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『平清盛』vol.20「前夜の決断」

しばらくのご無沙汰でございました。
GWを挟んで3週も飛んでしまいましたが、別に視聴を脱落したというわけではありませんよ。むしろ沈黙しているのはそれなりに納得して見ているからでもあり…。

仕切り直しを強調しての第2部始動。
初っ端がいきなり肩透かしの内容で微妙なものを感じましたが、その後は怒涛の高速展開ながら、そのスピーディさがわりあい良い方に転んでいるように思います。まあ、あまりに局面が目まぐるしく動いて、初見では粗が目につく前に終わっている…という感もなきにしもあらずですが… (^_^;)

※末尾に少し追記しました!(5/27)





 
 
とはいえ、まあ、ツッコミなしで済ますのもらしくないので(汗)、4回分まとめて少しやっときましょうかね (^^ゞ



vol.17「平家の棟梁」

1年という長丁場の中にはこういう軽いギャグ回もあっても良いとは思います。今後の凄惨なシリアス展開を考えれば、ここらで一息入れたいという意図も理解できますから。ただ、入れるタイミングがちょっとズレていたのではないかと…。

前回分 でも少し書きましたが、新棟梁に就任した時点で清盛は36歳。代替わりのタイミングとしては時期尚早というよりも、むしろ「満を持して…」の感が強い年代なんですよね。しかし、ドラマではスッタモンダの見習い棟梁奮闘記(爆)。

棟梁見習いということであれば、何も忠盛死後なんて悠長なことを言わずに、存命中からしていればいい話で…。史実の流れを見ても、安芸守就任が29歳で翌年に祇園社の奉納の当事者となって騒動を起こしていますから、この辺りから既に徐々に代替わりの動きが進んでいたのではないかと…。

正棟梁が健在の段階での見習い中ならまあ笑って見過ごせますが、一門を双肩に担っての粗相の数々にはつい眉を顰めてしまいますし、それを苦笑程度で見逃してしまう面々の寛容さも何だかなあ…という感じで。

どうしても入れるなら、安芸守拝命から祇園闘乱事件の間だったでしょうね。完全引退してしまうと忠盛さんの積年の望みの公卿昇格がフイになってしまうので、あくまでも内向きの実務から成り替わって行くという形で。ただ、その時点では清三郎こと宗盛くんも生まれていないので、前妻の子と後妻の子の微妙な関係を一緒に盛り込むことはできませんが…。




vol.18「誕生、後白河帝」
 
祇園女御が乙前と名を変えて再登場。
今様が縁となっての雅仁親王との邂逅が描かれましたが、青墓の雑踏からふっと異世界に誘い込まれたかのような摩訶不思議な雰囲気にはこちらも引き込まれました。

ノベライズでは、この時、乙前は雅仁の言動の端々から亡き白河院を思い起こすという、その次の回での鳥羽院と同じ反応をしたり、雅仁の「この歌のごとき男が京におる」で即座に清盛と思い当たるなど、祇園女御=乙前であることを示す手掛かりが書き込まれていましたが、O.A.では回想もなく特に触れられていませんでした。

それはさておき、近衛帝の後継をめぐる議定。
ここで信西が「ギテイ」と読んでいたのにまず疑問符。ノベライズでは「ギジョウ」とルビが振られていたのですけどね。

なお、後継候補として
  (1)重仁親王(崇徳上皇の皇子)
  (2)守仁親王(雅仁親王の皇子)
  (3)暲子内親王(鳥羽法皇の皇女)

以上お三方の名が挙がりましたが、劇中で何度か登場している重仁親王はともかく、後のお二方は一般視聴者には「誰?誰?」の状態では?(あの雅仁さんに子供がいるなんてちょっと想像つきませんしね)

せっかくの映像化なのですから、顔は映さずとも、仁和寺で法親王の元で学問する守仁親王や十二単姿で後ろ向きの内親王とか、イメージしやすい画を差し込むだけでも随分違うと思うのですけどね。

平家パートの盛盛攻勢も、寸劇の形を借りながら毎回ちょこちょこ顔出しさせることで、徐々にそれぞれの性格分けが明らかになりつつありますし、映像にすると一目瞭然。説明セリフにばかり頼らず、視覚情報をプラスして理解の助けとするという、ある意味、映像物では基本中の基本がどうもなおざりにされているように思われます。

ところで、一門の会議(?)の中で、歌会にお呼ばれしたいから崇徳上皇に付こうと発言した経盛を見ていて思ったのは、前回の和歌の代作も経盛に当てれば良かったのでは?

