『風林火山』vol.11「信虎謀反」
多忙につき1回飛んでしまいましたが(汗)、10回と11回は前・後編のように2つ合わせて1本…的な作りでしたので、まとめて書いても別に問題なさそうですね。
しかし、何と言いますか…、これまでに張り巡らされた伏線の数々が、組み上げられたパズルのようにピタリとはまった序盤最大のヤマ場は、それはもう身の毛も総立つほどの(?)鳥肌ものでした !(^^)!
それにしても、こうも琴線にふれるようなシーンをよく立て続けに出してこられるものだと驚くやら感動するやら…。
晴信&信繁兄弟の涙の和解、国境での晴信と信虎の訣別、そして勘助vs信虎の一騎打ち…と本筋に関わるだけでも3つのヤマ場を配し、さらにその間の繋ぎにと、駿府での連歌会や北条氏の代替わり&遺言まで効果的に入れ込んで…、正味40分足らずを存分に使い切ったというぐらいの中身の濃さ。見る側からすると「息つく暇もない」とはこういうことを言うのでしょうね。
初めは「誰が誰やら?」と懸念された武田家臣団も、板垣・甘利・飯富の重鎮三人組はもちろんのこと、たった一度の見せ場でしっかり存在感を見せ付けた信繁に、その信繁命!の諸角、クールで気取り屋の小山田などそれぞれが個性を発揮し始め、評定シーンのいい意味での緊迫感もさることながら、今後の勘助をめぐる一悶着も二悶着も容易に想像できて、次回以降への期待を持たせます。
考えてみれば、折りしも今年1月に開始された通常の連ドラは軒並み最終回を迎えているこの時期に、第1期の総決算ともいえる内容を持ってきて一応の充足感を与えつつ、でも、これで終りではなく、まだまだ続きを楽しめる…というのは、何だか凄く贅沢な気持ちにもなります(ここ最近、そういうことって皆無でしたから…)。
と、そこでふと、去年・一昨年の今頃はどうだったのかと確認してみた所、『功名が辻』の第11回が「仏法の敵」(延暦寺焼討など)、『義経』が「嵐の前夜」(泰衡行方不明事件や鹿谷の変など)。特に後者はこの頃から既に不満たらたらの記事を書いていて(汗)、コレ以後、どんどん長文化が進むことになるその先駆けのような回でしたから、それを思えば今年は180度の変わり様。つくづくこの本気を後2年早く出していてくれれば…(まあ「アレ」があったればこその「今」なのでしょうが)。
閑話休題。
それはさておき、今回の真の主役はやっぱり信虎パパを置いて他にないでしょうね。
放映開始の頃は、呂律の回らない台詞回しや、どうも視点の定まらない陶然とした表情に、演者がご高齢ということもあり、大きな不安を抱いたものでしたが、回を追うごとにどんどん凄みを増して、心底恐ろしいと感じるほどの狂気が漂うようになったのですから、さすがは「役者」と言うべきでしょうか。
そうして迎えた今回の暴君から唯の心弱い老人への変貌。負けを認めて初めて発することのできた本心、我が子を誇る言葉。そんな信虎のどうしようもない情けなさや、残虐非道な暴君の心の底にも潜む人間らしい弱さを目の当たりにして、ようやく長い呪縛から解き放たれた勘助。
こんなことは史実では99%ありえない設定でしょうが、このドラマに関しては、やはり当の二人の対決をもってピリオドを打つのが妥当な流れだったでしょうね。
とはいえ、一つだけ苦言を呈しておくと、これまで何かにつけ疑心暗鬼な面ばかりクローズアップされてきた信虎が、この度の駿府行きにあたってはなぜか全くの無警戒で嬉々として甲斐を離れ、連歌の席で次々に詠まれる意味深な句にもまるで頓着せず、義元の「晴れし心に戻る甲斐なし」には「晴れし心」=「晴信」と勝手に誤解釈して、ご丁寧に礼まで述べるおめでたさ。
しかし、最後の最後に、その傑出した才を誇るほど日頃から晴信を認め怖れていたのなら、言われるままに黙って追放を受け入れるような息子でないことも当の信虎が一番よくわかっていたでしょうし、一抹の疑惑ぐらいは抱いても良さそうなもの。それこそ、あの連歌の席で謀略を察知し、しかし既に時遅し…、そこに待ち受ける結末も凡そ悟った上で国境へ向かう…という展開でもよかったような…。
何せ実際の信虎は老境に差し掛かる頃とはいえ、当時まだ50才にも届かない年齢。今回の演者の実年齢はともかく、ドラマ内の設定も実際とそう大差のないものでしょうから、もう少し現役らしい勘の鋭さとかを見せておいた方が、それを退ける晴信の株も上がろうと言うもの。もし演じ手を念頭に置いて、わざわざ「老い」を強調する表現に走ったのだとしたら、それはその俳優さんに対しても失礼なことではないでしょうか。
さて、第1章が終り、続く第2章は勘助の宮仕え奮闘記?
