頼政道、そして…

先日の藤森神社から一言寺を訪ねる際、実は一つ寄り道をしておりました…。

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六地蔵から山科駅行きのバスに乗り、一旦、一言寺は通り過ぎて、3つ先の醍醐寺三宝院にて下車。しかし、用があったのは醍醐寺ではなくお隣の「長尾天満宮」。

最初の鳥居をくぐると長い参道がまっすぐに伸び、それをずんずん行くと二つ目の鳥居が現れ、そこから先が石段に。その石段の中ほど左側に「頼政道跡」の碑があります。

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宮は御浄衣にて御馬に召、三位入道の一類、并寺法師、都合三百余騎御伴に候けり。
新羅社(三井寺)の御前にては御心計に再拝して、大関通に御出なる。東を望めば湖水茫々として波清く、西を顧ば嶺松鬱々として風冷じ。関寺関山(大津)打つゞき、住人来人会坂(逢坂関)や、一叢杉木下より、筧の妙美井絶々也。くゞ井坂(鵠坂)、神無の森、醍醐路に懸て、木幡の里を伝つゝ、宇治へぞ入せ給ける。

~『源平盛衰記』巻15「宇治合戦附頼政最後事」より~


この「頼政道」は、治承4年(1180)5月、以仁王を擁しての謀反計画が露顕し、近江の園城寺(三井寺)に身を寄せていた源三位頼政らが、南都を目指しての逃亡の途路に通ったとされる道の跡で、どこをどう通ったのかはよくわかりませんが(汗)、とりあえずここから一言寺→日野→木幡と抜けて、ようやく宇治平等院に入った所で、とうとう平家の追討軍に追いつかれ、宇治川の合戦に突入…となります。

ですので、「頼政道」と名のつく場所は何もここだけに限ったものではなく、日野から木幡に向かう途中にその名も「頼政道」のバス停があって、その近くにやはり石碑が建っていたり(バスのルートが醍醐方面とは異なり、乗り継ぎが上手く行きそうになかったので、今回は断念)、宇治にもそれと伝わる道があるようです。


それはさておき、長尾天満宮はその名にある通り、天神様=菅原道真を祀る神社で、石段を上り切った所のすぐ右手には「菅公衣裳塚」なるものもあります。

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その昔、醍醐寺の開祖・聖宝(理源大師)と親交のあった菅原道真が、醍醐を遊覧した際に「自分が死んだらここに墓を建て葬って欲しい」と漏らしていたことから、延喜2年(903)に大宰府で道真が亡くなると、それを伝え聞いた聖宝の弟子で初代醍醐寺座主となった勧賢僧正が、大宰府から道真の衣裳や遺品を取り寄せ、ここに納めて塚を築いたのだそうです。

醍醐寺は道真を左遷した醍醐天皇の勅願寺。
聖宝や勧賢は生前親交のあった道真の怨霊の調伏に努め、実はその功績が認められたことにより、彼らの尊師・空海に「弘法大師」の諡号が贈られたという話も… (^_^;)


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そして、この衣裳塚の先にさらに道らしきものが続いていて、方角から見てこれが一言寺へ抜ける頼政道ではないかと思ったのですが、何の道標もなく、素人がうっかり足を踏み入れて迷いでもしては大変とここは自重。実際、一言寺の竹林の入口には「スズメバチ注意」の立て札もありましたし、この時期の山歩きは何かと物騒、行かなくて正解でした (^_^;)



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写真、左が長尾天満宮の本殿。右は天満宮につきものの臥牛像。



ということで、再びあの長い石段をえっちらおっちらと下りて、醍醐寺の参拝はやはり春の桜か秋の紅葉の季節がいいだろうと今回もまたスルー(汗)。そのまま一言寺へと向かったのでした。
そして、一言寺の山桃&紫陽花 を楽しんだ後、ここまで来たからには「やっぱり寄らずに帰れない!」とさらに南下して、またまた例の場所へ。

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こちらも一年ぶりですが、重衡殿のお墓は変わらず確かにそこにありました。
前回 は夕刻で日が陰ってしまっていましたので、改めて写真を撮り直せたのはよかった! (^^)v


これで今回の目的は一通り達成できましたので、後はここからバスの通りに出て、再び山科駅行きのバスに乗り込み、終点の山科駅へ。この路線はおよそ20分おきに運行していますので、平行して地下鉄東西線も走っていますが、醍醐寺周辺へのアクセスにはバスの方が実用的かと…。
お次の醍醐寺トライの際には、山科からの逆アプローチで攻めてみようかと思います。



【このページの写真は平成19年6月17日に撮影したものです】



☆Back → 一言寺の山桃
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by kiratemari | 2007-06-29 19:02 | 関西探訪 | Trackback | Comments(2)
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Commented by さくら at 2007-07-03 13:13 x
>手鞠さんへ
頼政道、素敵なところですね。
今でも、正装した武者が歩いて来てくれそうな…(笑
しかも、道真公にまつわる場所でもあったとは!道真さん好きにはたまらない場所です。
そして最後に…わ〜ん(T□T)泣いて良いですぁ〜!
写真ごしに手を合わせてしまいます。
そういえば、前回手鞠さんが訪ねた日に、わたしも訪ねていたのでしたね…(^^;
わたしもまたお訪ねしたい場所です。
Commented by 手鞠 at 2007-07-03 19:55 x
さくらさん、そうでしたね。
昨年、ちょうど同じ日に重衡殿のお墓参りをしていて、そのブログの記事を拝見したのを機に、お近づきになって…。重衡殿が結びつけてくれたご縁、これからも大切にして行きたいですね。

頼政道はさすが神社の参道だけあって、とても静謐な感じの所でしたよ。お隣の醍醐寺の華やかさとは好対照で…。
しかし、天満宮=天神様で道真ゆかりなのは当たり前なのですが、衣裳塚の説明に「へえー」と思わず驚いてしまった粗忽者です (^_^;)

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