時子が『源氏物語』の一説を諳んじる代わりに、経盛が鼻歌でも歌うようにさらりと一首口ずさみ、それを聞いた清盛が「おまえにそんな才があったのか?」と驚いて代作を頼む…みたいな。でも、本番では冷え切った場の空気を変えるために、あえてふざけた歌を即席で創作して失笑を買う…という具合でも良かったのでは?

なお、この回で親平家派の家成卿がご退場。予想以上に美味しいポジションで良い味を出しておられたのに、惜しい方を亡くしました。替りに藤原師光がイン。成親と共に鹿谷事件への伏線張りがスタートした模様です。





vol.19「鳥羽院の遺言」

具体的に何が遺言だったのか…、イマイチわかりづらいところもありましたが、ともかくも鳥羽法皇様のご退場回。

いつか白河院の亡霊も乗り越えて、立派な権力者となられることを夢見ておりましたが、最後の最後まで亡霊に脅え続け、ブレまくりのまま逝かれたのは非常に残念でした。

権力者という括りではなく、生身の人間らしいキャラ造形を目指した結果なのでしょうが、あまりに脆く儚すぎてどうやって治世を保ったのか疑問符がつきまくることにも。あれだけ揺らぎっぱなしの治天の君なら、悪左府殿宿願の摂関家の復権もとうに果たされていそうなもので…。せめて璋子さん逝去後は冷徹な権力者に変貌して、祇園闘乱事件の後始末も誰にも有無を言わせず一刀両断!ぐらいの毅然さで行っていただきたかったですし、それでこそ晩年の老いや悔いも活きて来たのではないかと…。

そして、悪左府殿も転落人生まっしぐら。
若い頃から口癖だった「粛清」を徹底的にやり過ぎて反感を買ったのが凋落の始まり…、というわりにはドラマ内ではせいぜい家成邸破却事件ぐらいしか出て来てませんし、だいたいいつも最後は鳥羽院に押し切られるというのがお定まりだったので、どこが???という印象もなきにしもあらずですが(だからこそ鳥羽院には何事にもブレない絶対君主的な格が欲しかったと)。

忠実パパにも見放され、気が付けば鸚鵡しかそばにいないうら寂しい境遇に!…と思いきや、実はいい年をした息子がゾロゾロ出て来たり(第18回)もするのですから、イメージと現実のギャップがちょっときついですね。しかし、あの鸚鵡、声の吹き替えは何方がやっているのでしょうね。『ちりとてちん』の平兵衛(九官鳥)は飼い主の四草(この大河では師光で登場)本人がやっていたそうですから、もしや頼長様が御自らなさっておられるとか? (^_^;)


あとわずか1分ぐらいでしたが、東国パートで大蔵合戦が登場。
義朝の息子と言われても???なちょっと老けた悪源太義平(爆)が叔父の義賢を誅殺。ノベライズではここで義賢の2歳の次男・駒王丸が辛くも脱出したことに触れているのですが、O.A.では出て来ず終い。まあ、木曾殿登場の時に「実はあの時…」と回想形式で挿入される可能性もありますが…。

それはさておき、保元の乱に向けての準備第1段階のこの回で、一つどうも引っ掛かったのが誓詞への署名を躊躇う清盛の心情。
まだ鳥羽院存命のこの段階で院への忠誠を拒否することなど可能なものか…。また、この誓詞が崇徳院を追い詰めるというのも乱勃発が大前提の論理で、どちらかと言えば乱を起こさせないための抑止力を期待してのものというのが大元だったのでは?

ここは義朝同様、何の疑いも持たずに署名した後に、実は天下大乱を画策する信西の魂胆を知らされ茫然。さらに刃向えば一門や大事な家族がどうなるか…などと脅迫まがいのことを言われて変心…というほうが、ラストの崇徳院との対峙にも多少説得力が出たのではないですかね。それでも、抜き身を上皇様に向けた時点で説得力も何もあったものではありませんが。せいぜい太刀に手を掛けて目力で威嚇!ぐらいに留めておくことができなかったものか… (~_~;)





vol.20「前夜の決断」

ということで、ようやく今回分にたどり着きました (^^ゞ
鳥羽院崩御の混乱の中でついに負け組の崇徳院と悪左府頼長が結託し、それを待ってました!とばかりに信西が厳戒態勢令を発令。天下大乱への動きが一気に加速して行きます。

