「フェアな殺人者」―古畑任三郎ファイナル・第2夜
現役大リーガー・イチロー選手が本人役で出演ということで、放映前からかなり話題になっていたこのドラマ。古畑シリーズは数えるほどしか見たことのない私ですが、これは…見ないわけにはいかないでしょう (^^;)
推理物は結構好きなので、最近では他局の『相棒』をよく見ていますが、そちらが近頃は相当飛躍したものになって来ているので、今回の「フェアな殺人者」の内容自体は、どうもスリル不足でいまいちスッキリとしない展開に思えました。
でも、ことこの第2夜に関しては、細かいことは抜きにして、
「イチロー、中々やるじゃん!」 ― これで十分なんでしょうね。
まずはセリフも無難に喋ってましたし、演技も思いのほか自然体で、まあ、棒読みはご愛嬌でしょうが、それを補って余りある目力と存在感。事前に、そこそこの好演は予想していたものの、それも遥かに上回る出来に驚かされました。
ただ、セリフを喋って入る間はまだサマになっているものの、黙って立っているだけの時は「隙だらけ…」と、そこが本職の俳優さんとの超えられない壁。
まあ、そうでなければ、俳優さんの立つ瀬もないですわな…(でも、イチローの演技がまともに見えるのは、にわか俳優の急増でレベル低下が著しいせいでもありそうですが…)。
しかし、今回の出来であれば、将来的にも、また俳優・イチローへのオファーが来る可能性はあるのではないですかね。それも、英語が話せて、アメリカでの知名度も一般的な日本人俳優よりははるかに高い…とくれば、まずハリウッドが放っておかない気が…???
ところで、イチローとお芝居で思い出した話を一つ。もう10年も前の話ですし、ここに書いても時効でしょう。もっとも、誌上に載ったものなので、知っている人は知っていることですが…。
1996年3月にイチローは宝塚大劇場を訪れ、当時日本初演の舞台が行われていた雪組公演『エリザベート』を観劇。
これは前年末からのシーズン・オフ中に「イチローの気分はいつもフルスイング」というラジオ番組で(弓子夫人との出会いとして知られる)、数回にわたり武豊騎手など各界の著名人との対談の機会が持たれたのですが、その最終回のゲストととして、同郷愛知県出身で名前が「イチロ」で似ている(?)という理由で宝塚歌劇団雪組のトップスター・一路真輝さんが出演され(実はこれは今は亡き仰木監督のご指名だったとか)、その縁から仰木さん同伴でのヅカ観劇ということになったようです(他に当時新入団の嘉勢くんも)。
この時の観劇でイチローは『エリザベート』という作品が大そうお気に入りとなったようで、同年12月に星組で再演された際にも、一路さんは出ていないにもかかわらず(というか『エリザベート』で退団)再度来宝してご観劇。
で、ここからは、その日、開演前にイチローがくつろいでいた控え室の前を通りがかったジェンヌの証言になるのですが、部屋の中から突如響いて来た歌声…。
♪ エリーザベート、開けておくれ~
舞台をご覧になったことのある方ならおわかりと思いますが、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフ陛下が妻のエリザベートに切々と歌い掛ける一幕中盤のあの場面の曲ですね。で、歌っていたのはもちろんイチローその人(しかもこのパートを見事に歌い切ったらしい)。
この話を聞いたエリザベート役の彼女(現中山秀征夫人)は「イチローさんが『開けておくれ~』と歌ってくれたら私すぐにビャーンとドアを開けるわ」(劇中では苦悶しながらも開けません)なんて現金なことを言ったとか… (^^;)
それはさておき、イチローは自ら「雪組公演のビデオを見て覚えた」とのたまったそうで、しかも、この場面のみならず「全曲」歌えるらしいとの噂も…。画像が悪くなるほどビデオを見ていれば(これも本人言)さもありなん…。ハマったものにはとことんのめり込むタイプの典型ですね。
とまあ、そういう逸話を残しているイチローくんですからね。古畑シリーズもさぞや何回も繰り返しビデオを見込んで(?)いることでしょうし、過去の作品を参考にして、じっくりと役作りも考えた上で撮影に入ったのではないでしょうか。それ以前に、日常からスーパー・スター「イチロー」を演じている風にも見える所からして、元々、演技派の素養(成りきり傾向)があるのかもしれませんけどね。
