『篤姫』vol.6「女の道」・vol.7「父の涙」
一泊旅行でリアルタイムに見られなかったことに加え、6話の終わり方がアレでしたので、その落とし所を見定めてから…との思いもあって、あえて前回分については書かなかったのですが…。
衝撃的な出来事のわりに、やけにあっさりとまとめられてしまって、余計にモヤモヤとしたものが残るスッキリとしない後味に… (-_-;)
■一部削除訂正した箇所がございますのでご注意のほどを…m(__)m
斉彬からの養女話に端を発しての老女菊本の自害。
これが原作者の創作でも脚本家のオリジナルでもない、実際に起きた出来事らしいのには驚きですが【←間違いの可能性が出て来たので削除訂正】、それにしても、ドラマ上ではこれまでやたらと身分格差軽視のぶっ飛び路線で進んで来ただけに、どうしても違和感を覚えざるを得ない流れになってしまいましたね。
このエピソードには当時の身分格差の厳しさ、その絶対的な隔たりが明確になっていないとちょっとやそっとではとても理解し難いものが…。
島津分家の姫様が下級武士の西郷や大久保らとお友達というのは言うに及ばず、第二話だったかで謹慎開けの忠剛を訪ねた西郷が、於一の兄忠敬に一方的に打ちのめされて、最後に軽く反撃に出る場面がありましたが、あれも本来なら許されないことでしょうからね。あの場の西郷はたとえ理不尽なことでも甘んじて受け入れ、とにかくただただ忍耐あるのみ!
身分差と言えば、ジョン万次郎もやけに博識豊かな雄弁家に仕立てられていますが、彼は貧しい漁師の家に生まれ、しかも薩摩と並ぶ身分格差の厳しい土佐の出身ですから、渡米後に学んだ英語力はともかく、日本語については恐らくまともな教育は受けていなかったのではないかと思います。その彼が漢字で書かれた地図をいとも簡単に読み解き、アメリカ流の恋愛感を坂本龍馬ばりに語る…。いや、実際あの万次郎の言い分は龍馬が言っていると思えばまだ納得できるかも… (^_^;)
そんな「階級社会などくそ食らえ!」的なスタンスでやって来たところに、突如「身分が低いのが恥…」などと言われても「?」となるだけ。しかも自害した菊本を罪人として処分するとは言っていても、それの持つ大きな意味についてはあまりはっきりと明言していないので、余計に「何が何だか?」となってしまうのですよね。
で、あんまりわけわかめなので、軽く検索をかけて調べてみたのですが、罪人として処罰されるということは、その人物の履歴を全て抹消し存在自体を消し去ることになるのですね。つまり菊本という老女は始めからいなかったということに。いない者が養育係になるわけがありませんから、於一との関わりも皆無となる…。
今の感覚からすれば、そんなの見かけ上の話だけと思ってしまいますが、今も残る縁切りの代名詞(?)の「勘当」も、本来は役所に届出て人別帳からその者の名を削ることで成立するものだったことを鑑みれば、昔の価値観ではいかに記録というものが重要視されていたか、何となくわかるような気もします。
とはいえ、あのタイミングでの自害というのはどんなものなんでしょう。
慶事の前の穢れの方がより重い罪に問われ易いという考えもあるでしょうが、そもそも何のために罪人になることを望んだかと言えば、全ては可愛い姫様のため。その姫のお城入り前の大事な時期にこんな騒ぎを起こせば、もしかすると養女話自体が吹き飛んでしまうかもしれない…とは考えられないものかと…。
理由が理由だけに、せめてお城入り見届けた後であれば、姫が去った喪失感も相まって…とまだ納得が行き易かったのではないでしょうか。で、しばらくは姫にも事実は知らさず、ここぞという所で明かして覚悟を決めさせる切り札にする…と。焼き捨てられたという遺書は恐らく残っていて(史実でも残っているようですから)【←間違いの可能性が出て来たので削除訂正】、後で必ず出て来るのでしょうから、下手に小出しにせずそこでバーンと一気に出した方が効果的だろうにと思うのですが、やはりこの手のエピソードは繰り返し出してできる限り引っ張りたいものなのでしょうかね (-_-;)
そして、引っ張ると言えば…、
いつまでメソメソばかりしてるんだ! 尚五郎!
先週今週と何回泣き顔を見せたことやら…。
最後の籠を見送っての号泣はさすがにやりすぎでしょう。
薩摩隼人の名が泣くよ…。
それ以前に於一への恋心を皆に知られ過ぎてるのもどうかと思いますが…(>_<)
これももしや父親同士のお守り交換のせいとか?
