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『功名が辻』vol.6「山内家旗揚げ」

何だか近頃は毎週の放送が楽しみになって参りました。
これは少なくとも去年には味わえなかった感覚ですね(汗)。
やはりこの世知辛い世の中、シリアスよりもコメディーの方が精神的に受け入れ易いということでしょうかね(去年のはシリアス以前に、内容が破綻だらけだったのが問題なのだけど…)。



 
さて、新加入の登場人物が目白押しだった今回。
まずは前回の流れを受けてお市さまの御輿入れ先の浅井久政・長政父子に、話題の足利義昭と幕臣の細川藤孝。いずれもどうこう語れるほどの出番もなく、今回は顔見世程度でしたが、それぞれ雰囲気は出ていましたね。

注目の足利義昭は、どうも『秀吉』の玉置義昭が未だに強烈に残っているので、アレを思うとかなり地味な印象も受けましたが、単なるア○将軍には留まらない何かを見せてくれるのでしょうか。今後の動きに目が離せませんね。

しかし、今の所、歴史ドラマとホームドラマとは、割り合いはっきりと分けられていますね。主人公達はひたすらホーム・コメディーに徹し、その背景にある天下の情勢は彼らとは全く別次元の所で動いている…という感じで、そこが当時は多分何もわかっていなかったであろう下っ端武士らしいリアルさに繋がっているように思います。これも『利○とま○』の教訓に学んでのことでしょうか(爆)。

ただ、そうサッパリと割り切っているのなら、主人公パートとは別物の歴史ドラマの方には、あまり妙な設定は持ち込まないのが懸命のような…。

濃姫と光秀の昔語りは、はっきり言って蛇足に思えました。
過ぎし日の想いを語り合うには、特に光秀の年齢が行き過ぎていて…。
桜の舞い散る下での邂逅、二人の心情を代弁するかのような笛の合奏(?)なども、絵になる場面ではあるけど、何だかそこだけ浮き上がってしまっているように見え、そもそも、こういうのは『国盗物語』や信長が主人公の作品中でこそ生きる設定ではないでしょうか。

とはいえ、今回の大河は女性たちの人物造形がバラエティーに富んでいて面白いのは事実。千代、寧々、お市、濃姫…、どの女性も長短両面を描きつつ、それぞれ違った魅力が感じられて、また、何がしか共感する部分もある…。これも女性脚本家のゆえでしょうか。昨年なんて、健気系か勇猛系の2タイプだけでしたからね(涙)。夫婦のあり様の多彩さも含め、こういう所でもドラマの幅が違って来るってものですよ。

それはさておき、隔離状態にある政治の表舞台と山内一家をリンクさせるのは、金八ならぬ半兵衛先生による個人授業(笑)。美濃時代からの繋がりも、このための布石だったわけですか…。まあ、こうでもしないと、それこそ歴史部分とオリジナル部分が完全に乖離してしまいますものね。確かにあの千代の天然ぶりだと、吉兵衛や半兵衛のような教師役にそばにいてもらわないことには、二進も三進も行かないでしょうから、これは中々うまい手を考えたと思います。

さて、その山内家では、新右衛門の妻子達が加わり、家計は一気に火の車に。蓄えも瞬く間に食い潰し、カリスマ主婦(?)は、やむなく自分の食事を一日おきに減らす(2日で1食ってことでしょうね)苦肉の策を実行しますが、しかし、千代って一度に10人前ぐらい平らげる大食漢なのですか? 一人分減らしたところで、あの大人数では全然追いつかないでしょうに…。

それ以前に、あんなに白米を子供達にガツガツと食べさせてるって…、いったいどこのお大名ですか? (-_-;)
いや、長男の新一郎があんなにノッポで、ガタイも良く育ってるってことは、別居中も世間並以上の暮らしをしてたってことですかね?

