小さい秋を探しに奈良へ vol.4 元興寺
さて、今回の奈良めぐりの最後に(博物館見学は別で)訪れたのは元興寺。
意外にも(?)「古都奈良の文化財」の一部として、東大寺や興福寺・春日大社などと共に「世界遺産」に登録されている由緒正しい寺院です。
蘇我馬子が飛鳥に建立した法興寺(飛鳥寺)を平城京遷都に伴い移転し、その際に元興寺(がんこうじ)と改号。当初は南都七大寺の一つとして、広大な寺域に金堂・講堂・塔・僧房などが立ち並ぶ一大寺院でしたが、蘇我氏の流れを汲むため、藤原氏とその氏寺の興福寺、あるいは東大寺などの勢力が増大するにつれ、衰退の一途をたどり、平安時代後期には廃寺同然にまで荒れ果てることに。
しかし、元興寺の本尊「智光曼荼羅」が、平安時代末期の「末法思想」の流行により再び信仰を集めるようになり、その曼荼羅を祀る御堂「極楽坊」が、いつしか元興寺本体とは別れ単体で発展。現在「元興寺」とされているのは、その「極楽坊」の流れを汲むものということです(以前は「元興寺極楽坊」と称していたとか)。
こちらがその極楽坊本堂の 「極楽堂」(鎌倉時代再建:国宝)。
本尊の曼荼羅も拝むことができますが、堂内は非常に暗く、また柵で隔てられかなりの距離感があるので、はっきり言ってまともに見えません (-_-;)
今回は荷物になるので持参しなかったのですが、オペラグラスなり単眼鏡の持参は必須ですね。
「極楽堂」に隣接する(一つ前の写真では奥) 「禅室」(鎌倉時代に改築:国宝)。
なお、この禅室の前に宝物館があり、高さ5m余の模型ながら創建当初の姿を忠実写しているとされる五重小塔(国宝)や木造の聖徳太子像・弘法大師像などを見ることができます。
こちらは禅室と宝物館に挟まれた空間にずらっと並ぶお地蔵様と供養塔。
それぞれの前に彼岸花が整然と並ぶ様は、さながら供花のよう…。
萩の花を見に来たはずが、目はこっちに釘付けに… (^_^;)
紅白のコラボレーション(笑)。
真紅の彼岸花の中に紫一点。
傍らを見れば、一転して今度は桔梗のエリアに…。
燃えるような緋の後だけに、ほっと心が休まるようなのどかな景色です。
そうそう、癒し(?)といえば、こんなものも…。
どういう謂れのあるものかはわかりませんが、いずれ劣らぬ愛嬌の良さ…(汗)。
とても小さなお地蔵様たちですが、何とも心和ませられます。
さて、ぐるっと裏側へ廻って、ふと目に飛び込んで来たのがこの「蛙石」。
(※上に乗っかっているのではありませんよ)
河内の川べりにあった殺生石を太閤豊臣秀吉が気に入って大阪城に運び込ませたという「大阪城の蛙石」は、淀殿の霊が籠もっているともいわれ、堀に身を投げた人も必ずこの石の下に「帰る」との言い伝えが…。縁あってここ元興寺に移されてからは、「福かえる」「無事かえる」の名石に見事転化(?)して、毎年7月7日に供養も行われているそうです。
ということで、最後に本来のお目当てのはずだった「萩」ですが…、ここも微妙にタイミングを外したようです (-_-;)
事前情報では「見頃」とのことだったのですが、「やや早?」だったか…?
とはいえ、元々一つ一つの花も小さい淋しげな花ですので、これくらいの方が風情があってちょうど良いのかもしれません。
今回の動画は、どうも上手く編集しきれず、やたらと長々となっておりますm(__)m
ということで、彼岸花、桔梗、萩と見て来てましたが、この日一番見事な咲きっぷりを見せていたのは、何を隠そう、境内外の駐車場の脇に植わっていたこの花でしょうね。
芙蓉のかんばせ、いと麗しく~♪
《メモ》
元興寺(元興寺文化財研究所) 地図
奈良市中院町11
拝観料… 一般400円、高・中学生300円、小学生100円
拝観時間…9:00-17:00(受付は16:30まで)
意外にも(?)「古都奈良の文化財」の一部として、東大寺や興福寺・春日大社などと共に「世界遺産」に登録されている由緒正しい寺院です。
蘇我馬子が飛鳥に建立した法興寺(飛鳥寺)を平城京遷都に伴い移転し、その際に元興寺(がんこうじ)と改号。当初は南都七大寺の一つとして、広大な寺域に金堂・講堂・塔・僧房などが立ち並ぶ一大寺院でしたが、蘇我氏の流れを汲むため、藤原氏とその氏寺の興福寺、あるいは東大寺などの勢力が増大するにつれ、衰退の一途をたどり、平安時代後期には廃寺同然にまで荒れ果てることに。
しかし、元興寺の本尊「智光曼荼羅」が、平安時代末期の「末法思想」の流行により再び信仰を集めるようになり、その曼荼羅を祀る御堂「極楽坊」が、いつしか元興寺本体とは別れ単体で発展。現在「元興寺」とされているのは、その「極楽坊」の流れを汲むものということです(以前は「元興寺極楽坊」と称していたとか)。
