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人形劇『平家物語』vol.5 - 22~24話

第2部「栄華」の残り3話。



 
【第2部・栄華】

第22話-大仏炎上

奈良・興福寺への使者の護衛についた妹尾兼康らは、清盛からの命令のため投石などの僧兵の挑発にも必死に堪えますが、武士の悲しい性、ついに耐え切れず反撃に。
しかし、所詮は多勢に無勢、平家の郎党64名が討ち取られ、猿沢の池の畔に首をさらされることになります。

それでもなお清盛は忍の一字で堪えますが、自分の首を擬して鞠に似顔絵を描き足蹴にしているとの報告を受けて、とうとう堪忍袋の緒も切れ、重衡率いる1万の追討軍を派遣することになります。

僧兵達が清盛の首に見立て足蹴にしていた鞠はまさにサッカーボール状態。
わかりやすくするための演出でしょうが、『平家物語』に出てくるのは「毬杖(ぎっちょう)」といって、今のホッケーのように木の棒で玉を打ち合う遊びですので、その大きさもおよそソフトボール大ぐらいなんですよね。また、それを「平相国の頭(こうべ)」と名づけて打ったり踏んだりしたとはあるものの、果たして似顔絵まで描いていたものか…(^_^;)


ということで、ついに重衡軍が南都に侵攻しますが、激しい戦闘は深夜にまで及び、明かりを得るために放った火が折からの強風に煽られて猛火となり、東大寺大仏殿までも焼き尽くしてしまいます(重衡は放火を止めようとはしていたのですけど)。

僧兵のみならず、罪もない女子供までも死に至らしめた人もなげな行為に、「これで平家一門は永遠に仏敵、死後までも地獄の責め苦は逃れまいぞ」と重衡を責める母の時子。しかし、清盛は己が罪と認め「わしが一人で背負う」と平身低頭の重衡を庇います。

南都焼討における被害の甚大さを思えば、重衡自身が釈明し、清盛がそれを受け入れるというシーンは不可欠でしょう。それを時子と輔子の語らいだけであっさりと済ませてしまった昨年の大河には、今さらながら怒りを覚えます。

それはさておき、反平家の動きがますます加速する中、宗盛は信濃権守・中原兼遠を呼びつけ、義仲挙兵への関与を詰問。やがて「義仲の首を討って差し出せ」との命令を受け木曽へ戻った兼遠と義仲が対策に苦慮している所へ、太夫坊覚明なる僧が現れ、兼遠が出家をすれば事をうやむやにできる(坊主に首を持って来いとはいえない)と勧めます。

この太夫坊覚明は、これより14年前、義仲がまだ「駒王丸」と称していた少年の頃からの学問の師で、駒ヶ根の牧が狼の群れに襲われ、愛馬が餌食にされたことに腹を立てた義仲が、たった一人で狼数頭に立ち向かい斬殺する光景を目の当たりにして、将来天下にはばたく武将の相を見て取り、その教育係を引き受けた…という経緯を説明する回想シーンも挿入されています。

太夫坊覚明は『平家物語』にも登場する人物ですが、元は最条坊信救という興福寺の僧で、以仁王が挙兵し、園城寺から助勢を求める牒状が届いた際に、その返牒を執筆した人物だとされています。

その返牒の中で、清盛のことを「平氏の糟糠、武家の塵芥」などと記したことから、やがて清盛の怒りを恐れて興福寺を出奔。放浪している間に出会った行家と行動を共にし、鎌倉の頼朝を訪ねた後木曽へ向かい、その学才をもって祐筆として義仲に仕えるようになった…と言いますから、少年・義仲との関わりなどは原作のオリジナル設定のようです。

ところで、信濃・依田砦に進駐していた義仲が兼遠の帰国を聞いて木曽に戻るに際して、愛妾の葵御前も無理やり随行して来ており、妻巴ともついにご対面。色仕掛けで義仲を引きとめようとする葵と、義高も含めた親子・家族の情愛を全面に押し出す巴。
義仲をめぐる 妻vs愛人 の綱引きもここに始まります (^_^;)



第23話-義仲をめぐる女たち

治承5年正月に高倉上皇が崩御。
結局一度も登場することなく、これまで全く触れられていなかった安徳帝への譲位も、この1年前に行われていたとナレーションのみですが(汗)、やっと説明が入りました。

その頃、木曽の義仲は越後の城資長が攻めて来るとの報を受けてすかさず出陣。
葵はもちろんのこと、今回は巴と元服したばかりの義高も従軍することになり、二人の女武者の間には人知れず熱い火花が!