※ この宝塚話は『歌劇』平成9年(1997)2月号のP.100「聞いて頂戴こんな話」(岸香織著)とP.92「タカラヅカ情報」で確認できます。
推理物は結構好きなので、最近では他局の『相棒』をよく見ていますが、そちらが近頃は相当飛躍したものになって来ているので、今回の「フェアな殺人者」の内容自体は、どうもスリル不足でいまいちスッキリとしない展開に思えました。
でも、ことこの第2夜に関しては、細かいことは抜きにして、
「イチロー、中々やるじゃん!」 ― これで十分なんでしょうね。
まずはセリフも無難に喋ってましたし、演技も思いのほか自然体で、まあ、棒読みはご愛嬌でしょうが、それを補って余りある目力と存在感。事前に、そこそこの好演は予想していたものの、それも遥かに上回る出来に驚かされました。
ただ、セリフを喋って入る間はまだサマになっているものの、黙って立っているだけの時は「隙だらけ…」と、そこが本職の俳優さんとの超えられない壁。
まあ、そうでなければ、俳優さんの立つ瀬もないですわな…(でも、イチローの演技がまともに見えるのは、にわか俳優の急増でレベル低下が著しいせいでもありそうですが…)。
しかし、今回の出来であれば、将来的にも、また俳優・イチローへのオファーが来る可能性はあるのではないですかね。それも、英語が話せて、アメリカでの知名度も一般的な日本人俳優よりははるかに高い…とくれば、まずハリウッドが放っておかない気が…???
ところで、イチローとお芝居で思い出した話を一つ。もう10年も前の話ですし、ここに書いても時効でしょう。もっとも、誌上に載ったものなので、知っている人は知っていることですが…。
1996年3月にイチローは宝塚大劇場を訪れ、当時日本初演の舞台が行われていた雪組公演『エリザベート』を観劇。
これは前年末からのシーズン・オフ中に「イチローの気分はいつもフルスイング」というラジオ番組で(弓子夫人との出会いとして知られる)、数回にわたり武豊騎手など各界の著名人との対談の機会が持たれたのですが、その最終回のゲストととして、同郷愛知県出身で名前が「イチロ」で似ている(?)という理由で宝塚歌劇団雪組のトップスター・一路真輝さんが出演され(実はこれは今は亡き仰木監督のご指名だったとか)、その縁から仰木さん同伴でのヅカ観劇ということになったようです(他に当時新入団の嘉勢くんも)。
この時の観劇でイチローは『エリザベート』という作品が大そうお気に入りとなったようで、同年12月に星組で再演された際にも、一路さんは出ていないにもかかわらず(というか『エリザベート』で退団)再度来宝してご観劇。
で、ここからは、その日、開演前にイチローがくつろいでいた控え室の前を通りがかったジェンヌの証言になるのですが、部屋の中から突如響いて来た歌声…。
♪ エリーザベート、開けておくれ~
舞台をご覧になったことのある方ならおわかりと思いますが、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフ陛下が妻のエリザベートに切々と歌い掛ける一幕中盤のあの場面の曲ですね。で、歌っていたのはもちろんイチローその人(しかもこのパートを見事に歌い切ったらしい)。
この話を聞いたエリザベート役の彼女(現中山秀征夫人)は「イチローさんが『開けておくれ~』と歌ってくれたら私すぐにビャーンとドアを開けるわ」(劇中では苦悶しながらも開けません)なんて現金なことを言ったとか… (^^;)
それはさておき、イチローは自ら「雪組公演のビデオを見て覚えた」とのたまったそうで、しかも、この場面のみならず「全曲」歌えるらしいとの噂も…。画像が悪くなるほどビデオを見ていれば(これも本人言)さもありなん…。ハマったものにはとことんのめり込むタイプの典型ですね。
とまあ、そういう逸話を残しているイチローくんですからね。古畑シリーズもさぞや何回も繰り返しビデオを見込んで(?)いることでしょうし、過去の作品を参考にして、じっくりと役作りも考えた上で撮影に入ったのではないでしょうか。それ以前に、日常からスーパー・スター「イチロー」を演じている風にも見える所からして、元々、演技派の素養(成りきり傾向)があるのかもしれませんけどね。
