陽春の京・桜めぐり~vol.5 黒谷
真如堂の前を通る道を左へ行くと程なく黒谷の裏門へ。
今回の参詣ルートは悉く裏→表になってしまい何ともはや… (^_^;)
黒谷は正式名称「浄土宗大本山・くろ谷金戒光明寺」
平安末期の承安5年(1175)、専修念仏の教えを広めようと決心して比叡山を下りた法然(当時43歳)が最初に草庵を結んだといわれる地に建てられた寺院です。ちなみに先に訪れた知恩院(浄土宗総本山)は法然の入寂した場所に建てられた寺院です。
なお「黒谷」の通称は、ここに庵を移してからも、比叡山時代に学んだ黒谷青竜寺と頻繁に往来しながら布教に勤しんだことから、始めは「新黒谷」と呼んでいたのが、いつしか「新」が取れて単に「黒谷」で通じるようになったそうです。
ところで、法然と言えば『平家物語』巻10「戒文」にて、囚われの身の平重衡から請われ、戒を授けるくだりが思い浮かびますが、元々それ自体フィクション性の高いお話ですし、ここ黒谷に重衡にまつわるものは特に何もありません。が、その代わりと言っては何ですが、超有名な(?)年の差コンビにちなむものならあります。
こちらは御影堂(本堂)の右手に植わっている「熊谷直実鎧掛けの松」。
熊谷直実は、一ノ谷の合戦において平経盛の末子・敦盛の首を討ち取った鎌倉方の武将ですが、後年、法然の弟子となって出家し「蓮生坊(れんしょうぼう」と名乗ったといわれ、その出家の際に着ていた鎧をこの松に掛けたことから、その名がついたとされています(ただしこの松は二代目だそうです)。
そして、こちらは墓地&文殊塔への入口となっている「極楽橋」と「蓮池」。
法然を訪ね、出家を決意した直実が兜(かぶと)を置き、弦を切った弓を池に架けたという伝承に由来するものとかで、蓮池は別名「兜池」とも言われているようです。
そして、この蓮池の裏手に建つのが、蓮生坊となった直実の住坊跡といわれる「蓮池院」。別名「熊谷堂」とも。
さらに、ここから墓地の階段を少し登った所に、法然の遺骨が納められている御廟があり、その前に狛犬よろしく両脇に配された大きな五輪塔が、それぞれ直実(廟に向かって右手)・敦盛(同左手)の供養塔とされています。
ということで、平家史跡チェックはこれにて完了ですが、せっかくなので長い階段の先にそびえ立つ三重の文殊塔の所まで登ってみることに。
ここからの眺めがまた中々のもので、京都市街が一望できます。
ただ、周りが人様のお墓というのは少々気が引けますが… (^_^;)
なお、この文殊塔の先に「會津藩殉難者墓地」があるようでしたが、あいにくとその方面にはさほど興味が湧かないこともあって(爆)今回はスルーしました(結構くたびれちゃってましたし)。
有名すぎる三門。
ここ黒谷は、幕末に実際に会津藩本陣が置かれていた場所ですので、その手のドラマではもちろんこと、他の時代劇でもお隣の真如堂と同様、ロケ地として多用されているようです。
さて、表へ出ると時刻は12時半少し前。
およそ4時間ほどの散策でしたが、それでも十分に堪能できましたので、今回の桜めぐりもこれにて幕!
この後は京阪丸太町駅まで歩き、京阪電車で四条に出て、あとは阪急電車で帰阪となりましたが、実はその後遅ればせながら出勤し、数時間ほどお仕事をして、ようやく長い一日を終えたのでした。さすがにちょっと疲れた… (^_^;)
ということで、最後に今回の行程をざっと振り返っておきますと、
円山公園→知恩院→粟田神社→義経地蔵→蹴上インクライン→南禅寺→熊野若王子神社→哲学の道→真如堂→黒谷金戒光明寺
とこれだけ見て回ったわけですが、結局、拝観料等は一切支払うことなく、出費は交通費と食事代のみという非常に安上がりな半日帰り旅に (*^^)v
まあ、その気になればいつでもまた来られる近場在住の強みですけど(京都を訪れる他府県人のトップが大阪人という話も)、たまにはこういう楽しみ方も悪くはないですね。
特に桜や紅葉のような期間限定物オン・シーズンの半端でない混雑期には、あまり詰め込み過ぎてもそうそう思惑通りには行かないものですし、案外、ピンポイントを短時間で攻める方が多少物足りなさはあるでしょうが、結果的に好印象の旅になるかもしれませんね。
とはいえ、半日の行程としては今回も十分欲張ってしまいましたけど… (^_^;)
☆Back → 陽春の京・桜めぐり~vol.4 真如堂
今回の参詣ルートは悉く裏→表になってしまい何ともはや… (^_^;)
黒谷は正式名称「浄土宗大本山・くろ谷金戒光明寺」
平安末期の承安5年(1175)、専修念仏の教えを広めようと決心して比叡山を下りた法然(当時43歳)が最初に草庵を結んだといわれる地に建てられた寺院です。ちなみに先に訪れた知恩院(浄土宗総本山)は法然の入寂した場所に建てられた寺院です。
