役を引き立てるにしても、周りを低く見せるのではなくむしろ高く見せて、その中でも一歩も引かない健闘ぶりを見せる主人公…という描き方もあるでしょうに…。相手が強豪であれば別に勝てなくても十分に立派に見えるものですし、実際の篤姫の生涯を見ればそれが妥当ではないかと…。
前口上だけいくら盛大に煽っても、それに見合う結果がついてこないのですから、いささか「持ち上げ損」の感も否めませんね (~~;)
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