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『風林火山』vol.42「軍師と軍神」

今週は繋ぎの番外編といったところですか。
「もし勘助と景虎が出会っていたら…」の第2弾!
個人的にはこのシリーズも結構好きだったりします (^.^)



 
由布姫死去のショックから勘助をいかにして立ち直らせるかで、今回、脚本家が調合した処方箋がスバリ「景虎」。二人を出会わせ、その反発エネルギーをもって、消えかけた勘助の闘争心に再び火をつけようってわけですね。とはいえ、そこへ持って行くためのお膳立ては、かなり強引な感じがしましたが、ところがどっこい、全部が全部デタラメではないらしいというのが驚きです。

   ・景虎が大徳寺にて「宗心」の法名を授かった   ←史実
   ・景虎が高野山金剛峰寺の清胤に教えを受けた  ←これも史実
   ・弘治元年(1555)11月諏訪御寮人(由布姫)死去 ←これも史実
   ・弘治2年(1556)景虎高野山へ出奔(比叡山とも) ←これも史実

元々摩利支天を授かったという前振りがある勘助の高野山行きには何となく納得させられ(「御仏の慈悲に…」というのは柄にもないと思ったが)、むしろ前代未聞の出奔劇を演じた景虎の方に違和感を持ってしまいましたが、実は景虎の方こそが史料に基づいた行動だったというオチ。しかも、そこにまた、タイミング良く(?)諏訪御寮人の死が挟まったという、「事実は小説よりも奇なり」の典型的な例ですね ( ̄ー ̄)v

とはいえ、天下の霊場での大立ち回りはさすがにやり過ぎの感もありますが、勘助と景虎の丁々発止の殺陣は見ごたえ十分。思い込んだら一切聞く耳を持たない景虎のゴーイング・マイウェイぶりが笑えます。普段からずっと自らを律し続けている景虎も、その本性はそういう戒めがなければとても手に負えない荒ぶる鬼神で、そんな景虎のペースを乱す唯一の存在として勘助を当てたという見方も。

そもそも長尾家の家中には、景虎がそういう本心をさらけ出せる相手がいないみたいですからね。常に理想のお屋形様を演じているような、そんなよそよそしさがつきまとう景虎も、こと勘助に対する時だけはつい本音をさらけ出してしまう…みたいな。勘助にしても、晴信は崇め奉る主君で近寄りがたい存在なのが、景虎にはほとんど対等の感覚で接している所がありますからね。二人の関係を「お互い素になれる稀有な存在」という位置づけに置きたい脚本家の意志のようなものも感じられます。

それにしても、二人して清胤様に諭されている図は、どこか子供っぽくて微笑ましかったですね。方や学級委員も務めるクラス一の秀才・景虎くん、方や落ちこぼれの番長・勘助くん。この日頃からどうもそりの合わない二人が、ふとしたことで取っ組み合いの喧嘩を始めましたが、そこに清胤校長先生が駆けつけ一喝、二人並んで懇々とお説教される…と、そんな図式にピタリとはまるような一連の流れ… (^^;)

一夜明けて朝餉を共にする二人には、ようやく互いを理解し好敵手と認め合えた喜びと、同時に、敵に回して戦わねばならない淋しさのようなものも感じられ、少し切ない感傷めいた思いも残りました。「天」と「地」…、それは全くの別物ではなく、「表」と「裏」、「光」と「影」のように、互いの存在があって初めて成り立つものですからね。

ところで、清胤がお説教に用いた胎蔵界曼荼羅ですが、高野山で曼荼羅と言えば、先月、奈良国立博物館で見て来たばかりの清盛の「血曼荼羅」が真っ先に思い浮かびましたが、あれよりずっと小さいごく普通のサイズ。こういう時に実物を直に見ることの意義を痛感しますね。どんなに精巧な写真でも、本当の大きさを実感させることまではできないと…。


さて、長らく引っ張って来たリツの嫁取り問題も「養女」という形であっさりと決着。
しかし、出会いから随分長いこと待たせたわけで(少なくとも真里姫の年の数だけ)、今からこれぞという婿を探すのも中々至難の業なのでは?

勘助父さんはそういう話はとんと不得手そうですし、おまけに来週は養父・実父ともご出家となるようで、このままではリツ姫様、行かず後家の危機か…? (^_^;)
by kiratemari | 2007-10-23 20:24 | テレビ | Trackback | Comments(0)
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