盛夏の東北旅行vol4.平泉2-毛越寺&中尊寺
平泉二日目は待望の毛越寺と中尊寺へ。
本来ならばそれぞれ別立ての記事でお送りする所なのですが、既に書きましたように、このパートのデジカメのデータがぶっ飛んでしまい、目ぼしい画像がほとんど残らなかったため、不本意ながら、両寺1セットでのご紹介とさせていただきます。
一般的に初代清衡の中尊寺、二代基衡の毛越寺…と称されることが多いですが、実は両寺とも創建はそれより遙か以前の平安時代初期(共に850年建立)。開山は第3代天台座主・慈覚大師円仁とされ、同じく慈覚大師を開祖とする松島の瑞巌寺(828年建立)、山形の「山寺」こと立石寺(860年建立)の四つの古刹を併せて巡る「四寺回廊」なるものもあるようです。
それはさておき、前九年・後三年の役の戦乱を乗り越え、奥州の事実上の支配者となった藤原清衡は、先の戦での戦没者の慰霊等を目的に中尊寺を再興。そして、毛越寺もまた、それにならった二代基衡の手により再興されましたが、『吾妻鏡』によれば、当時は中尊寺を凌ぐほどの規模を誇る一大寺院だった言います。
ということで、まずは毛越寺へ。
毛越寺の浄土庭園の中心を成す「大泉が池」。
中でもこの「出島石組」と「池中立石」は、特に目を引くスポットです。
こちらは海岸の岩山の景観を表現した「築山」。
そして、このパートで唯一残った動画がこちら。
池の広大さぐらいは伝わりますでしょうか?
朱塗りの柱が目にも鮮やかなのは毛越寺の本堂。
平成元年に藤原秀衡公八百年遠忌を記念して再建されたものだそうです。
そして、この本堂の裏手に蓮池が!
こちら毛越寺にも「中尊寺蓮」が株分けされているとの情報があるので、多分これがそうなのではと思うのですが、今回諸般の事情により(要は時間と体力の問題で…)本家の中尊寺では見ることができなかったものですから、蓮の品種にはさして知識のない私のこと、とても断言はできません。
中尊寺蓮は、昭和25年(1950)に行われた学術調査の際に、四代泰衡の首桶の中から発見された古代蓮の種子が、平成10年に800年余の時を超えて開花したもので、その後、ゆかりの寺などへ少しずつ株分けされたものが全国に広がり、今では「中尊寺蓮」も数ある蓮のブランドの一つとして定着しつつあるようです。
しかしまあ、800年という途方もない時間を経ようとも、発芽して花を咲かせるという役目を忘れることはない植物の生命力の強さ。我が物顔で好き勝手なことをしていても、人間も含めた動物の寿命など、その足許にも及ばないものなんですよね (^_^;)
最後に開山の慈覚大師を祀るその名も「開山堂」をバックにもう一枚。
ということで、myカメラに残っていたデータは残念ながらこれまで(この蓮池の所でメモリー・カードを入れ替えたもので)。
蓮の花や遣水なども動画で撮っていて、後でつなぎ合わせてアップするつもりだったのに… (/_;)
かろうじて大泉が池の部分だけは残ったのが、せめてもの救いでしょうか。
それと、曲水の宴の会場として知られる遣水は、もう一つのカメラの分でどうにかフォロー。
もうちょっと上流のものがあればよかったのですが、私が撮っているからと、ほとんどシャッターを切らなかったそうな…。確かに二台で同じような写真ばかりというのも何ですが、でも、もうちょっと気合入れて撮っていてくれればね… (-_-;)
さて、毛越寺のお次の中尊寺ですが、これがまた、余計なことを考えて回り道をした所、とんでもない山道に入ってしまい、一苦労も二苦労もすることになり、挙句にどこでどう間違ったものか、途中で道を1本入り違えたようで、予想した場所とはかけ離れた場所に出てしまうなど、それはもう散々な目に(でもってトドメが月見坂の急坂と)。「急がば回れ」ならぬ「急がば正道」てか? (~_~;)
とはいえ、金色堂はやはり素晴らしかった!
