初夏のしまなみへの旅(5)-大三島

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さて、宇和海から再び宇和島市内に戻って来たのがちょうどお昼頃。
前日の時間のかかり具合を思うと、これは寄り道などしている余裕はないと宇和島城に多少後ろ髪を引かれつつもスルーすることに。実際、前日以上に上下線とも車の量が多くて、途中、昼食をとったり土産品を物色したりのタイムロスもあったものの、しまなみ海道の起点・今治に到着した時には午後3時半になっていました (^_^;)



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世界初の三連吊り橋の来島海峡大橋。
午前中の宇和海では雲一つないような晴天だったのですが、時間が経つにつれてどこからともなくどんどん雲が湧き出てきて、この日の天気予報の通り、雨の気配も芬々と漂う空模様となっていました (-_-;)


その来島海峡大橋を渡り、大島・伯方島を経て大三島へ。
今回の旅の目玉の一つ「大山祇神社」に到着したのは午後4時すぎのことでした。



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平安時代に朝廷から「日本総鎮守」の号を下賜されたという由緒を持つ「大山祇神社」は、日本全国にある山祇神社&三島神社の総本社とされ、山の神・大山祇神の子孫の乎千命(おちのみこと)がこの地に築いたと伝えられていますが、その一方で名前の同じ伊豆の三嶋大社(静岡県)、あるいは摂津の三島(大阪府)から分霊を招いた(つまりこっちが後発)という説もあるようです。



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鳥居をくぐり広い境内に出てまず最初に目に入って来るのがこちらの大楠。


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創建者(?)の乎千命(おちのかみ)のお手植といわれ、樹齢が何と2600年!
国の天然記念物に指定されています。
根周り20m、高さ16mというその大きさは後ほどの動画でご覧のほどを…。



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こちらは能因法師雨乞いの楠。
樹齢2600年で驚くなかれ。こちらは何と3000年! 日本最古の楠とされています。
平安時代の後冷泉天皇の御代に、伊予国守藤原範国が能因法師を遣わして祈雨の参籠をさせ、この楠に「天の川苗代水にせきくだせ天降ります神ならば神」と詠じ書付けた幣帛を掛けて祈念した所、伊予国中に三日三夜雨が降ったと伝えられています(「金葉和歌集」より)。
現在はほとんど枯死してしまっていますが、それでも部分的にまだ生きている所もあるそうですよ。



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神門。
宝物館の終了時間が5時までですので、とりあえず先を急ぎます。



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河野通有の兜掛の楠。
弘安4年(1281)の元寇出兵時に、河野通有が大山祗神社に戦勝祈願の参籠をし、その出陣の際に兜を掛けたという楠。通有はこの後、三島水軍を率いて筑前に向かい、大山祇神社の神使である白鷺に導かれ、勝利を得たと言います。これも既に枯死していて、残骸が残るのみ。



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ようやくやって来た宝物館。
紫陽殿と国宝館という二つの建物に分かれていますが、渡り廊下で繋がっていますので一まとまりで見学することができます。
当然のことながら写真撮影はNGですので、記事の書きようもないのですが(汗)、お馴染みの義経や頼朝奉納の鎧に、平重盛奉納の螺鈿飾太刀など武具部門における国内の国宝・重要文化財の約8割に上ると言われる所蔵品の数々はまさに圧巻の一言。

実際に彼らの手を経たものかどうかは別としても、その時代に存在していたというだけで大いに興をそそられます。ただ、ちょっと意外だったのは、一応ガラスケースに収められてはいるものの、あまりにもごく普通に陳列されているものですから(本当に展示というより陳列という表現がぴったりかと)、ありがたみが薄れるというか(爆)、若干拍子抜けの感も否めませんでしたが… (^_^;)

ところで、源平時代の奉納品も数多い大山祇神社宝物ですが、平家ゆかりの品は実はほとんどありません。わずかに平重盛奉納とされる品が目に付きますが、これは重盛が伊予守に任官していた時期があるゆえでしょう。
何しろ大三島とはすぐ目と鼻の先の安芸に平家の氏神・厳島神社がありましたから、平家一門の宝物は軒並みそちらへ奉納されたのではないかと…。

ここでちょっと面白いのが、大山祇神社の大宮司大祝家は河野氏と先祖を同じくする同族らしく、河野氏がいち早く平家に背き源氏へついたのも、大山祇神社vs厳島神社の対立が一因だったのではないかとの見方もあるようです。

