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『風林火山』vol.19「呪いの笛」

何とも“おどろおどろしい”タイトルから、密かに『花の乱』(時専Chで見たばかり)の「富子姫変化」ばりの由布姫乱心シーンなど少し期待していたのですが、飛んだ肩透かしで…。

まあ、今年の演出陣に“アノ方”は加わってらっしゃらないのに、期待する方が間違っちゃいましたが…(^_^;)



 
さて、今週も淡々とした中にも奥の深いシーンが目白押しでしたが、隠しテーマは「人の心ほど推し量るに難きものなし」でしょうか。
「良かれ」と思ってする行いも、人目にはそうと映らないこともある…。

三条夫人の由布姫訪問に、良からぬ疑念しか思い浮かばない勘助。
元々女性の扱いは苦手で(ミツにもどこか及び腰のふうでしたし)、およそ女性特有の複雑な心理など理解の及ぶ所ではないでしょうし、事前に晴信からも「どうしたものか…」などと相談を持ちかけられていたわけですから、「女同士の争いは恐ろしい」との先入観しか頭になかったとしても不思議ではありませんものね。

とはいえ、贈られた笛に妙な仕掛がないかと真剣に探りを入れる勘助くん。普通はそんな特殊技術も要することより、さっと毒を一塗り、コレでしょう。今回のドラマの展開通り、当の三条夫人には全くその気はなかったとしても、お付きの者がかつての『武田信玄』の八重殿のように度を過ぎた「姫様大事」の人間なら、あながちありえないことでもないですからね(もちろん疑われれば自害も厭わない覚悟で!)。

後で「音色までは調べませなんだ…」なんて大ボケもかましていましたが、そこまで徹底できないなら(やっぱ間接キッスはマズイ?)、始めからそんな疑い自体持たせるなと…。もっとも、あの場面は三条夫人を疑ったというよりも、またもや自暴自棄な考えを持ち始めた由布姫の心境を素早く察知して、わざと怒らせるように仕向けた勘助なりの慰め方…という見方もできなくはありませんけど…(しかし普通はそこまで考えませんよ)。


それはさておき、このシーンでもう一つ面白いと感じたのは、男の勘助が三条夫人の真意を理解できないのは当然として、同じ女で絶えず側近くで仕える萩乃でさえ、少しばかり思い違いをしていたということでしょうか。

彼女もまた、勘助ほどリアルな殺意までは予想してなかったとしても、前回の痛烈な嫌味再びで、正室の立場から由布姫にピシャリと「釘を刺す」みたいな痛快な展開を期待していたのが、思いがけず終始低姿勢で、最後の最後には頭まで下げた三条夫人に目から鱗(?)、何かで頭をかち割られたような強い衝撃を受け、果ては、自らのさもしい根性に恥じ入る余り勘助に八つ当たり…。

彼女の投げつけた「無礼であろう!」の言葉も、むしろ自分自身にぶつけているように思えて、何だか少し切なく感じられました。始めから三条夫人の真意を正確に読み取っていれば、あれほど動揺することはなかっただろうと…。

思えば、ここまでの勘助は誰彼となく「これでもか!」と罵られ放題のサンドバック状態。でも、一方的に罵られるというのは、むしろ罵倒する側の本音をさらす行為にもなりますから、そう考えると、このドラマでの勘助には、周囲の人間の複雑な胸中を反射させる鏡のような役割も与えられているのかもしれませんね。


それにしても、これまでさほど詳しく描かれて来たという印象もない晴信&三条夫妻ですが、由布姫を間に置くことで、かえって互いを思い遣る心が浮き上がって来たように感じられました。ついに頑なだったあの由布姫が晴信の手に落ちる…(爆)というヤマ場の回にもかかわらず、真の主役は三条夫人と言っても過言ではないような存在感。さすがに姫話に3週も費やして、そろそろ飽きが来たということもあるでしょうか…。

そもそもこれで姫パートは「めでたしめでたし…」なら、ここまで時間をかけて掘り下げた意味もあるかと思いますが、先のあらすじを立ち読みした限りでは、どうも由布姫の恨みつらみはまだまだ続くようで…。それならいっそ前振りは一切省いて強引に側室にしてしまい、その分、アフターケアーに時間を割いた方が懸命だったようにも思いますね。


それはそうと、これはどうもいいことなんでしょうが、今頃になって妙になって来たのが、由布姫輿入れからラストの笛の代役までの時間経過。

何の気もなく見ていた初見では、祝言の夜に一晩中笛を吹き明かし、二晩目に晴信の大演説、三晩目で結婚成立と踏んでいたのですが、よくよく考えてみると、二晩目に勘助は信濃へ旅立って、その翌日の評定で「勘助はまだ戻らぬか」というのはないだろうし…と思い見直してみると、途中で祝言時の「春」から「夏」へ季節が変わったことを示すテロップが入っていたのですね。

確かに1~2カ月経過しているとなれば、勘助もそろそろ戻って来ていてもよさそうな頃合ですが、でも、そうなると笛の代役が行われた夜までの間もずっと、晴信さんは由布姫に指一本触れず、ただ笛を聞いていただけというニュアンスになり、それではいくらなんでも待ち過ぎではないでしょうか?

せっかく大見得まできって口説き落としたのですから、その熱が冷めてしまわないうちに…が鉄則だろうと思うのですけど…、この謎やいやかに???
by kiratemari | 2007-05-16 19:56 | テレビ | Trackback | Comments(0)
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