これまでに、写真やテレビ映像などで何度もお目にかかっては来ましたが、しかし、実物に勝るものはありません。特に大きさなどは実感してみないとわからないものですからね。たとえガラス越しであろうと、これは一見の価値があります。
ただ、今回は何せお盆休み真っ只中でしたから、堂内はかなり混雑していてあまり近づくことができなかったのですが、幸いオペラグラスを持参して行っていたので(後々必要な場面があるもので)、離れた場所からでも隅々まで観察し放題(前の方だと長居もしづらいですし)。少々荷物にはなりますが、仏像鑑賞にはお薦めのアイテムですよ。
あと、宝物館の讃衡蔵も充実してますね。
いきなり圧倒された阿弥陀如来座像と2体の薬師如来座像。精緻の極みのような金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(宝塔が経文の文字によって形作られています)などなど。何より、毛越寺の宝物館と違い、冷房もしっかりと効いていたので、じっくりと見て回ることができました(毛越寺では扇風機は回っていたものの、ほとんど意味なしのサウナ状態で5分といられませんでした)。
それはそうと、この日は8月14日、ちょうど「中尊寺薪能」の当日でした。
で、その会場の白山神社能舞台を訪れてみると、緑の仮設の屋根が設けられていてどうも興ざめな佇まい…。
茅葺の屋根には盛大に水が撒かれていましたが、これは大切な重要文化財に万が一にも燃え移ることがないようにとの備えでしょうね。後で知ったことですが、野村萬斎さんもご出演だった薪能。予定を一日ずらすことができれば、見られないこともなかったのですよね(まあ、この会場の広さではチケット獲りが至難の技でしょうが…)。
ということで、心残りは数々あれど、平泉の偉大さを肌身で感じられた二寺の探訪。
いつの日か必ずや再訪してやるぞ~!
《メモ》
毛越寺 地図
岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58
TEL:0191-46-2331
拝観料:大人500円、高校生300円、小・中学生100円
中尊寺 地図
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
TEL:0191-46-2211
金色堂・鑚衡蔵拝観料:大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円
本来ならばそれぞれ別立ての記事でお送りする所なのですが、既に書きましたように、このパートのデジカメのデータがぶっ飛んでしまい、目ぼしい画像がほとんど残らなかったため、不本意ながら、両寺1セットでのご紹介とさせていただきます。
一般的に初代清衡の中尊寺、二代基衡の毛越寺…と称されることが多いですが、実は両寺とも創建はそれより遙か以前の平安時代初期(共に850年建立)。開山は第3代天台座主・慈覚大師円仁とされ、同じく慈覚大師を開祖とする松島の瑞巌寺(828年建立)、山形の「山寺」こと立石寺(860年建立)の四つの古刹を併せて巡る「四寺回廊」なるものもあるようです。
それはさておき、前九年・後三年の役の戦乱を乗り越え、奥州の事実上の支配者となった藤原清衡は、先の戦での戦没者の慰霊等を目的に中尊寺を再興。そして、毛越寺もまた、それにならった二代基衡の手により再興されましたが、『吾妻鏡』によれば、当時は中尊寺を凌ぐほどの規模を誇る一大寺院だった言います。
ということで、まずは毛越寺へ。
毛越寺の浄土庭園の中心を成す「大泉が池」。
中でもこの「出島石組」と「池中立石」は、特に目を引くスポットです。
こちらは海岸の岩山の景観を表現した「築山」。
そして、このパートで唯一残った動画がこちら。
池の広大さぐらいは伝わりますでしょうか?
朱塗りの柱が目にも鮮やかなのは毛越寺の本堂。
平成元年に藤原秀衡公八百年遠忌を記念して再建されたものだそうです。
そして、この本堂の裏手に蓮池が!