そんな平家にとっては予断の許さない不穏な情勢が続いていたある夜、故重盛の子・資盛はこっそり宿直所を抜け出し恋人の許へ。高倉上皇の崩御以来、建礼門院は御所の奥深くに引き籠っており、その側に仕える右京太夫と資盛は会うこともままならない憂悶の日々を送っていたのでした。

しかし、何という間の悪さか、この夜に限って「熊野で謀反!」の急報が入り、あっさりと資盛の職務放棄が露顕。一門の公達の居並ぶ中、清盛は資盛を厳しく詰問し、建礼門院の女房と密会していたとの告白に、寡婦となったばかりの「中宮への配慮がない!」と清盛は資盛を足蹴にするなど怒り心頭。が、その時、急に立ちくらみを催した清盛に一抹の不安を覚える平家一門。

一方、信濃・善光寺平で城資長を待ち構えていた義仲軍は、当の資長の急病で敵が戦わずして撤退したことから、葵の父方の一族の寺・善光寺に入り休息を取ることに。
酒宴での座興で艶美な舞を披露する葵。しかし、続いて引っ張り出された巴が冴えある笛の音で一同を魅了したことから、葵はいっそう嫉妬の炎に身を焼くことになります。

そして、そんな微妙な空気も漂う義仲の陣に、今度は墨俣の合戦で破れ、我が子・行宗も失ったトラブルメーカーの叔父・行家が来訪。これみよがしに不敬の甥・頼朝への不満をぶちまけ、「義仲こそが源氏の棟梁!」などとおだて、まんまと義仲の庇護の下に逃げ込むことに成功します。

やがて、城資長は病死し、その弟の城資茂が2万の大軍で善光寺平に再び進出。
これをわずか4千で迎え撃とうとする義仲の許に、突然覚明が現れ、兼遠の死を告げます。実子の巴や兼平らに義仲はすぐに木曽へ帰るよう言いますが、巴は頑としてそれを承知せず、兼平らも弔い合戦だと却って奮い立ちます。

そして、兼平らが平家方の軍兵に成りすまして敵陣に侵入。
横田河原の合戦の始まりです。



第24話-清盛死す!

半ば騙し討ちのような奇襲によって火蓋が切られた横田河原の合戦は、義仲軍の大勝利に終わりましたが、その頃、鎌倉では鶴岡八幡宮の上棟式が行われ、大工の棟梁に馬を授けるにあたり、義経にその馬の牽き役を命じる頼朝。

政子も複雑な表情で見守る中、即座に従おうとする義経に、弁慶は「家臣の役目」と押し留めようとしますが、義経はあえてそれも退け馬牽きの役目に就きます。頼朝の心無い仕打ちに、郎党達の不満も頂点に達しますが、当の義経は、来たる平家との決戦に備え、弟といえども鎌倉殿の命令には絶対服従の規律と威厳を示すためのデモンストレーションだと郎党達を諫めます。

お馴染みの馬牽き話。
あくまでも一本木な義経と頼朝の偏狭さが際立ちます。義経の頼朝人物評の誤認がそもそもの悲劇の始まり。それとやはり気働きのきく賢明な近臣に恵まれなかったのも致命的!と思わせる話の流れ…(^_^;)


一方、その頃京では、清盛が外出先で高熱を発して倒れ、時子は地獄の鬼が「閻魔王宮から無間地獄に堕ちる清盛を迎えに来た」という悪夢を見たりもして、清盛の病状は日々悪化の一途をたどっていました。