斉彬様の意向に反して、女の子用のお守りを貰ったためにあんな軟弱な子に育ってしまったと…。於一が逆にリアル男装までしてしまうほど活発な子になったのも、男の子用のお守りのせいと思えば、まあ納得できるかな… (^_^;)
とすると、今回の再交換で元のあるべき姿に戻ったということで、雄々しい侍に変身!となるのか? そして、於一もしとやかな篤姫様に?
まあ、何はともあれお城に上がって、ようやく話が動き出すということなのでしょうね。
そろそろ政治向きの話にも進展を見せてくれないとどうも退屈で…。
ホームドラマ要素も否定はしませんが、そればっかりなら別に大河でなくても、現代物の良作のドラマを見れば済む話。やっぱり時代のカラー&空気の感じられることがこの枠でやる第一義なのではないかと思うのですが、どんなもんでしょう… (^_^;)
■2/23追記
記事中の一部事柄に事実と異なる可能性のあるものが出て来たため、その部分ついては削除訂正させていただきました。この度はお騒がせしてどうもすみません m(__)m
衝撃的な出来事のわりに、やけにあっさりとまとめられてしまって、余計にモヤモヤとしたものが残るスッキリとしない後味に… (-_-;)
■一部削除訂正した箇所がございますのでご注意のほどを…m(__)m
斉彬からの養女話に端を発しての老女菊本の自害。
このエピソードには当時の身分格差の厳しさ、その絶対的な隔たりが明確になっていないとちょっとやそっとではとても理解し難いものが…。
島津分家の姫様が下級武士の西郷や大久保らとお友達というのは言うに及ばず、第二話だったかで謹慎開けの忠剛を訪ねた西郷が、於一の兄忠敬に一方的に打ちのめされて、最後に軽く反撃に出る場面がありましたが、あれも本来なら許されないことでしょうからね。あの場の西郷はたとえ理不尽なことでも甘んじて受け入れ、とにかくただただ忍耐あるのみ!
身分差と言えば、ジョン万次郎もやけに博識豊かな雄弁家に仕立てられていますが、彼は貧しい漁師の家に生まれ、しかも薩摩と並ぶ身分格差の厳しい土佐の出身ですから、渡米後に学んだ英語力はともかく、日本語については恐らくまともな教育は受けていなかったのではないかと思います。その彼が漢字で書かれた地図をいとも簡単に読み解き、アメリカ流の恋愛感を坂本龍馬ばりに語る…。いや、実際あの万次郎の言い分は龍馬が言っていると思えばまだ納得できるかも… (^_^;)
そんな「階級社会などくそ食らえ!」的なスタンスでやって来たところに、突如「身分が低いのが恥…」などと言われても「?」となるだけ。しかも自害した菊本を罪人として処分するとは言っていても、それの持つ大きな意味についてはあまりはっきりと明言していないので、余計に「何が何だか?」となってしまうのですよね。
で、あんまりわけわかめなので、軽く検索をかけて調べてみたのですが、罪人として処罰されるということは、その人物の履歴を全て抹消し存在自体を消し去ることになるのですね。つまり菊本という老女は始めからいなかったということに。いない者が養育係になるわけがありませんから、於一との関わりも皆無となる…。
今の感覚からすれば、そんなの見かけ上の話だけと思ってしまいますが、今も残る縁切りの代名詞(?)の「勘当」も、本来は役所に届出て人別帳からその者の名を削ることで成立するものだったことを鑑みれば、昔の価値観ではいかに記録というものが重要視されていたか、何となくわかるような気もします。
とはいえ、あのタイミングでの自害というのはどんなものなんでしょう。
慶事の前の穢れの方がより重い罪に問われ易いという考えもあるでしょうが、そもそも何のために罪人になることを望んだかと言えば、全ては可愛い姫様のため。その姫のお城入り前の大事な時期にこんな騒ぎを起こせば、もしかすると養女話自体が吹き飛んでしまうかもしれない…とは考えられないものかと…。
理由が理由だけに、せめてお城入り見届けた後であれば、姫が去った喪失感も相まって…とまだ納得が行き易かったのではないでしょうか。で、しばらくは姫にも事実は知らさず、ここぞという所で明かして覚悟を決めさせる切り札にする…と。焼き捨てられたという遺書は恐らく残っていて
そして、引っ張ると言えば…、
いつまでメソメソばかりしてるんだ! 尚五郎!
先週今週と何回泣き顔を見せたことやら…。
最後の籠を見送っての号泣はさすがにやりすぎでしょう。
薩摩隼人の名が泣くよ…。
それ以前に於一への恋心を皆に知られ過ぎてるのもどうかと思いますが…(>_<)
これももしや父親同士のお守り交換のせいとか?