現代的な真っ白なご飯でなかっただけまだマシかもしれませんが、まな板も買えない貧乏人だったら、雑穀をふんだんに混ぜて、さらにお粥にして嵩を増やすぐらいのことはしないと…。

子供達にひもじい思いをさせたくないと、我が身を犠牲にする千代の優しさといえば聞こえがいいですが、当時の価値観からするとこれは明らかに贅沢のし過ぎ。まあ、雑穀入りだと子役が嫌がって食べてくれないとか、撮影上の苦労話とかもあるのかもしれませんが…(この飽食の時代ですからね)。

それにしても、ここに来てちょっと気になっているのが、千代のキャラがあまりにも子供っぽく、おっちょこちょいに描き過ぎてやいませんか?
太陽のような明るさとあの異様なまでのハイテンション、どう見ても子役時代の千代とは完全に別物になってしまっていますよね。 (-_-;)

良く言えば天真爛漫、しかし、無鉄砲でやることが何かにつけ極端な所は、ひとえに先行きの見通しの甘さゆえとしか言いようがないのですが、そんなそそっかし屋の反面、「あの奥方は賢い」と寧々に言わしめる頭の回転の良さも持ち合わせているそのアンバランスさ。

これも、ただ賢いだけの女性は反感を買うという過去の教訓から(あれが賢夫人だったかは甚だ疑問ですけど…)、暗にドジな面を強調して愛嬌に転化しようとしているのだとは思いますが、それも度が過ぎると、わざとドジキャラを演じる計算高い女性にも映りかねませんからね。

今回のちょっと臍を曲げている(?)吉兵衛のご機嫌とりに、丸三葉柏紋の謂れの再伝授を頼むところなども、ギリギリ千代の優しい心遣いと受け取れましたが、こういうのもやりようによってはあざとく見えたりもしますからね。まあ、脚本家の方もその辺りの匙加減はよく心得てらっしゃるとは思いますが…。


さて、次回は結婚後初の挫折が訪れるようですね。
「人生決して楽しいことばかりではない…」というところをどう描くのか…、今後を占う重要な回となりそうです。
by kiratemari | 2006-02-15 19:50 | テレビ | Trackback | Comments(4)
Commented by えりか at 2006-02-17 10:15 x
 手鞠さん、こんにちは♪TBありがとうございました。

 千代達が食べていたご飯が白米だったとは気がつかなかったです。一豊の当時の身分を考えると確かに贅沢ですよね。

 足利義昭はなかなかいい味出しているなと感じました。これからが楽しみです。

 それと吉兵衛、説教ばかりしているところを見ているとどうしても金八先生に見えてしまいますよね~。そして、説教されている千代はどうしても生徒に見えてしまう……。これもなかなか面白いです。
 女性たちに感情移入できるのも良いですよね。あとは昨年の「義経」のように期待を裏切られなければ良いのですが。
Commented by 手鞠 at 2006-02-17 22:27 x
えりかさん、こんばんは~♪
山内家の食卓には、さすがに真っ白な精米ではなかったようですが、といでいたのは純度100%のお米にしか見えませんでした(汗)。

足利義昭はこれからどういうテイストを出してくるのか…。最初は、眼鏡をかけてらっしゃらないので(当たり前ですが)、お顔が別人のように思えてちょっと不思議な感じがしました。
吉兵衛のお説教で金八風味が強いのは、多分狙ってやっているのでしょうね。千代とのボケとツッコミは中々の好相性だと思います。
Commented by bluecat at 2006-02-21 08:55
手鞠様、こんにちは!
ネコの容態もだいぶ落ち着いてきたのでブログ復帰していきますね。
確かに、ツッコミどころはおりおりあるものの、私も毎週がちょっと楽しみだというのは激同です(^^ゞ
だって、みていてほのぼのしてくるんですもの・・・去年のアレはなんだったんでしょうかね?!
白いオマンマは確かにあの当時の山内家としては贅沢すぎますね~現代では、雑穀をあえて食するくらいですが(けっこう美味しかったりします)。
Commented by 手鞠 at 2006-02-21 12:29 x
bluecatさん、こんにちは~♪
今年の大河は、ほのぼの路線がトレードマークでしょうね。
その分、シリアスな場面ではちょっと…と思う部分もありますが…。
いや、何にせよ、いずれも???だった去年のとは比べもんになりませんね (^_^;)

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