ついには典医も匙を投げ、藁をも縋る思いの平家一門は、経盛が今洛中で評判の名医だと麻鳥を推薦したのを受け入れ、経盛の長男・経正が迎えの使者として遣わされます。
その経正の礼儀正しさに「平家にもこのような人が…」と麻鳥は敬服し、快く清盛の診察を引き受けますが、かつて常磐に仕えていたこともあって源氏(義経)贔屓の妻蓬子は猛反対。それでも「貧しい人も富める人も、源氏も平家も、病で苦しむ人には関係ない」と麻鳥は往診に出向きます。

しかし、麻鳥の診立てでもやはり清盛の余命は後わずか。
「瘧(ぎゃく)」という高熱と震えを伴う難病で(今でいうマラリヤのこと)、高熱と平癒したような症状が交互に訪れるとの予言どおり、鶯の声を聞きながら穏やかに時子と昔語りをしていたかと思うと、一転、激しい発作に襲われ悶え苦しみだし、病の噂を聞いて乗り込んできたかつての親友・文覚が庭先から憎まれ口を叩くのを懐かしげに聞きながら、ついに絶命となります。

オリキャラのスーパー麻鳥が大活躍(爆)。医者という立場が大いに物を言っていますね(もちろんそのために医者にしたわけでしょうが…)。
ただ、しがない柳ノ水守から(それでも崇徳院と旧知の仲だったけ)一念発起して医者を目指し、入道相国の脈を取るほどの名医になるというのは、さすがに都合の良すぎる展開だとは思いますけどね… (~_~;)


ということで、平家一門の棟梁・清盛の死をもって第2部「栄華」は完。
まあ、中身の方は「どこが栄華やねん!」とツッコミたくなるほど、源氏の攻勢・平家の凋落の方が明らかに目立つ展開でしたが、続く第3部「乱」は文字通り大波乱の章。
清盛に替わるメインキャラは木曽義仲が相勤めまする (^_^)v
by kiratemari | 2006-09-26 19:12 | テレビ | Trackback | Comments(4)
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Commented by さくら at 2006-09-27 18:18 x
御無沙汰しています。
「人形劇 平家物語」は面白いですね〜とっても。
でも、やっぱり義経が良い人に描かれすぎな気がしないでもないですが…
何より、人形劇なのに、ものすごく表情があるので、どんどん引込まれますし。
時々、表現の仕方が男性作者っぽいなぁ…と思うことはあるのですが…
先のブログにも書かれてましたが、大河 義経が、どんどんおそまつに感じますね(´Д`;
…実はDVD買っておきながら、途中で放置されていたりします…
政宗見てると…いやぁ…この頃の大河ってよかったなぁ…と思います。
Commented by 手鞠 at 2006-09-27 18:56 x
さくらさん、こんばんは~♪
今、我が家は大変なことになっております。
夜8時から『毛利元就』『独眼竜政宗』『御家人斬九郎』『人形劇 平家物語』の怒涛の4連発で、時専チャンネルばかり流れっぱなし…(^_^;) こんな豪華ラインナップを組まれると消化するのが大変なのですけど、でも毎日が楽しみ~!

人形劇でも義経はめちゃくちゃ良い子に書かれていますね。
でも、だから頼朝がイケ好かないと思ってしまうその気持ちもわかるような…。去年の大河との決定的な違いはそこの所でしょうか。頼朝まで良い人に書こうとすると、「そりゃあ、どっちつかずになるわね」というもので… (-_-;)
Commented by さくら at 2006-09-28 18:43 x
怒濤の4連発…というのを見て、
声出して笑ってしまいました…(^^;
すっごいわかります!
今、時専チャンネルが熱い!って感じですよね。
さすがにわたしは時々いろいろ抜けますが、最近ニュース見てない気がするほどに、時専チャンネルがついてるような…(^^;
Commented by 手鞠 at 2006-09-28 19:55 x
さくらさん、こんばんは~♪
この怒涛の4連発も今日で2本が終了しますから、これで一息つけます。とはいえ、今夜で『人形劇 平家物語』が最終回を迎えるのはやはり淋し~ (;_:)

『毛利元就』は以前の放送時に全話録画済みなので、今の放送分は私自身は見たり見なかったりしてますが、『独眼竜政宗』はもう毎晩の習慣になっています。そういえば今日から謙様がご登場ですね。

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