なお「黒谷」の通称は、ここに庵を移してからも、比叡山時代に学んだ黒谷青竜寺と頻繁に往来しながら布教に勤しんだことから、始めは「新黒谷」と呼んでいたのが、いつしか「新」が取れて単に「黒谷」で通じるようになったそうです。
ところで、法然と言えば『平家物語』巻10「戒文」にて、囚われの身の平重衡から請われ、戒を授けるくだりが思い浮かびますが、元々それ自体フィクション性の高いお話ですし、ここ黒谷に重衡にまつわるものは特に何もありません。が、その代わりと言っては何ですが、超有名な(?)年の差コンビにちなむものならあります。
こちらは御影堂(本堂)の右手に植わっている「熊谷直実鎧掛けの松」。
熊谷直実は、一ノ谷の合戦において平経盛の末子・敦盛の首を討ち取った鎌倉方の武将ですが、後年、法然の弟子となって出家し「蓮生坊(れんしょうぼう」と名乗ったといわれ、その出家の際に着ていた鎧をこの松に掛けたことから、その名がついたとされています(ただしこの松は二代目だそうです)。
そして、こちらは墓地&文殊塔への入口となっている「極楽橋」と「蓮池」。
法然を訪ね、出家を決意した直実が兜(かぶと)を置き、弦を切った弓を池に架けたという伝承に由来するものとかで、蓮池は別名「兜池」とも言われているようです。
そして、この蓮池の裏手に建つのが、蓮生坊となった直実の住坊跡といわれる「蓮池院」。別名「熊谷堂」とも。
さらに、ここから墓地の階段を少し登った所に、法然の遺骨が納められている御廟があり、その前に狛犬よろしく両脇に配された大きな五輪塔が、それぞれ直実(廟に向かって右手)・敦盛(同左手)の供養塔とされています。
ということで、平家史跡チェックはこれにて完了ですが、せっかくなので長い階段の先にそびえ立つ三重の文殊塔の所まで登ってみることに。
ここからの眺めがまた中々のもので、京都市街が一望できます。
ただ、周りが人様のお墓というのは少々気が引けますが… (^_^;)
なお、この文殊塔の先に「會津藩殉難者墓地」があるようでしたが、あいにくとその方面にはさほど興味が湧かないこともあって(爆)今回はスルーしました(結構くたびれちゃってましたし)。
有名すぎる三門。
ここ黒谷は、幕末に実際に会津藩本陣が置かれていた場所ですので、その手のドラマではもちろんこと、他の時代劇でもお隣の真如堂と同様、ロケ地として多用されているようです。
さて、表へ出ると時刻は12時半少し前。
およそ4時間ほどの散策でしたが、それでも十分に堪能できましたので、今回の桜めぐりもこれにて幕!
この後は京阪丸太町駅まで歩き、京阪電車で四条に出て、あとは阪急電車で帰阪となりましたが、実はその後遅ればせながら出勤し、数時間ほどお仕事をして、ようやく長い一日を終えたのでした。さすがにちょっと疲れた… (^_^;)
ということで、最後に今回の行程をざっと振り返っておきますと、
円山公園→知恩院→粟田神社→義経地蔵→蹴上インクライン→南禅寺→熊野若王子神社→哲学の道→真如堂→黒谷金戒光明寺
とこれだけ見て回ったわけですが、結局、拝観料等は一切支払うことなく、出費は交通費と食事代のみという非常に安上がりな半日帰り旅に (*^^)v
まあ、その気になればいつでもまた来られる近場在住の強みですけど(京都を訪れる他府県人のトップが大阪人という話も)、たまにはこういう楽しみ方も悪くはないですね。
特に桜や紅葉のような期間限定物オン・シーズンの半端でない混雑期には、あまり詰め込み過ぎてもそうそう思惑通りには行かないものですし、案外、ピンポイントを短時間で攻める方が多少物足りなさはあるでしょうが、結果的に好印象の旅になるかもしれませんね。
とはいえ、半日の行程としては今回も十分欲張ってしまいましたけど… (^_^;)
☆Back → 陽春の京・桜めぐり~vol.4 真如堂
by kiratemari
| 2007-04-12 19:03
|
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Comments(4)
手鞠さんへ
こんにちは〜、御無沙汰してます。
京都の桜巡り、とても楽しく読みました。
写真にうつる人の数を見ながら、手鞠さんが、いかに早い時間に訪ねられたのかよくわかりました(^^;
八坂さんの門の修復といい…桜の下の青いビニールシートといい…
桜台無しですね…ブルーシート禁止にすればいいのに…と思いました。
わたしは、黒谷さんに行ったことがないので、今回拝見させていただいて、桜とのコラボに感激しました。
…見ていて、わたし、ホントに名所を回っていないなぁ〜と恥ずかしくなりました(^^;
元、地元なんですけどね…京都…実は清水寺にも行ったことがない…。(学校がらみで行った記憶はありますが、その頃は歴史よりも遊ぶことに全力でしたから…)
離れてみて「あ、行っておけばよかった…」と思っています。
また、どこか行かれたら、レポート楽しみしています。
