人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『功名が辻』vol.26「功名の旗」

いやあ~、不覚にも泣かされてしまいました。
本能寺の変のショボさも、光秀の死に様の「アレアレ…?」も、実は、今回の吉兵衛の最期を際立たせるために、用意周到に計算されたものだった…と思えば大いに納得でございます (^_^;)



 
まあ、ツッコミ所も相変わらずでしたけどね。
これまでになく長時間にわたった合戦シーンも、やっぱりコント臭が強かったり、窮地の吉兵衛のすぐ至近距離にいながら、一向に駆けつけられず喚き叫ぶしか能のない殿とか… (-_-;)

しかし、それらを差し引いても、今回ほどまともに作られた回もなかったのではないでしょうか。
時間内にきちんと起承転結が配置され、話が進むに従っていや増す悲壮感が、避けられない悲劇的な結末に対する覚悟を視聴者側にも促す…といった大河では王道中の王道的な構成。

決戦前夜に吉兵衛と一豊の間で交わされた遣り取りが、そのまま吉兵衛自身の最期を彩る…といった、久々に「心憎い!」と感じられる名演出(迷じゃなく)もあり、また、彼の死後に本心を明かす手紙が届けられたくだりでは、ミエミエのあざとさを感じつつも、ついつい涙腺が潤んできて、まんまと術中にはまってしまいました (/_;)


とはいえ、前回から 吉兵衛&たき の「老いらくの恋(?)」エピを引っ張り続けたことで、少々食傷気味の感もなきにしもあらず…。
そもそも、この二人の関係って、わずか2回ぐらいでの促成栽培より、もっとじわじわと時間をかけながらゆっくりと育む形の方が合っていませんでしたか? って、別に何週間にもわたって延々とやれと言うのではないですよ(汗)。

できれば長浜時代くらいから たき を登場させ、始めは単なる奉公人(?)同士のかかわり合い程度にとどめておいて、それが何かをきっかけとして、互いに憎からず想う心が芽生える(というより、気がつくというべきか)…という感じで、ドラマの端々にそれとなく挟み込むような形にできなかったか…と思うのですよね。

これは最近の大河の傾向とも言えますが、ほとんど前振りらしい前振りはなしに、いきなり「本題」になってしまうような展開が多いのは(秀長の時と同様、来週は石田三成が今までもずっとそこにいたかのように現れる?)、一つには演者の拘束期間を少しでも少なくするための苦肉の策の面もあるかもしれませんが、仮にそうだとしても、そういう手法ばかりでは毎度唐突感が否めず、味わい的にもどこか底が浅くなりがち、余韻も残りづらいように思われます。

素材そのものが持つ力もさることながら、「時間」という一手間を加えることで(いわゆる「寝かせる」という状態ですね)、さらに美味しさをパワーアップさせる料理法もあるのですよ。その意味では、今回の吉兵衛エピの扱いにしても、善戦したとはいえ、必ずしもベストだったとも思えません。

それと、最後の最後で「アチャー」となったのが、せっかくの涙もドン引きさせる 断末魔 もとい 駄々っ子のような千代の絶叫による幕切れ…。

看板の賢妻はいったいどこへ行ったのでしょう?
よもや、あれが「自分や新右衛門が亡き後頼りにしろ」と吉兵衛が一豊に遺言した、竹中半兵衛&黒田官兵衛をも凌ぐ軍師の才を隠し持つお方様の姿とは…。

いやあ、ビックリたまげましたよ。何せ、あれで良しとするセンスにうなずける感性は、生憎と持ち合わせておりませんもので… (-_-;)
by kiratemari | 2006-07-05 19:12 | テレビ | Trackback(1) | Comments(2)
Tracked from お気楽極楽ブログ at 2006-07-06 09:01
タイトル : 功名が辻 Q2
吉兵衛(武田鉄也)が死ぬなんてね。 小うるさいけど憎めなくて、不器用でまっすぐなところが好きだったのに。 淡い恋まで描いて希望を抱かせといて、ひどいじゃないか、大石静(脚本家)。 オイラはあなたの思う...... more
Commented by えりか at 2006-07-07 09:32 x
 手鞠さん、こんにちは♪

 吉兵衛の最期のシーンは、昨年の「義経」の佐藤兄弟の最期のように長々としゃべらせなかったところが良かったです。長々としゃべらない方が、ずっとリアルで胸に迫ってきますよね。私も吉兵衛の最期には泣けました。

 でもおっしゃるように、最後の千代の絶叫は何なんでしょうね…。あそこで果たして、千代が泣く必要があるのでしょうか。一番悲しい思いをしているのはたきなのに…と思いましたね。本当、賢妻はどこへ行ってしまったのでしょう…。
Commented by 手鞠 at 2006-07-07 19:21 x
えりかさん、こんばんは~♪
そうですよね。臨終間際の長台詞はどうしても白けてしまいがちですし、今回の遺言という形で前もって言いたいことは全部言わせる手法は中々良かったと思います。

本当、千代のあの絶叫さえなければ「星3つ!」(某料理番組より)でしたのに…、あれで少なくとも0.5はマイナスになっちゃいましたよ(怒)。
考えるに、ああいう場面では声を押し殺して忍び泣く方が、哀れさもいっそう深まると思うのですが…。

「きらめきの刹那」 別館  花や史跡の探訪記録や源平&時代物ドラマ話など何でもござれの雑記帳


by kiratemari

ブログパーツ

最新の記事

舞洲 新夕陽ケ丘
at 2022-03-24 21:01
初富士めぐり2022 (2)
at 2022-02-23 19:27
初富士めぐり2022 (1)
at 2022-02-21 21:00
迎春花
at 2022-01-01 08:00
謹賀新年
at 2022-01-01 00:00
摩耶山天上寺
at 2021-12-28 21:14
Merry Christmas!
at 2021-12-24 22:09

リンク

カテゴリ

お知らせ
歴史語り
「きらめきの刹那」関連
書籍
テレビ
エンターテイメント
グルメ
関西探訪
├京都
├大阪
├兵庫
├奈良
├滋賀
└和歌山
旅の記録
├東北
├関東
├中部
├北陸
├四国
├中国
└九州
お出かけ
つれづれ

タグ

(706)
(282)
(159)
(130)
(122)
(111)
(92)
(86)
(63)
(47)
(41)
(41)
(40)
(34)
(23)
(21)
(20)
(18)
(11)
(8)

最新のコメント

壺井勘也
by 辻原俊博 at 21:03
知恩院
by 知恩院 at 21:02
藤原宮跡
by 栄藤仁美 at 20:05
北脇健慈
by 藤原宮跡 at 20:05
ちゃんちゃんさん、こんに..
by 手鞠 at 15:35
 階段の紫陽花が見事です..
by ちゃんちゃん at 08:10
ちゃんちゃんさん、こんば..
by 手鞠 at 20:30
今年は行かれてたのですね..
by ちゃんちゃん at 16:12

最新のトラックバック

以前の記事

2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
more...

検索