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『風林火山』vol.4「復讐の鬼」

ここまで唯一の「花」だったミツが、わずか4回目にしてあっけなく散ってしまいましたが、それと共にドラマが動きだした…というか、ここからいよいよ本当の意味でのドラマが始まる!ってことのようですね。



 
しかし、ある程度予想はしていましたが、ミツやん最期の決定的瞬間は上手くぼかされていましたね。暴君信虎の逸話を知っている人にはすぐにピンと来る話ですが、知らない人には平蔵の「ミツやんの腹を…」の後が何と続くのか気になるところかもしれません(ちょいとネットで検索すればわかることですので、ここではあえて書きません)。

でもまあ、ドラマとしてはこの程度の描写に留めておいて正解だったと思いますよ。
別に映像でそのものを見せなくても、平蔵がもっと具体的に説明するという方法ももちろんあったわけですが、あえて平蔵のセリフを途切れさせることで、「とても口にはできないほど残酷な仕打ち」という意味合いは大よそのところ伝わったと思いますし、同様に勘助のリアクションからも、数々の修羅場を潜り抜けて来たであろう男でも狼狽してしまうほど…となると、まず普通にはありえない残忍なものと推測することもできるでしょうから…。

とはいえ、今回一つだけどうしても腑に落ちなかったのが、ミツと平蔵はどうしてあんな所で蕨取りなどしていたのか?
狩場への一般人の立ち入りが特に禁止されていなかったとしても、武田家重臣総出のあれほど大掛かりな狩りで、二人がそれにまるで気づいてなかったというのはさすがに妙ですし、気づいていればさっさと山を降りるか、せめて流れ矢に当たらないよう身を潜めるのが普通ですよね。間違っても暢気に蕨取りに現を抜かしている場合ではないはずですが… (-_-;)


まあそういう細かいことはともかく、今回は今まで以上に内容がてんこ盛りで、ジェットコースター並の急展開を見せましたが、その中で時折々に様々な表情を見せる勘助。
冒頭での山鳥を射落とした時の子供のような屈託のない笑み、ミツの死を知った直後の放心とその後の慟哭、板垣との真剣勝負では剥き出しの闘争心を見せ、さらには、晴信に容易く心底を見抜かれた時の悔しさのあまり地団駄を踏む様など、驚くほどクルクルとよく替るその表情の豊かさにすっかり目が離せなくなっています。考えようによっては、そのせいで脚本に突っ込みを入れる暇がないということも?(^_^;)

しかし、こうして振り返ってみると、さしずめ、このドラマでのミツの役割は信玄に引き合わせる縁結びの神で、それもこれも、あの摩利支天の像を拝んだ時から決められた運命だったように思われます。そして、彼女の死が板垣を勘助の許へ導き、その板垣の仲介によって晴信との対面が実現…という具合に、話が次から次へとどんどん繋がって行くところなどは、見ていて中々小気味良いものがあります(しかし、あの摩利支天のペンダントを平蔵が持って行ったのは果たしてどう繋がるのか?)。

そこから板垣配下の間者となり駿河今川へ潜入というのは少々こじつけが過ぎるようにも思いますが、第2回から続く兄との因縁に決着をつけるという形にもなっていますので、そこでしっかり盛り上がりさえすれば、まあ、これはこれで良いのかな?とも。

何にせよ、運命の人晴信と出会いはしたものの、勘助が実際に武田へ仕官するのはまだまだ先のことのようで(あのくらいの言葉で晴信に屈服するようでは勘助も大したことないですもんね)、今後もしばらくは今川に留まらず、北条・真田と渡り歩いて就職浪人生活を続けるようですから、そう思うとまさにドラマはまだまだ始まったばかり…ていうか、まだ4回しか経っていないことに逆に驚いてみたりもして… (^^;)


ということで、次週は駿河の内紛がメイン。
予告編を見る限り、寿桂尼様以外、女性キャストなしという史上稀に見るラインナップを実現してしまいそうな気配でしたが、そんな野郎風味全開の中で異彩を放つ存在になりそうなのが梅岳承芳殿でしょうか。あのイヤミなぐらいのにこやかな笑顔…、ひょっとすると、ミツ亡き後のポスト「花」を狙ってたりして…??? (=_=)
by kiratemari | 2007-01-30 19:34 | テレビ | Trackback | Comments(4)
Commented by ちゃびん at 2007-01-30 21:16 x
始めまして!
今回の勘助は色々と忙しかったですよね。幸せだった所から、ガンッと落とされてしまいましたし。
悲しい出来事のあとですが、これからドラマの展開も速くなって面白くなりそうですね。
Commented by 手鞠 at 2007-01-31 00:43 x
ちゃびん様、初めまして!
書き込みどうもありがとうございますm(__)m

最初にあたら無邪気な笑顔を見せられていたものですから、その後の悲劇がいっそう切なく感じられましたね。これも制作スタッフの作戦勝ちでしょうか (^_^;)
一度どん底まで落ちて、もはや「怖いものなし!」な勘助の今後の活躍が本当楽しみです。
Commented by さくら at 2007-02-05 20:59 x
手鞠さんへ
こんばんは~
手鞠さんがこの回をどのように書かれているのか楽しみで来ました。(^^
平蔵の「ミツやんの腹を…」で台詞が止まったことに感動していたものですから…。
あそこで止められる物語の創り方に、これからも期待してしまいました。
あと、個人的には、千葉真一のアクションが見られて、感激でした(≧×≦)
にらみ合っただけで勘助敗北決定なぐらいの迫力は、歳をとっても衰えてなくて「影の軍団」とか見ていた世代なので、とても嬉しかったです。
Commented by 手鞠 at 2007-02-06 12:44 x
さくらさん、こんにちは~♪
ここ何年かの、何でもかんでもセリフやナレで説明してしまうやり方にはどうもウンザリしていたものですから、こちらに想像の余地を残してくれる今年の作りは多少難しい所もあるものの、適度に緊張感があっていいですね。

千葉さんのアクションはやっぱり筋金入りですよね。あの迫力は付け焼刃では絶対出せませんから…。これを機にまたドラマ出演の機会が増えるといいですね。
時代劇の低迷が叫ばれて久しいですが、その理由の一つに「影の軍団」のようなアクション重視の娯楽作が減ったこともあるような気がしますから。

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