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『篤姫』vol.12「さらば桜島」

通常の民放ドラマが大よそ3ヶ月で1クールということで、大河でもその例に習い大体10~12話で一区切りとされる場合が多く、今年の『篤姫』もそこに丸々「薩摩編」を充てて、その第一章がはや打ち上げとなったわけですが…。

さぞかし気合の入った回になるだろうと予想はついていましたが、しかし、その気合の入れ方が予想の斜め上を行くところはさすが『篤姫』ですか… (^_^;)



 
臨終などは除くとして、一話の中でこれだけ数多くのお別れシーンを詰め込んだドラマって未だかつてあったでしょうか。
まるで「TPOに合わせて泣きどころを各種取り揃えましたので、どうぞお好みの場面で大いに涙して下さい」と言わんばかりの大盤振る舞い。どうやら制作陣にはトータルバランスという概念が皆無のようで… (~_~;)

そうでなくても、養女話が持ち上がってからというもの、毎回のようにお別れもどきシーンがてんこ盛りでしたから、おかげで感覚もだんだん麻痺して来たのでしょうね。今生では二度と薩摩に戻ることのないヒロインの最後の決別シーンぐらいは、もうちょっとグッと込み上げて来るものもあるかと思っていたのですが…、お行列を止めての今和泉家門前でのシーンに至っては「もういい加減にせえ!」と… (-_-;)

その前の斉彬の計らいで(あれも幾島の進言によるものでしょうが)最後にわずかながら家族団欒の時を持つことができた所までで止めておけば、まだ印象も違ったのでしょうけどね。あそこで完全に今和泉家とは決別したとして、お行列の所は変に駕籠の戸を開けたりせず、前のお城入り時に尚五郎と御守を見せ合った時のように、御簾(?)ごしの別れに留めておいた方がよかったように思います。あのいかにもな忠剛殿の目の隈くっきりの病人顔をまともに見ておきながら、何も気づかずに行ってしまう姫というのもおかしな話ですし… (~_~;)

そして、このあとに続くシーンについては…、何でわざわざ自らクオリティを下げるような珍妙演出のオンパレードにするかな…?と (+o+)

桜島に向かっての絶叫はまさに漫画!
炎を背負ったヒロインの図にああいうセリフがト書きっぽく書き込まれるのですよね。
「私は絶対に負けない!」みたいな… (^_^;)
しかし、実写で叫ばれると、これほどこっ恥ずかしいシーンもありませんね。

で、この後、追いかけて来た三人組が姫のすぐ至近距離まで近寄って来るし、尚五郎は焦って刀の抜き身までちらつかせているのに(これぐらいは撮り直してもしれてるでしょうに)、誰も飛び出して来ない随行衆の危機感のなさ…。せめて取り押さえようとするのを、姫がオーラ全開で毅然と制止するとかの演出ぐらいは入れておいた方が無難ではなかったかと…。

ところで、これの前に行列が予定のルートを外れるのを見て尚五郎が「まさか!」と口走ったものですから、てっきり桜島に事寄せて調所さまのお墓参り(二話で贋金を埋めた所)でもする気かと思ったのですけどね。

第一章の〆ということなら、調所さまの在りし日のお姿を回想で流しつつ、心の中で「私も自分の役目を果たしに参ります」とか言うのもアリと思ったのですが、これは母のお幸さまに取られてしまいましたし、囲碁と「女の道は一本道」には及ばないにしても、大久保さんのお母さんよりも扱いが下(これも取ってつけたような感じでしたが)って…、今となっては調所さまの存在自体、大して必要性は無かったみたいで…(>_<)


しかし、今回のお涙頂戴てんこ盛り演出を見て切実に思ったのが、ドラマも好みに合わせて見るモードを自由に選べるようになればいいのにな…と。

ファミリー向けには「ホームドラマモード」、歴史好きにはホームドラマ色やコントシーンは控え目で政治話の比重が高い「歴史劇モード」という具合に、DVDのマルチアングル機能みたいに自分の見たい所をクローズアップってなことができれば、変なストレスも減って、もっと楽しいドラマ視聴ができそうな気がするのですが… (^_^;)
by kiratemari | 2008-03-25 20:01 | テレビ | Trackback | Comments(4)
Commented by ともp at 2008-03-27 06:16 x
手鞠様、おはようございます。