こちらがその極楽坊本堂の 「極楽堂」(鎌倉時代再建:国宝)。
本尊の曼荼羅も拝むことができますが、堂内は非常に暗く、また柵で隔てられかなりの距離感があるので、はっきり言ってまともに見えません (-_-;)
今回は荷物になるので持参しなかったのですが、オペラグラスなり単眼鏡の持参は必須ですね。
「極楽堂」に隣接する(一つ前の写真では奥) 「禅室」(鎌倉時代に改築:国宝)。
なお、この禅室の前に宝物館があり、高さ5m余の模型ながら創建当初の姿を忠実写しているとされる五重小塔(国宝)や木造の聖徳太子像・弘法大師像などを見ることができます。
こちらは禅室と宝物館に挟まれた空間にずらっと並ぶお地蔵様と供養塔。
それぞれの前に彼岸花が整然と並ぶ様は、さながら供花のよう…。
萩の花を見に来たはずが、目はこっちに釘付けに… (^_^;)
紅白のコラボレーション(笑)。
真紅の彼岸花の中に紫一点。
傍らを見れば、一転して今度は桔梗のエリアに…。
燃えるような緋の後だけに、ほっと心が休まるようなのどかな景色です。
そうそう、癒し(?)といえば、こんなものも…。
どういう謂れのあるものかはわかりませんが、いずれ劣らぬ愛嬌の良さ…(汗)。
とても小さなお地蔵様たちですが、何とも心和ませられます。
さて、ぐるっと裏側へ廻って、ふと目に飛び込んで来たのがこの「蛙石」。
河内の川べりにあった殺生石を太閤豊臣秀吉が気に入って大阪城に運び込ませたという「大阪城の蛙石」は、淀殿の霊が籠もっているともいわれ、堀に身を投げた人も必ずこの石の下に「帰る」との言い伝えが…。縁あってここ元興寺に移されてからは、「福かえる」「無事かえる」の名石に見事転化(?)して、毎年7月7日に供養も行われているそうです。
ということで、最後に本来のお目当てのはずだった「萩」ですが…、ここも微妙にタイミングを外したようです (-_-;)
事前情報では「見頃」とのことだったのですが、「やや早?」だったか…?
とはいえ、元々一つ一つの花も小さい淋しげな花ですので、これくらいの方が風情があってちょうど良いのかもしれません。
今回の動画は、どうも上手く編集しきれず、やたらと長々となっておりますm(__)m
ということで、彼岸花、桔梗、萩と見て来てましたが、この日一番見事な咲きっぷりを見せていたのは、何を隠そう、境内外の駐車場の脇に植わっていたこの花でしょうね。
芙蓉のかんばせ、いと麗しく~♪
【このページの写真&動画は平成19年9月29日に撮影したものです】
《メモ》
元興寺(元興寺文化財研究所) 地図
奈良市中院町11
拝観料… 一般400円、高・中学生300円、小学生100円
拝観時間…9:00-17:00(受付は16:30まで)
by kiratemari
| 2007-10-12 18:45
| ├奈良
|
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|
Comments(2)
>手鞠さんへ
こんにちは〜
秋の草花って素敵ですね〜(*´〜`*)
そして、萩の愛らしい花は、お寺などの木造に栄え、萬珠沙華には石仏が似合うのは何故でしょう。
どのお写真も素敵です(*^^*)
わたしも花散策にでかけたくなりました。
こんにちは〜
秋の草花って素敵ですね〜(*´〜`*)
そして、萩の愛らしい花は、お寺などの木造に栄え、萬珠沙華には石仏が似合うのは何故でしょう。
どのお写真も素敵です(*^^*)
わたしも花散策にでかけたくなりました。
0
さくらさん、
私も秋の花って春ほどあまり意識したことはなかったのですが、意外と身近にたくさんあるものですね。
中でも萬珠沙華と石仏は、おっしゃるようにベストコンビですよね。
真紅の花が白(グレー)の石仏に映えてどちらも引き立てあっていることと、花びらがバラの花のように分厚いものでなく、水引のような繊細な形状をしていることもあるかもしれませんね(華やかだけどどこか淋しげな感じで)。
二つが並ぶと何もしなくても絵になってくれますし、有難い被写体です (^_^;)
私も秋の花って春ほどあまり意識したことはなかったのですが、意外と身近にたくさんあるものですね。
中でも萬珠沙華と石仏は、おっしゃるようにベストコンビですよね。
真紅の花が白(グレー)の石仏に映えてどちらも引き立てあっていることと、花びらがバラの花のように分厚いものでなく、水引のような繊細な形状をしていることもあるかもしれませんね(華やかだけどどこか淋しげな感じで)。
二つが並ぶと何もしなくても絵になってくれますし、有難い被写体です (^_^;)
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