※ この宝塚話は『歌劇』平成9年(1997)2月号のP.100「聞いて頂戴こんな話」(岸香織著)とP.92「タカラヅカ情報」で確認できます。
by kiratemari
| 2006-01-05 22:23
| テレビ
|
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Comments(2)
Commented
by
ちゃんちゃん
at 2006-01-07 16:59
x
kiratemariさん、こんちには。
古畑は嫁さんが好きですので、僕も見ましたよ~
あ、すいません。 あけましておめでとうございます。
ご挨拶が遅れてしまいました。
しかしtemariさんは、年賀状の字が綺麗ですね。 僕なんて息子に「ゆうちゃんのほうが綺麗」なんて言われますよ(笑)
古畑のイチローですが、本当に良く演じていましたね。 感心しました。
でも、本日続けて3夜連続の最終話も見たのですが、比べてはいけませんが、松嶋菜々子(字有ってるかな?)はさすがの演技力ですね。 一人二役で混乱しそうですが、うまく演じ分けていましたよ。 女優ですからといえばそれまでですが・・・
古畑はあと3日夜に放送された分だけまだ見ていないので、それも後日見ます。 この連休は友人から貰ったTV版「電車男」のDVDを見て過ごす事になりそうです。 あのドラマは久々にはまりました。 主人公がオタクってとこが何故か親近感湧くにですよねえ(笑)
もしtemariさんも見るならお貸ししますよ~
古畑は嫁さんが好きですので、僕も見ましたよ~
あ、すいません。 あけましておめでとうございます。
ご挨拶が遅れてしまいました。
しかしtemariさんは、年賀状の字が綺麗ですね。 僕なんて息子に「ゆうちゃんのほうが綺麗」なんて言われますよ(笑)
古畑のイチローですが、本当に良く演じていましたね。 感心しました。
でも、本日続けて3夜連続の最終話も見たのですが、比べてはいけませんが、松嶋菜々子(字有ってるかな?)はさすがの演技力ですね。 一人二役で混乱しそうですが、うまく演じ分けていましたよ。 女優ですからといえばそれまでですが・・・
古畑はあと3日夜に放送された分だけまだ見ていないので、それも後日見ます。 この連休は友人から貰ったTV版「電車男」のDVDを見て過ごす事になりそうです。 あのドラマは久々にはまりました。 主人公がオタクってとこが何故か親近感湧くにですよねえ(笑)
もしtemariさんも見るならお貸ししますよ~
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ちゃんちゃんさん、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろくしく。
年賀状の字って…、私は自分の字があまり好きではないので(何か形がおかしい!)、そのように言って頂くとちょっと恥ずかしい気もしますが、それでも嬉しいです (^^;)
奥様が古畑好きだったとは初耳ですね(そういう話はしたことなかったような…)。私は実は2夜以外はまともに見ていないのですよ(明らかにイチロー目当て)。巷では第1夜が一番面白かったという噂ですね。しかし、お正月は見るものが多すぎて、録画機器と時間のやり繰りが大変です。
本年もどうぞよろくしく。
年賀状の字って…、私は自分の字があまり好きではないので(何か形がおかしい!)、そのように言って頂くとちょっと恥ずかしい気もしますが、それでも嬉しいです (^^;)
奥様が古畑好きだったとは初耳ですね(そういう話はしたことなかったような…)。私は実は2夜以外はまともに見ていないのですよ(明らかにイチロー目当て)。巷では第1夜が一番面白かったという噂ですね。しかし、お正月は見るものが多すぎて、録画機器と時間のやり繰りが大変です。
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