手鞠さんは、お写真撮るの上手ですよね。いつも綺麗なショットばかりで、拝見させていただくのが楽しいです。
コメント書いたら「長い」と言われて、だいぶ切りました…中途半端なコメントですみません。
こんにちは〜、御無沙汰してます。
京都の桜巡り、とても楽しく読みました。
写真にうつる人の数を見ながら、手鞠さんが、いかに早い時間に訪ねられたのかよくわかりました(^^;
八坂さんの門の修復といい…桜の下の青いビニールシートといい…
桜台無しですね…ブルーシート禁止にすればいいのに…と思いました。
わたしは、黒谷さんに行ったことがないので、今回拝見させていただいて、桜とのコラボに感激しました。
…見ていて、わたし、ホントに名所を回っていないなぁ〜と恥ずかしくなりました(^^;
元、地元なんですけどね…京都…実は清水寺にも行ったことがない…。(学校がらみで行った記憶はありますが、その頃は歴史よりも遊ぶことに全力でしたから…)
離れてみて「あ、行っておけばよかった…」と思っています。
また、どこか行かれたら、レポート楽しみしています。
手鞠さんは、お写真撮るの上手ですよね。いつも綺麗なショットばかりで、拝見させていただくのが楽しいです。
コメント書いたら「長い」と言われて、だいぶ切りました…中途半端なコメントですみません。
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さくらさん、こんばんは~♪
今回は頑張って早朝に出掛けてみました。
さすがに河原町から八坂さんに向かう道も閑散としていて、帰りにまた通った時とのギャップがまた面白かったですね。
でも、その早い時間帯にも結構観光客はいるもので、写真を撮る時にはなるべく避けるよう工夫しましたが、アップするに当たりサイズ変更など修正したものもあります。
私も京都へ出かけるようになったのは本当にここ最近のことですよ。
学生でなくなってからしばらくは全く無縁でしたし、清水さん詣でもいつが最後だったか… (^^;)
でも、興味がなければただ行っただけで終わってしまう所もありますし、これから機会を見つけて既体験・未体験問わず色々と見て回って行きたいなと思っています。
今回は頑張って早朝に出掛けてみました。
さすがに河原町から八坂さんに向かう道も閑散としていて、帰りにまた通った時とのギャップがまた面白かったですね。
でも、その早い時間帯にも結構観光客はいるもので、写真を撮る時にはなるべく避けるよう工夫しましたが、アップするに当たりサイズ変更など修正したものもあります。
私も京都へ出かけるようになったのは本当にここ最近のことですよ。
学生でなくなってからしばらくは全く無縁でしたし、清水さん詣でもいつが最後だったか… (^^;)
でも、興味がなければただ行っただけで終わってしまう所もありますし、これから機会を見つけて既体験・未体験問わず色々と見て回って行きたいなと思っています。
これほどのボリュームがあって4時間ですか!凄い濃密ですね。それに写真もステキで・・・ああもう!(悶死)、こういうの見せつけられてしまうとやっぱり行きたくなっちゃいますよ。ということで来春は京都行くぞ、と心に決めました f^^;)
sanraku2さん、こんばんは~♪
確かに後から振り返ってみるとよくこれだけ回れたなと思いますね。ほとんどが素通りみたいなもので考えてみればもったいない話ですが… (^_^;)
計算違いだったのは真如堂・黒谷で思いのほか時間がかかってしまったことでしょうか。当初から哲学の道まで行って、それで時間がまだ余るようなら…ぐらいのつもりでしたが、そこから1時間もかからないと見積もっていたのが、野を越え谷越えの1時間半余となってしまいまして…。
しかし、京都の桜はとにかく素材が素晴らしいので(それとお天気に恵まれたことも)、どう撮っても絵になるのがとても有難いです。まだまだ先の話ですけど、来春のsanraku2さんのご参戦も上首尾に参りますよう、今からお祈りしておきますね (^^)v
確かに後から振り返ってみるとよくこれだけ回れたなと思いますね。ほとんどが素通りみたいなもので考えてみればもったいない話ですが… (^_^;)
計算違いだったのは真如堂・黒谷で思いのほか時間がかかってしまったことでしょうか。当初から哲学の道まで行って、それで時間がまだ余るようなら…ぐらいのつもりでしたが、そこから1時間もかからないと見積もっていたのが、野を越え谷越えの1時間半余となってしまいまして…。
しかし、京都の桜はとにかく素材が素晴らしいので(それとお天気に恵まれたことも)、どう撮っても絵になるのがとても有難いです。まだまだ先の話ですけど、来春のsanraku2さんのご参戦も上首尾に参りますよう、今からお祈りしておきますね (^^)v
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