こちら毛越寺にも「中尊寺蓮」が株分けされているとの情報があるので、多分これがそうなのではと思うのですが、今回諸般の事情により(要は時間と体力の問題で…)本家の中尊寺では見ることができなかったものですから、蓮の品種にはさして知識のない私のこと、とても断言はできません。
中尊寺蓮は、昭和25年(1950)に行われた学術調査の際に、四代泰衡の首桶の中から発見された古代蓮の種子が、平成10年に800年余の時を超えて開花したもので、その後、ゆかりの寺などへ少しずつ株分けされたものが全国に広がり、今では「中尊寺蓮」も数ある蓮のブランドの一つとして定着しつつあるようです。
しかしまあ、800年という途方もない時間を経ようとも、発芽して花を咲かせるという役目を忘れることはない植物の生命力の強さ。我が物顔で好き勝手なことをしていても、人間も含めた動物の寿命など、その足許にも及ばないものなんですよね (^_^;)
最後に開山の慈覚大師を祀るその名も「開山堂」をバックにもう一枚。
ということで、myカメラに残っていたデータは残念ながらこれまで(この蓮池の所でメモリー・カードを入れ替えたもので)。
蓮の花や遣水なども動画で撮っていて、後でつなぎ合わせてアップするつもりだったのに… (/_;)
かろうじて大泉が池の部分だけは残ったのが、せめてもの救いでしょうか。
それと、曲水の宴の会場として知られる遣水は、もう一つのカメラの分でどうにかフォロー。
もうちょっと上流のものがあればよかったのですが、私が撮っているからと、ほとんどシャッターを切らなかったそうな…。確かに二台で同じような写真ばかりというのも何ですが、でも、もうちょっと気合入れて撮っていてくれればね… (-_-;)
さて、毛越寺のお次の中尊寺ですが、これがまた、余計なことを考えて回り道をした所、とんでもない山道に入ってしまい、一苦労も二苦労もすることになり、挙句にどこでどう間違ったものか、途中で道を1本入り違えたようで、予想した場所とはかけ離れた場所に出てしまうなど、それはもう散々な目に(でもってトドメが月見坂の急坂と)。「急がば回れ」ならぬ「急がば正道」てか? (~_~;)
とはいえ、金色堂はやはり素晴らしかった!
これまでに、写真やテレビ映像などで何度もお目にかかっては来ましたが、しかし、実物に勝るものはありません。特に大きさなどは実感してみないとわからないものですからね。たとえガラス越しであろうと、これは一見の価値があります。
ただ、今回は何せお盆休み真っ只中でしたから、堂内はかなり混雑していてあまり近づくことができなかったのですが、幸いオペラグラスを持参して行っていたので(後々必要な場面があるもので)、離れた場所からでも隅々まで観察し放題(前の方だと長居もしづらいですし)。少々荷物にはなりますが、仏像鑑賞にはお薦めのアイテムですよ。
あと、宝物館の讃衡蔵も充実してますね。
いきなり圧倒された阿弥陀如来座像と2体の薬師如来座像。精緻の極みのような金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(宝塔が経文の文字によって形作られています)などなど。何より、毛越寺の宝物館と違い、冷房もしっかりと効いていたので、じっくりと見て回ることができました(毛越寺では扇風機は回っていたものの、ほとんど意味なしのサウナ状態で5分といられませんでした)。
それはそうと、この日は8月14日、ちょうど「中尊寺薪能」の当日でした。
で、その会場の白山神社能舞台を訪れてみると、緑の仮設の屋根が設けられていてどうも興ざめな佇まい…。
茅葺の屋根には盛大に水が撒かれていましたが、これは大切な重要文化財に万が一にも燃え移ることがないようにとの備えでしょうね。後で知ったことですが、野村萬斎さんもご出演だった薪能。予定を一日ずらすことができれば、見られないこともなかったのですよね(まあ、この会場の広さではチケット獲りが至難の技でしょうが…)。
ということで、心残りは数々あれど、平泉の偉大さを肌身で感じられた二寺の探訪。
いつの日か必ずや再訪してやるぞ~!