今回の篤姫、『泣いた』という方が多く、全然泣けなかった私は心が冷たい人間なのかと思っていました。
でも、手鞠様のレビューを読んで、手鞠様も私と同じ所で突っ込みを入れていらっしゃることがわかり、ほっといたしました。
とくに桜島への絶叫!幾島があそこで注意しなかったのが不思議です。尚五郎の抜刀も、ハプニングならなぜ撮り直さなかったのでしょう?演出なら…演出家の神経を疑います。

ところであの場所、ガイドブックをみたところ、やはり調所様との思い出の場所でした。『簪がたてられている』とまで書いてありました。どうやらカットされたようです。私にしてみれば、桜島への絶叫はカットしてよいから、調所様を思い出すシーンは入れてほしかったのですが…。

今回、篤姫は船で旅立ちましたが、史実は陸路を行きました。原作が海路なので仕方ありませんが、大事な御台所候補を遭難の危険の高い海路でいかせるなんで、大胆な…と思ってしまいました。『薩摩は参勤の途中あちこちを見ることができるわけじゃ』とおっしゃっていた若様が、篤姫に途中までは海路でしたと言われたらがっかりしないか心配です。


Commented by 鹿苑 at 2008-03-27 19:04 x
 何度もクドクドと別れのシーンを繰り返すシナリオ構成の悪さには、私も「なんだかなぁ」と思ってしまいました。元々私は「お別れシチュエーション大好き人間」なので、そういうシーンがあるとすぐにホロリとしてしまうのですが、何話も続けてそんなんばっかりだと、さすがに「これは繰り返しギャグなのか?」とさめてしまって。特に尚五郎のパターンはひどい……。「お別れ」はここぞという時に使うから良いんで、常時店じまいバーゲンセールはいらないんじゃー。
 何と言いますか、「他にネタは無いのか?」という感じですが、実際問題、あの主人公には(ドラマになるような)ネタがあんまり無いんでしょうね。無いなら無いなりにうまく創作したら良いのに、脚本家の引き出しが少ないのか何なのか……。未来人なだけあって、これまでも結構ちょこちょこと歴史改変をやってる篤姫なのですから、もっとこう、シナリオの出来がよくなる方向でネタ創りをやってくれないかなー、と。ああ、でも、そうか、「同一シチュエーションの繰り返し」というのは、タイムトラベルものの定番ではありますね。(←すっかりNHK少年ドラマシリーズ枠扱い)

 それはそれとして、今和泉の父・長塚忠剛がそろそろ退場でしょうか。一番のお気に入りだったので、残念です。江戸・京都編で第二お気に入り老中首座・草刈正弘の出番が増えたら嬉しいのですが、こちらも途中退場ですし、なかなかうまくはいきませんね。
Commented by 手鞠 at 2008-03-27 22:17 x
ともp様、こんばんは~♪
私は根が天邪鬼な所もあるので、世間的な評価とズレていること自体は自分でもよく自覚しているのですが、今年はちょっと異質な感じがしますね。数字=作品の質でないにしても、現時点では例年になく世間の支持を取り付けているようですし、これで泣けない自分はおかしいのか?と私も少し気になりだしていたのですが、同じご意見を伺って大いに安心しました (^.^)

あの桜島展望スポットはやはり元々は例の調所様の場所と同じ設定だったのですね。でも、それならどうしてカットされたのでしょうね。もしや、ドラマのあまりの不出来に平幹様がお怒りになって、回想の使用差し止めを申し入れられたのだったりして? (^_^;)
Commented by 手鞠 at 2008-03-27 22:24 x
鹿苑さん、こんばんは~♪
私も最近はかなり涙腺が緩くなっている方なのですが(先日も映画で号泣して来ましたし)、さすがに今回のお別れシーンの連続攻撃には思いっきりしらけてしまいました。

前から言われていることですが、この脚本家さんはどうも朝ドラの感覚で書いてらっしゃる気が…。
朝ドラの場合には、毎回正味12~3分の中に大なり小なり「ヤマ」を作る必要があるので、そういう意識も多少働いて、あれほどたくさんの泣き所を作る結果になってしまったようにも思えます(だからと言って全部採用せんでもと思いますが)。
今回の内容でも10分刻みぐらいの細切れで放送すれば、案外おもしろいと感じられるかもしれませんよ(笑)。

阿部老中は連続退場の先陣になりますからね。
ただ、江戸城へのお輿入れまでにもかなりの時間を割きそうな感じですので(でないと後のネタもありませんし)、今後はそこそこ出番が増えるのではとわずかながら期待を持っています。やはり男性陣に頑張っていただかないと益々視聴意欲がなくなってしまいますし… (-_-;)

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