今回も板垣さんは姿を見つけるやいきなり弓を構える始末ですし、何にせよ前途多難の模様。そこで今回「空気読めー!」のお茶の間の怒号を一身に浴びながらも、勘助のブレーキ役として大活躍(?)を見せた青木何某が、またもや関わって来るらしいのですが、彼も結局単なる便利使いで終わってしまうのでしょうかね? (-_-;)
しかし、何と言いますか…、これまでに張り巡らされた伏線の数々が、組み上げられたパズルのようにピタリとはまった序盤最大のヤマ場は、それはもう身の毛も総立つほどの(?)鳥肌ものでした !(^^)!
それにしても、こうも琴線にふれるようなシーンをよく立て続けに出してこられるものだと驚くやら感動するやら…。
晴信&信繁兄弟の涙の和解、国境での晴信と信虎の訣別、そして勘助vs信虎の一騎打ち…と本筋に関わるだけでも3つのヤマ場を配し、さらにその間の繋ぎにと、駿府での連歌会や北条氏の代替わり&遺言まで効果的に入れ込んで…、正味40分足らずを存分に使い切ったというぐらいの中身の濃さ。見る側からすると「息つく暇もない」とはこういうことを言うのでしょうね。
初めは「誰が誰やら?」と懸念された武田家臣団も、板垣・甘利・飯富の重鎮三人組はもちろんのこと、たった一度の見せ場でしっかり存在感を見せ付けた信繁に、その信繁命!の諸角、クールで気取り屋の小山田などそれぞれが個性を発揮し始め、評定シーンのいい意味での緊迫感もさることながら、今後の勘助をめぐる一悶着も二悶着も容易に想像できて、次回以降への期待を持たせます。
考えてみれば、折りしも今年1月に開始された通常の連ドラは軒並み最終回を迎えているこの時期に、第1期の総決算ともいえる内容を持ってきて一応の充足感を与えつつ、でも、これで終りではなく、まだまだ続きを楽しめる…というのは、何だか凄く贅沢な気持ちにもなります(ここ最近、そういうことって皆無でしたから…)。
と、そこでふと、去年・一昨年の今頃はどうだったのかと確認してみた所、『功名が辻』の第11回が「仏法の敵」(延暦寺焼討など)、『義経』が「嵐の前夜」(泰衡行方不明事件や鹿谷の変など)。特に後者はこの頃から既に不満たらたらの記事を書いていて(汗)、コレ以後、どんどん長文化が進むことになるその先駆けのような回でしたから、それを思えば今年は180度の変わり様。つくづくこの本気を後2年早く出していてくれれば…(まあ「アレ」があったればこその「今」なのでしょうが)。
閑話休題。
それはさておき、今回の真の主役はやっぱり信虎パパを置いて他にないでしょうね。
放映開始の頃は、呂律の回らない台詞回しや、どうも視点の定まらない陶然とした表情に、演者がご高齢ということもあり、大きな不安を抱いたものでしたが、回を追うごとにどんどん凄みを増して、心底恐ろしいと感じるほどの狂気が漂うようになったのですから、さすがは「役者」と言うべきでしょうか。
そうして迎えた今回の暴君から唯の心弱い老人への変貌。負けを認めて初めて発することのできた本心、我が子を誇る言葉。そんな信虎のどうしようもない情けなさや、残虐非道な暴君の心の底にも潜む人間らしい弱さを目の当たりにして、ようやく長い呪縛から解き放たれた勘助。
こんなことは史実では99%ありえない設定でしょうが、このドラマに関しては、やはり当の二人の対決をもってピリオドを打つのが妥当な流れだったでしょうね。
とはいえ、一つだけ苦言を呈しておくと、これまで何かにつけ疑心暗鬼な面ばかりクローズアップされてきた信虎が、この度の駿府行きにあたってはなぜか全くの無警戒で嬉々として甲斐を離れ、連歌の席で次々に詠まれる意味深な句にもまるで頓着せず、義元の「晴れし心に戻る甲斐なし」には「晴れし心」=「晴信」と勝手に誤解釈して、ご丁寧に礼まで述べるおめでたさ。
しかし、最後の最後に、その傑出した才を誇るほど日頃から晴信を認め怖れていたのなら、言われるままに黙って追放を受け入れるような息子でないことも当の信虎が一番よくわかっていたでしょうし、一抹の疑惑ぐらいは抱いても良さそうなもの。それこそ、あの連歌の席で謀略を察知し、しかし既に時遅し…、そこに待ち受ける結末も凡そ悟った上で国境へ向かう…という展開でもよかったような…。
何せ実際の信虎は老境に差し掛かる頃とはいえ、当時まだ50才にも届かない年齢。今回の演者の実年齢はともかく、ドラマ内の設定も実際とそう大差のないものでしょうから、もう少し現役らしい勘の鋭さとかを見せておいた方が、それを退ける晴信の株も上がろうと言うもの。もし演じ手を念頭に置いて、わざわざ「老い」を強調する表現に走ったのだとしたら、それはその俳優さんに対しても失礼なことではないでしょうか。
さて、第1章が終り、続く第2章は勘助の宮仕え奮闘記?
今回も板垣さんは姿を見つけるやいきなり弓を構える始末ですし、何にせよ前途多難の模様。そこで今回「空気読めー!」のお茶の間の怒号を一身に浴びながらも、勘助のブレーキ役として大活躍(?)を見せた青木何某が、またもや関わって来るらしいのですが、彼も結局単なる便利使いで終わってしまうのでしょうかね? (-_-;)
by kiratemari
| 2007-03-20 22:26
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