花の寺・久安寺
ゴールデンウィーク前半戦は好天にも恵まれ、せっかくの祝日にどこへも出掛けないなんてもったいない! とはいえ、後半戦に旅行も控えているので、あんまり遠出もどうか…ということで、灯台下暗し、大阪にある花のお寺を訪ねてみることにしました。
場所は、関西花の寺二十五ヶ所霊場の一つ、大阪から丹波へと抜ける摂丹街道沿いの「伏尾の里」にある「大澤山久安寺」。
奈良時代の神亀2年(725)に行基によって開創され、天長年間に弘法大師によって再興された「安養院」が前身ですが、その後、火災によって焼失し、久安元年(1145)に近衛天皇の勅願寺として再興され、この時に年号をとって「久安寺」と号したと伝えられる古刹です。
つまり、最初の取っ掛かりは「近衛天皇」ゆかりのお寺という部分だったと…(^_^;)
室町時代初期の再建と言われる楼門。
直線のない「軒反り」という技法は他に類のないものだそうで、「最も美しい楼門」と評価され、重要文化財にも指定されているのだとか。
なお、楼門の前には鉄柵がめぐらされていてここを潜り抜けることはできません。バス停や駐車場はここから2~300メートルほど右手に回り込んだ所にあるので、自ずと参拝者は楼門を通らずに境内に入り、楼門を見るには内側からここまでバックしてくるような形になります。恐らくは楼門前の亀岡に抜ける国道の交通量が非常に多く、歩道部分もかなり狭いものですから、楼門からの参拝を暗に忌避させる目的もあるのでしょう。実際、すぐ間近に信号がないものですから(駐車場の所に押しボタン式の信号はありますが滅多に押されることはありませんから)、ハイスピードで通り過ぎる車もひっきりなしで、結構危険を感じました。
それはさておき、楼門の向こう側には眩い新緑の世界が…。
天を覆うばかりの楓の並木道。
足許には植わっているのは紫陽花の株でしょうか。
(この4つの画像はクリックで拡大表示可)
参道を彩る様々な草花。とりわけ噴水の水に浮かべられた色とりどりのつつじの花びらには、お寺の方の心遣いも見て取れます。
鐘堂前と本堂前のツツジは残念ながら少し早かったようです。
あと数日のうちには赤や白、ピンクに染め上げられた絨毯を拝めるのではないかと思います。
ならば、今の主役はといえば…、
やはりこちらの牡丹ですね。
瞑想する仏の世界をモチーフにしたという「虚空園」の一角に植えられた牡丹の花。
こちらも少し時期が早かったようで、花数的にやや淋しい印象もありましたが、とても綺麗に咲いていてくれました。
長谷寺のスケールの大きさには遠く及ばないとはいえ、こんな近場で(自宅から1時間かからず)、しかも、朝一で出張った甲斐あって、ほとんど独り占め状態で花を愛でることができたのですから、これに勝る喜びはありません (*^^)v
本堂の北側に広がるバン字池。
牡丹が植えられているのは、本堂の右手すぐそばの一角になります。
愛らしい石仏に手向けられたシャガの花。
久安寺の見所は牡丹やツツジのような主役を張れる花ばかりではないのですよね。
ゴールデンウィーク中には、牡丹もツツジも最盛期を迎えそうですし、お出掛けの予定がない向きには野歩きの感覚でちょっと立ち寄られてみてはいかがでしょう。今回は写真の数の都合上、割愛させていただきましたが、大きな涅槃像(横になったお釈迦様の像)の足の裏まで間近で見られる舎利殿や、甲羅干しに勤しむ亀の住まう朱雀池など花以外の見所も満載ですよ~♪
【このページの写真は平成20年4月29日に撮影したものです】
《メモ》
大澤山 久安寺 【地図】
大阪府池田市伏尾町697 (阪急電車池田駅よりバスで約20分)
TEL:0727-52-1857
拝観料: 300円
拝観時間: 9:00-16:00
by kiratemari
| 2008-05-01 20:59
| ├大阪
|
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|
Comments(2)
こんにちは
私も久安寺の牡丹を見にいきました。
たしかに牡丹の名所ほどの数はないですが
綺麗な緑の庭に咲き誇る牡丹は
ひと味違いましたね。
0
松風さんも久安寺の牡丹、ご覧になられたのですね。
「関西花の寺」のガイドブックの写真に惹かれて、何となく出掛けてみたのですが、予想以上に美しい庭園で感激しました。
早朝から訪ねられる近場というのも大きいでしょうね。
花も緑もイキイキとしていましたし…。
昨年、長谷寺に行った時には昼前近くて、お花がかなり可哀想な状態になっていましたから… (~~;)
「関西花の寺」のガイドブックの写真に惹かれて、何となく出掛けてみたのですが、予想以上に美しい庭園で感激しました。
早朝から訪ねられる近場というのも大きいでしょうね。
花も緑もイキイキとしていましたし…。
昨年、長谷寺に行った時には昼前近くて、お花がかなり可哀想な状態になっていましたから… (~~;)
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