古くから瀬戸内の民の間で第一の神として尊崇を集めて来た大山祇神社が、平家の後ろ盾を得た厳島神社に取って代わられるかもしれないという危機感。比叡山や南都との対立と同様、この時代の宗教が政情に与えた影響の大きさを改めて痛感しますね。いや、そもそも時代を問わず、全ての争いの根っこに宗教ありというべきか… (-_-;)

しかし、そういう因縁を見て行くと、そもそも平清盛がことさらに厳島神社の繁栄に力を注いだのも、実は瀬戸内の覇権争いにおいて最大のライバルだった河野氏の勢力を削ぐために、その拠り所となっている大山祇神社の権威を低下させる必要があったから…などという見方もできそうですが… ( -д-)



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こちらは海事博物館。
宝物館とは完全に別棟になっていますが、入館料は宝物館とセットになっています。
昭和天皇の海洋生物研究用の御採取船「葉山丸」を記念して建造されたものだそうで、その「葉山丸」を始め魚貝類や石の標本、海洋研究の著書なども展示されています。

国宝館で時間を取られタイムアップ寸前でしたので、恐れ多いのですが、ここはわずか10分ほどの流し見で終了… (^_^;)

ということで何とか滑り込みで宝物館の見学はできましたが、社殿の方へ戻ってみると何とこちらも既に閉門! 時間の縛りは宝物館関係だけと思っていたものですから、これは盲点でした (>_<)

それにしても、どこもかしこもみな早仕舞いですよね (-_-;)
で、がっくりしながら今宵の宿へと向かいかけた道すがらにこんなものが…。



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大山祇神社の斜め前(大きな意味でね)にあるその名も大三島藤公園。
今年最高の藤の花をこんな所で見られようとは…。


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宇和島の天赦園では振られちゃいましたが、こちらはどんぴしゃりの旬の瑞々しさ…。
藤にも色々種類がありますが、やっぱりこういう長く垂れ下がるタイプが一番見ごたえがありますね。すっかり暗がりになってしまいましたが、それが却って紫の色を濃く感じさせたところもありましたし、最後に大いに楽しませてもらいました。






※来島海峡大橋~大山祇神社境内~藤公園の構成になっています





ということで、藤の花を堪能した後はこの日のお宿へ。



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大三島の東側、生口島と結ぶ多々羅大橋が望めるローケーションにある某料理旅館です。
海の幸満載のディナー。


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(以上4つの画像はクリックで拡大表示可)


  伊勢エビにヒラメ、鯛もてんこ盛りのお造り(左上)
  せみえびの三杯酢かけ(右上)
  アワビの網焼き(左下)
  オコゼのから揚げ(右下)


他にもあら焚きや茶碗蒸し、最後の〆には釜焚きの鯛めしまで登場し、質・量とも最上級のご馳走三昧。これのためだけにやって来ても全然惜しくはない大満足の一夜でした。
それでもまあ、大幅な体重増も否めませんけどね… (^_^;)



【このページの写真及び動画は平成20年5月4日に撮影したものです】



《メモ》
  大山祇神社 【地図】
    愛媛県今治市大三島町宮浦3327
    電話…0879-82-0032
    拝観時間… 8:30~17:00
    宝物館・海事博物館共通券…1000円
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by kiratemari | 2008-05-16 18:10 | ├四国 | Trackback(1) | Comments(2)
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Commented by sanraku2 at 2008-05-18 14:09 x
>一応ガラスケースに収められてはいるものの、あまりにもごく普通に陳列されているものですから(本当に展示というより陳列という表現がぴったりかと)、ありがたみが薄れるというか(爆)、若干拍子抜けの感も否めませんでした
凄いものがたくさんあり過ぎるせいなんでしょうか(^^;;;

>社殿の方へ戻ってみると何とこちらも既に閉門
これは要注意ですねφ(..)メモメモ
Commented by 手鞠 at 2008-05-18 17:57 x
sanraku2さん、
宝物館は施設も古く照明もかなり暗めなので、余計にそんなふうに見えたのかもしれませんが(汗)、国宝があれだけたくさんあると感覚が麻痺してくるというか、別になおざりにしているわけではなくても、重要文化財ぐらいだと多少扱いがぞんざいになる部分もあるかもしれませんね(一部のメジャーな人物ゆかりの品は別として)。

社殿の閉門にはビックリでした。
神社の境内は開放的なイメージがあるので、少なくとも6時ぐらいまでは開いているものとの思い込みがあってしくじりました(>_<)

宝物館の方は5時少しオーバーしていても、無理に追い立てられることはなかったので(祝日だったので特別かも?)、ざっとだけでも先に見ておけばよかったと後悔すること一しきり… (-_-;)

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