『風林火山』vol.38「村上討伐」

第28回「両雄死す」からちょうど10回目にして、上田原の合戦以来の因縁対決も、ようやく幕切れを迎えることに…(といっても、越後傘下での戦いは続くので、あくまでも武田vs「村上」としては)。
放映期間にして2ヶ月余(劇中時間では5年)、長かったような短かったような…。



しかしまあ、武田に二度までも大敗北を味合わせた猛者も、一旦坂道を転がり出すと、もう途中で押し留める手立てはなしってことでしょうか ( -д-)

今にして思えば、真田幸隆の弟・常田隆永の寝返り(第34回)が一番のキーだったようですね。
あれで重臣の須田新左衛門まで取り込まれ、要の砥石城を奪取された時点で、ほぼ勝敗は決していたようなものだと…。ただ、その後に姫話やら北条話を挿入したことで、この辺りの繋がりがブツ切れになってしまい、何だか知らないうちにあっけなくライバルの座から転げ落ちていた…という印象しか残らないのは、制作者側の目論見通りなのか否か…(所詮、村上は長尾景虎の前座だと…?)。

今回唐突に登場して、あっという間に自害で退場となった村上義清の正室・玉ノ井の扱いにしても、信濃守護・小笠原長時の妹(同母か異母かは不明)という出自を考えれば、もっと色々使いようがあったでしょうにね。実在らしい「笄の渡し」の伝承を取り入れている所を見ても、リサーチ不足で知らなかったとは到底思えませんし、時間の関係もあって、意図的にそういう関係性はバッサリ斬り捨てたのでしょうが…。

とはいえ、村上が小笠原をけしかけるという展開上、ダメ兄貴と夫の仲を苦労しながら取り持つ姿を垣間見せるなどのことをしておけば、兄の往生際の悪さとは対照的な、あの潔い最期ももっと哀れを誘ったことでしょうし、また共に逃げる道すがらにでも、身重のヒサに優しいの一つも言葉をかけ、もし敵に捕まるようなことがあれば自分は自害する覚悟でいることを告げ、さらに、ヒサにはその自分の最期を夫義清に伝えるためにも、何がなんでも生きて越後へたどり着くように諭すなどしておけば、奥方の賢夫人キャラをより印象付けられると共に、一人生き残ったヒサに対する風当たりも少しは和らいだように思うのですが…。

もっとも、あの自害のシーンに関しては、奥方はともかく、侍女の後追いのタイミングが少し早すぎたようにも思いますね。どちらかと言えば奥方の自害はほとんど突発的に起きたことですから、そのことにうろたえ、悲しみ、そして自らも命を絶つ覚悟を決める…、これだけの段取りを踏むには、やはりヒサぐらいの逡巡の間があって然るべきかと…。三人がほぼ同時に小刀を構え、馬場も最も手前にいたヒサを止めるのが精一杯だったという形をとる方が、もっと自然に映ったのではないでしょうか。

で、ついでに真田の素破の葉月が運良く居合わせ(平蔵と真田は顔見知りですから村上の動きを探るのにマークしていたとか理由は何とでも)、馬場と別れた後のヒサを影ながら護衛して、春日山城まで送り届けたということにすれば、「妊婦一人の旅でよくまあ無事に…」という批判も交わせたものと… (^_^;)

それにしても、結婚後も「平蔵」と呼び捨てにするヒサ。それも自邸内でのことならいざ知らず、人目にたちやすい城中の廊下で堂々と…。いくら元は使用人だったとはいえ、平蔵も今やれっきとした義清の側近の一人なのですから、これが同僚の耳にでも入れば、よそ者&新参者の弱味も相まってまず貶められるのがオチ。もし、急にへりくだるのもおかしいというのなら、ヒサが平蔵を呼び止めるのではなく、平蔵からヒサを見つけて声をかけるという形にすれば済む話だと思うのですが…。

また、それと似たようなことで、勘助の許に押し掛けて来たリツの「父上も承知しております」の「上」はいらんだろうと…。そもそも「承知しております」の謙譲語的な表現に尊称をつけるのは矛盾していますし、強いて「父上」とするなら「ご承知(のこと)にございます」などと続けるのが妥当ではないかと…。しかし、御大家の若君や姫様ならともかく、一般的な武家の子女(男女の関わりなく)の嗜みとしては、相手が多少格下でも年長者の場合は、一歩引いた物言いの方がスッキリと聞けると思うのですよ。重箱の隅をつつくような些細なことでしょうが、初見の時から妙な引っ掛かりを覚えたものですから… (-_-;)


ということで、次回からはいよいよ川中島へ突入。
それにしても、先週の北条話での「譜代vs外様」論議、まだ続いていたのですね。
っていうか、上杉家のは前座で、実はこっちが本命だったとか…? (^_^;)

知恵働きで所領を増やして行く真田ら新興勢力に対する譜代の馬場の憤り。
どこの家中であれ、特に勢いが盛んな所ほど、これは避けては通れない問題なのでしょうね。
しかし、今回はそれだけで留まらず、さらにそのとばっちり(?)で、諸角御大の燻っていた武者魂にもしっかり火が点いてしまい、そこから諸角自身のみならず武田全体が思わぬピンチに陥る…と、相変わらず手の込んだ伏線を仕込んでくれているようで、来週以降も目の離せない展開が続きそうです。

で、そこにまた一つ朗報と申しますか、昨日のクランクアップ後の会見の席上で、当初49回の放送予定が1回増えて、全50回になったとの発表があったそうで、その増えた分によって妙な中弛みが生じないか、多少気がかりもありますが、それでも、一週でも長くこのドラマを楽しめると聞けばやはり嬉しいものですね (*^.^*)
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by kiratemari | 2007-09-27 18:17 | テレビ | Trackback | Comments(0)
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