舞鶴の古刹・金剛院

 
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23日に彦根を訪れた後、湖東から敦賀-小浜に抜けてここまで来る予定だったのですが、途中で渋滞に遭ったのと、元々が無謀な計画だったこともあり(汗)、あえなく途中でタイムアウト。翌24日に改めて訪ねることになったのでした。

要は小浜か舞鶴辺りで宿を取っていれば済んだ話なのですけどね。
ギリギリに思いついたお出掛けでしたし、三連休中では宿の空きが見つからず… (^_^;)


されはさておき、今回訪れました「金剛院」。
京都府と福井県の県境に近い舞鶴市にある古刹で、関西花の寺25カ所の3番札所に当たります。


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関西花の寺25ヵ所は、関西2府4県内の「花の寺」と称される25カ寺が集まって結成された霊場会で、これまでにここでご紹介したお寺の中にも、蓮の花の「法金剛院」、コスモスの「般若寺」がこれに属しています。

金剛院のメインの花は秋海棠と紅葉(紅葉を花と言っていいものか…?)となっていて、とりわけ紅葉はかの三島由紀夫も愛でて、自著の『金閣寺』の中で取り上げているのだとか(未読のためどのように登場するのかは存じ上げません)。


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若干盛りには早いようでしたが、三島由紀夫うんぬんも納得の風景。

ここ金剛院は、平安時代初期の天長6年(829)に、眞如こと平城天皇の皇子高丘親王(薬子の変で廃太子され出家・在原業平は彼の甥)を開山として創建されましたが、その後衰退して荒廃していたところを、平安中期に白河天皇の勅願寺となり復興。

この三重塔(金剛院塔婆)も白河天皇が眞如の追善供養のために建立させたものとされ(ただし現物は室町時代の再建)、また本尊の波切不動明王も、白河天皇の病平癒の祈願のために若狭から勧請されたのだか。

白河天皇の後も、鳥羽天皇(白河天皇の孫)の皇后・美福門院の帰依を受け、平忠盛を造営奉行に任じて、阿弥陀堂(現物は江戸時代の再建)の造営および三重塔などの修復に当たらせたと伝えられています。

金剛院の周辺一帯は「志楽庄」と呼ばれ、忠盛の子である平清盛の支配下にあった時期もあり、その後、寿永3年(1184)には八条院暲子内親王(美福門院の皇女)の荘園となっているなど、都より遠く離れた地ながら、平家にとっても皇室にとっても、何やら関わりの深い土地だったようです。

さて、その三重塔の横の急な石段の上に本堂があり、ここから三重塔を見下ろすがまた絶景!


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ところで、院政期よりずっと時代を下って、戦国時代にはここ丹後国は細川氏の所領となり、その初代・細川幽斎(藤考:忠興の父・ガラシャ夫人の舅)もまた金剛院に帰依し、境内南西にある鶴亀の庭が幽斎作とされる他、三重塔から本堂に至る山腹に楓も幽斎によって植樹されたと伝えられるなど、現在紅葉の名所となり得たその所以は、実はこの細川幽斎による所が大きいようです。


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そして、この鶴亀の庭のすぐ隣には数々の重要文化財が納められた宝物館があります。



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通常は施錠されており、受付に申し出ると案内付きで拝観できるという仕組み。
今回は事前のアポなしでも拝観させていただけましたが、できればあらかじめ電話などで予約しておくのが望ましいようです。

堂内に安置されている仏像は、

  阿弥陀如来坐像(平安時代)
  多聞天立像(平安時代)
  増長天立像(平安時代)
  深沙大将立像(快慶作:鎌倉時代)
  執金剛神立像(快慶作:鎌倉時代)
  金剛力士像 2躯(室町時代)

本尊の波切不動明王は秘仏のため拝観不可。
この中では鎌倉時代の名匠・快慶作の深沙大将立像と執金剛神立像が有名で、特に深沙大将立像はここを含めて日本に数体しか現存しない珍しい仏像なのだとか。1mにも満たないさほど大きくない像ですが、太腿に象の顔面が生える(実際は象の頭の皮を袴のように履いている仕様)奇怪な姿に、憤怒の形相で迫ってくる荒々しさ・躍動感はインパクト大です。

この他にも、真正面に据えられた阿弥陀如来坐像、多聞天立像、増長天立像の3躯は美福門院が平忠盛に命じて阿弥陀堂に安置させたものとされていますので、これまた興味深く、中々見所満載でした。

入山料200円と別に宝物拝観には500円が必要ですが、入山しなくても宝物館だけはご覧になるべきだと思います。というのも、シンボルの三重塔を始め、この金剛院の絶景スポットは、実は境内外にあったりするのです。


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元々は金剛院の敷地だったのを市に寄付して公園にしたそうで、もちろん立入自由で無料。
とにかくここから眺める紅葉に埋もれるように建つ三重塔がそれはもう圧巻で…。
これだけでも十分堪能できますから、せめて後の時間とお金は是非とも宝物拝観に回していただきく… (^_^;)






訪れた24日と翌25日にはライトアップも行われ、前日であればタイミング的にちょうどよかったのですが、この日は朝一番に訪ねたもので、さすがにそこまでは粘られず、少々残念な思いをしました(でもまあその場合は宝物拝観ができなかったことに)。

しかし、地図の上では大阪からとてつもなく遠いような気がしますが、高速道路の恩恵の凄さ、舞鶴自動車道でわずか2時間ほどで着けましたから、大阪からは余裕で日帰り圏内(何せこの後、出石まで行って皿そばも食べて来ましたから)。京都からでも現在建設中の京都縦貫自動車道が全面開通すれば、かなり身近な場所になるかと…。

日本三景の一つ・天の橋立へ向かう道すがらにも立ち寄れる距離ですし、今後も再訪の機会はあるものと思いますので、その悔しさもいつか晴らせる時が来るものと… (^_^;)



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【このページの写真&動画は平成19年11月24日に撮影したものです】




《メモ》
  鹿原山慈恩寺金剛院 〈地図〉
    京都府舞鶴市字鹿原595番地
    電話 0773-62-1180
    拝観時間 9:00~16:00
    入山料 200円、宝物拝観 500円
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by kiratemari | 2007-11-30 20:11 | ├京都 | Trackback | Comments(0)
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