後白河帝方に付くか、崇徳上皇方に付くか…。
二つの選択肢の中で、源氏は摂関家の番犬・為義はもちろん頼長に従い上皇方へ、鳥羽院に仕えていた義朝は帝方へと既定路線通りに分裂。

一方の平氏はいずれとも去就をはっきりさせずに情勢を静観する構え。
ドラマでは義母の宗子が重仁親王の乳母という事実がスルーされているため、上皇方への義理もなし。まあ、現実にも宗子が乳母になったのが養母の美福門院の要請であれば(双方とイトコ関係にある家成さんが仲介)、美福門院側=後白河帝側が妥当だろうと思います。保元物語は所詮後世に書かれたものですから、その後の情勢を踏まえた脚色が入っているでしょうし。

それはさておき、ここで焦らして戦後の恩賞を釣り上げる作戦などと嘯く清盛の急なキャラ変わりに少し疑問も浮かびましたが、忠正の「兄上が生きておれば同じことをしたのでは…」というセリフでなるほどな…とも。清盛の言ったセリフを忠盛さんの口調で脳内再生すると中々しっくりと来る気がするので、ここは清盛の中に忠盛が降臨したということで納得(爆)…といってはちょっと乱暴ですが、蛙の子は蛙、親父の背中を見て育った子がいつの間にかそのアイデンティティーをしっかり受け継いでいたということで。

今でも最初から白河院落胤説を断定してしまったのは愚策だったと思っていますが、時に白河院のような奇異さを見せつつも、忠盛の遺した息子たちの中で誰よりも忠盛の精神性を強く受け継いでいたのが実は血の繋がりのない清盛だったという設定自体は悪くないと思います。

ただ、そこのところを丁寧に掘り下げることを半ば放棄して、結論だけ見せられても腑に落ちないのは当たり前で、今更ながら全体のペース配分と登場人物の比重の選択間違いが痛かったですね。ネタとしての面白さは白眉だった王家パートですが、『平清盛』としては正直あそこまで掘り下げる必要があったものか…。まあ、あの王家パートも後白河のバックボーンとして今後活きて来る部分もあるでしょうが。

その後白河帝が清盛の策略を見抜き、心理戦で陥落させるくだりは迫力満点でした。この後の顛末を知っていると、信西もまたこの後白河の掌の上で踊らされているのに過ぎないのではないかという得体の知れない恐ろしさも偲ばれたり…。清盛にとって終生ついに敵わなかった唯一の相手ということで、特に力を入れて描かれているのでしょうが、最終形態はいったいどんなことになるのか、史実を知っていてもちょっと予想がつかないところがありますね。


ということで、この回は全体的には平氏よりも源氏の内情がクローズアップされた回でした。伏線張りがお好きな脚本家さんということで、どうしても逆算の組み立てになるため、先に退場者の多い源氏が優先になるのは致し方ないでしょうか(平氏では忠正さんが優先)。

主従物の定番のような鎌田父子の別れや義朝と正清の再会が絵になるのはもちろんのこと、女性陣の描き方も毅然とした正室の佇まいを見せる由良と情に生きる常磐との対比が良かったですし、壇ノ浦までまだまだ遠い時子さんの能天気ぶりとは対照的。でも、まあ今はまだそういう癒し系も必要だとは思いますけどね。

そして、今一番気になっているのは時子さんのお腹の中いるお子様(笑)。
年表通りであれば保元2年(1157)生まれの戦上手の重衡くんでガチのはずですが、『平家物語』の高倉天皇への入内時の年齢15歳(史実は17歳)の説を採れば徳子の可能性も。後に国母となる女の子の誕生に未だ触れていないのも変ですし、時子さんの「おなごだったらどうなさります!」のセリフが実は伏線だったりするのかしら? (?_?)






【5月27日追記】
なんかふっとひらめいたのですが、時子さんのお腹の子。
もしや戦上手の男子と女の子の両方、つまり双子だったりして?

学説ではありませんが 前にご紹介したことのある 『春の夜の夢のごとく~新平家公達草紙~』という小説でもそういう設定を採られていましたし、記録と『平家物語』の記載の合わせ技で一応辻褄が合うかな…と (^_^;)

しかし、本来ならもう既に別の娘が最低二人は生まれているはずなのですけどね。
信西さんがらみのアノ話はスルー?
信頼との件も…。
それとも養女とかでお茶を濁すのか?

今のあの清盛に他所で子を作れるような甲斐性があるようにはとても見えませんし、いっそのこと明子さんとの間に娘を作っておけば良かったかも…。
by kiratemari | 2012-05-27 01:52 | テレビ | Trackback | Comments(0)
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