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『風林火山』vol.40「三国同盟」

いよいよ40回の大台に乗って来ましたね。
最終コーナーを回り、後はゴールに向かって疾走するのみ。
今回はそのラストスパートへのギアチェンジ第一弾と言った所でしょうか…。



 
しかし、しばし川中島の戦いは小休止中とはいえ、そんな時にちょいと京都へお礼参り…なんて、景虎君もまた悠長なことを…(汗)。まあ、事前に「天下に号令をかけるためではない」ときちっと触れ回っておきさえすれば、「どうぞどうぞ」と黙って通してくれる…、筋さえ通っていれば別に文句はつけない…、そういう古きよき時代だったのかもしれませんね (^^;)

勘助にしても「今こそ好機!」と言いつつも、守りの強化に専念するを良しとしているのは、やはり主不在の隙を突いて攻め入るのは外聞も悪いと慮ってのことでしょうか (-_-;)

で、そこで甲相駿の三国同盟。
三人のお山の大将が最初で最後の顔合わせとなりましたが、熊野牛王を用いた仰々しい誓約の儀式のわりにお三方とも普段着仕様なのはどうもアンバランス。正装とまではいかなくても、もう少し畏まった感じの衣装の方が場も締まったのではないでしょうか。毎回取っ換え引っ換えの景虎様に比べると明らかに手持ち衣装のバリエーションが少ないですよね (^_^;)

それにしても、タコ・サル・カメの嫌味合戦。
先陣はやっぱりタコさんでしたね。最近ちと気が短くなり過ぎている気もしますが、これも自分の生涯のタイムリミットを無意識のうちに感じ取っているせいでしょうか。そして、間もなく世に出る「この三人に勝るしたたか者」達に、いずれ今川が、武田が、そして北条が飲み込まれる将来もしっかりと意識した話の作り…。

しかし、ふと思うのはこの三角婚姻、もし逆方向の組み合わせで行われていればどうなっていたか? すなわち、武田から今川へ娘を、今川から北条へ娘を、北条から武田へ娘をという形であれば、桶狭間で義元が死んだ後、武田は果たしてどう動いたか?

そりゃあ人質がいても、かつての諏訪同様、構わず攻め入る道もあるでしょうが、問題の婿殿が年若でウツケ(?)と来れば、むしろ義父という立場を最大限に生かして「名より実を取る」、表向きは後見人となって実質傘下に収めてしまう方が手っ取り早いでしょうし、その武田の次の当主は北条の婿。となれば、いずれ代替わりの暁にはその利得はそっくり北条に転がり込む…との胸算用も立ち、残る甲相二国の盟約は形を変えながらも維持され、もしこの二つが結束して一枚岩で対抗していれば、あるいは、その後の信長や秀吉の台頭を抑えることもできたのではないかと…。

歴史にタラ・レバは禁句ですが、こういう妄想を働かせることのできる余白があるからこそ、また面白くもあり…ですね (^_^;)


それはさておき、今回の影の主役と言うべき雪斎殿。
勘助の描いた騙し絵を見事読み解き、自ら武田・北条の双方の陣に赴き(尺が足りないためか二件同時進行で済まされましたが)、すっかりお膳立てを整えた功労者。この辺りは真の仕掛け人が雪斎と見られているからでしょうか。勘助の暗躍は史実の影に隠れた秘話という処理にして、とりあえず辻褄を合わせたものと…。

しかし、これによって今川における雪斎の存在感の大きさが改めて浮き彫りにも…。雪斎あっての義元であり、今川家だったと…。その雪斎もいよいよご退場の時がやって来たようで、次回は「姫の死」という大イベント(?)があるため、前倒しで今回に餞の場を持って来たのかもしれませんね。まあ、そのわりに、最後の三条夫人の熱演に全部持って行かれた感もありますけど… (~_~;)

その三条夫人と梅姫の抱擁シーンですが…、確かに胸に迫る良いシーンだったと思うものの、ただ、場所が場所だけにやはり違和感が…。
勘助に「真の慈愛」の何たるかを知らしめるために、ああいうシチュエーションをとったのでしょうが、それなら奥での内輪の別れを障子越しにでも盗み聞いたという形でもよかったわけで、ああして家臣一同が居並ぶ場で正室がとる行動としては疑問を持たざるをえないと…。


ということで、今回のラストにとうとう喀血してしまった由布姫が次回でサヨナラ。
まあ何だかんだと物議を醸し続けてくれましたが、ここへ来てようやく自然な笑顔も見せることができるようになった所を見ると、少々お名残り惜しい気も…。

ともかく最期に当たって望むことは、その後に必ずや見せるであろう勘助の狂おしさにも納得が行くような、美しい旅立ち方で飾っていただきたい…、それのみですね。
by kiratemari | 2007-10-09 18:31 | テレビ | Trackback | Comments(0)

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