斉彬様の意向に反して、女の子用のお守りを貰ったためにあんな軟弱な子に育ってしまったと…。於一が逆にリアル男装までしてしまうほど活発な子になったのも、男の子用のお守りのせいと思えば、まあ納得できるかな… (^_^;)
とすると、今回の再交換で元のあるべき姿に戻ったということで、雄々しい侍に変身!となるのか? そして、於一もしとやかな篤姫様に?
まあ、何はともあれお城に上がって、ようやく話が動き出すということなのでしょうね。
そろそろ政治向きの話にも進展を見せてくれないとどうも退屈で…。
ホームドラマ要素も否定はしませんが、そればっかりなら別に大河でなくても、現代物の良作のドラマを見れば済む話。やっぱり時代のカラー&空気の感じられることがこの枠でやる第一義なのではないかと思うのですが、どんなもんでしょう… (^_^;)
■2/23追記
記事中の一部事柄に事実と異なる可能性のあるものが出て来たため、その部分ついては削除訂正させていただきました。この度はお騒がせしてどうもすみません m(__)m
by kiratemari
| 2008-02-20 20:40
| テレビ
|
Trackback
|
Comments(6)
実際に起きた出来事なんですか?!Σ(゚Д゚;
0
sanraku2さん、こんばんは~♪
そうなんですよー。事実は小説よりも奇なり!
当主夫妻と姫に宛てた遺書も現存しているそうですから、とすると忠剛が焼き捨てるように命じたというのが創作だったりして? (ーー;)
そうなんですよー。事実は小説よりも奇なり!
当主夫妻と姫に宛てた遺書も現存しているそうですから、とすると忠剛が焼き捨てるように命じたというのが創作だったりして? (ーー;)
sanraku2さん、こんばんは~♪
すみません…
私もネット徘徊中に見つけたのですが、そのソースがどこのものだったかすっかりわからくなってしまったのですよ。日頃からちょっと人様はやらないような結構メチャクチャな検索の仕方をするもので… (~_~;)
改めて探してみても引っかからないし、もしかするとガセネタだったのかも? (>_<)
あの行動自体があまりに突飛過ぎで、とても創作で思いつくような代物ではないように思われたものですから、あまり迷いもなくすんなり納得してしまったのですが、原作には時期は異なるものの存在するエピソードのようですので、原作独自の設定だったのかもしれません。
この度は不確かなものを安易に載せてしまい、大変お騒がせをいたしました m(__)m
すみません…
私もネット徘徊中に見つけたのですが、そのソースがどこのものだったかすっかりわからくなってしまったのですよ。日頃からちょっと人様はやらないような結構メチャクチャな検索の仕方をするもので… (~_~;)
改めて探してみても引っかからないし、もしかするとガセネタだったのかも? (>_<)
あの行動自体があまりに突飛過ぎで、とても創作で思いつくような代物ではないように思われたものですから、あまり迷いもなくすんなり納得してしまったのですが、原作には時期は異なるものの存在するエピソードのようですので、原作独自の設定だったのかもしれません。
この度は不確かなものを安易に載せてしまい、大変お騒がせをいたしました m(__)m
そうでしたか。残念なような、ホッとしたような(^^;
「あの行動自体があまりに突飛過ぎで」の下りはよく分かります。物語は筋書き通りに進みますけど、実際の世の中はワケの分からんことが起こりますしね。
私も「これが史実なら分かるんだけどなぁ」などと思いながら見ていたのですが、これまで多くの「突飛な創作」を見せられてきたせいか、「いつものこと」と何も不思議に思わず流しておりました(笑)
「あの行動自体があまりに突飛過ぎで」の下りはよく分かります。物語は筋書き通りに進みますけど、実際の世の中はワケの分からんことが起こりますしね。
私も「これが史実なら分かるんだけどなぁ」などと思いながら見ていたのですが、これまで多くの「突飛な創作」を見せられてきたせいか、「いつものこと」と何も不思議に思わず流しておりました(笑)
sanraku2さん、こんにちは~♪
そうなんですよね。今の時点であのような事件を引き起こす必要性がまるで感じられないものですから、「史実がそうだから無理にも入れなきゃいけない」的な印象を強く受けたのですよ。脚本家さんもきちんと咀嚼しきれないまま書かざるをえなかったのかな…と。
でも、おっしゃるように最近は「突飛な創作」がだんだん幅を利かせるようになって来ていますから、そういう見方自体、変えて行かないといけないのかもしれませんね (-_-;)
そうなんですよね。今の時点であのような事件を引き起こす必要性がまるで感じられないものですから、「史実がそうだから無理にも入れなきゃいけない」的な印象を強く受けたのですよ。脚本家さんもきちんと咀嚼しきれないまま書かざるをえなかったのかな…と。
でも、おっしゃるように最近は「突飛な創作」がだんだん幅を利かせるようになって来ていますから、そういう見方自体、変えて行かないといけないのかもしれませんね (-_-;)
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