【このページの写真&動画は平成19年8月14日に撮影したものです】
《メモ》
毛越寺 地図
岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58
TEL:0191-46-2331
拝観料:大人500円、高校生300円、小・中学生100円
中尊寺 地図
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
TEL:0191-46-2211
金色堂・鑚衡蔵拝観料:大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円
by kiratemari
| 2007-08-29 19:27
| ├東北
|
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Comments(4)
手鞠さん、今晩は♪
平泉を堪能なさったようで良かったですね。(^^)
実は私、時間が限られていたことと同行者が多かったことで、平泉は中尊寺しか行っておりません。手鞠さんの記事を読んで、義経最期の地や毛越寺にも行ってみたくなりました。いつか再訪しなくては…。
金色堂は本当に素晴らしいですよね。全体が輝いていて、当時の人たちの想いが伝わってくるようでした。
平泉を堪能なさったようで良かったですね。(^^)
実は私、時間が限られていたことと同行者が多かったことで、平泉は中尊寺しか行っておりません。手鞠さんの記事を読んで、義経最期の地や毛越寺にも行ってみたくなりました。いつか再訪しなくては…。
金色堂は本当に素晴らしいですよね。全体が輝いていて、当時の人たちの想いが伝わってくるようでした。
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えりかさん、こんばんは~♪
平泉はやっぱり良かったですよー!
特に金色堂は、京都の金閣寺とはまた違った意味で感慨深いものがありますから、これは絶対に外せませんね。
平泉の名所はいずれも近場に密集しているので、大急ぎで回れば半日でも制覇できなくはありませんが、でも、同行者がいるとそうも行きませんものね。とりあえず第一に中尊寺、それでもまだ余裕がある場合は、真冬以外なら次に高館(閉鎖になる期間があるので)、そして毛越寺の順が妥当な線でしょうか。こうして書いている間にも、即行もう一度行き直して来たい気分です!(爆)
平泉はやっぱり良かったですよー!
特に金色堂は、京都の金閣寺とはまた違った意味で感慨深いものがありますから、これは絶対に外せませんね。
平泉の名所はいずれも近場に密集しているので、大急ぎで回れば半日でも制覇できなくはありませんが、でも、同行者がいるとそうも行きませんものね。とりあえず第一に中尊寺、それでもまだ余裕がある場合は、真冬以外なら次に高館(閉鎖になる期間があるので)、そして毛越寺の順が妥当な線でしょうか。こうして書いている間にも、即行もう一度行き直して来たい気分です!(爆)
遣水の写真、素敵じゃあありませんか('-'*)
平泉の再訪は桜か紅葉あるいは雪景色のときにしようと考えていたのですが、高舘の眺めも素敵でしたし、これは夏場も捨てがたいですね。
平泉の再訪は桜か紅葉あるいは雪景色のときにしようと考えていたのですが、高舘の眺めも素敵でしたし、これは夏場も捨てがたいですね。
sanraku2さん、こんばんは~♪
毛越寺の遣水は、新緑の季節ほどではないにしても、実物はもう少し緑が鮮やかで、いっそう綺麗でしたよ。
私も再訪するなら(まあいつのことになるかわかりませんが)、やはり桜か紅葉の季節かな?と思っていましたが(冬は無事にたどり着けるかどうかがまず心配なので)、毛越寺に限れば、あやめ祭り(6月後半~7月前半)の頃も捨て難いと思う今日この頃です (^^;
毛越寺の遣水は、新緑の季節ほどではないにしても、実物はもう少し緑が鮮やかで、いっそう綺麗でしたよ。
私も再訪するなら(まあいつのことになるかわかりませんが)、やはり桜か紅葉の季節かな?と思っていましたが(冬は無事にたどり着けるかどうかがまず心配なので)、毛越寺に限れば、あやめ祭り(6月後半~7月前半)の頃も捨て難いと思う今日この頃です (^^;
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