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『平清盛』vol.9「ふたりのはみだし者」

只今本業の方が絶賛繁忙期中で立て込んでおり、アップが遅くなりました。

さて、ようやくラスボス四宮の登場。
最強(?)のぶっ飛びキャラ投入で、もうてんやわんやですな (^_^;)




 
まずは前回の末尾で少し触れておりました崇徳帝の中宮聖子(祇園女御ではありませんよ)。
無事(?)登場はしましたが、その前の肝心の摂関家パートが全カットされてますやん。

平兵衛もとい鸚鵡ちゃんの格好の見せ場が…。
頼長くんの飼育係っぷりも密かに楽しみにしていたのに… (-"-)

それはまあともかくとして、九の宮誕生を受けて、忠実&頼長と忠通の考えに少しずつズレが生じて来る、その端緒のような場面だったのですけどね。

今に始まったことではありませんが、真っ先に削られるのが摂関家パートの率が高く、そこで暗に説明されるはずの政治背景がなおざりにされているのが「わかりにくさ」に拍車を掛けている部分も少なからずあるように思われます。下手をすると崇徳帝の中宮聖子が忠通の娘であることも認識されていないかも?


さらにもうお一方、統子内親王も九の宮お披露目の宴席で璋子さんのすぐ後ろに座っておられました。ただ画面に映ったのは20分45秒頃に、本当に瞬きしていると全く目に入らないぐらいの瞬間芸(汗)。ヅカ現役時代に見慣れていた顔ですのでそれでも瞬時に察知できましたが… (^^ゞ

雅仁親王の一歳上の姉ということで、実年齢で言えばまだ10代前半ですので、まあ、はっきりと顔出ししなくて正解だったとは思います。そうでなくても比類なき美貌の皇女として知られる女性ですし、本格的に登場したら失望の声が上がるんじゃないかと…(はっきり言ってファニーフェイス系ですから)。


ということで、本題はやっぱり四宮・雅仁親王でしょうね。
元服前のみずら結いの童姿での登場。年初に予告を見た時には二十代後半の演者にこの出で立ちは気の毒だろうと思ったものでしたが、動いている姿を見ると意外に様になっていてビックリ。今様は発声や節回しがちょっと怪しい感じもしましたが、声質はそう悪くないですよね。

ただ、投げやりな雰囲気を出すためか、口先だけでセリフをのたまっているのがどうも聞き取りづらい。舞台のように腹の底からとまでは求めませんが、もう少し言葉が視聴者の耳に難なく届くぐらいには声量を上げていただきたいですね。ていうか、そういうのって音声さんが把握してきちんとコントロールせんといかんのでは?



しかし、話の展開としてはあり得ないことだらけで、正直、厳しい回になりました。
皇子お披露目会でのお子ちゃま雅仁くんの暴言三昧はまあいいとして、それに煽られて暴露大会にまで発展させた大人たちの大人げなさ。

とりわけ得子さんの璋子さんへの剥き出しの敵意というのが、どうにも理解に苦しむのですよね。あそこまで執念を燃やす原動力は何なのか…。決まり文句の「あの福々しい女」で済まされても全く説得力がありません。せめて史実にもある崇徳帝サイドからの嫌がらせ的な粛清人事とか、被害者意識を想像しやすいエピソードを盛り込んでおけば、その逆襲ということで違和感も少しは緩和されたのではないでしょうか。

このドラマではどうも鳥羽院や崇徳帝を無力な乙女(爆)チックに描きたいようで、おまけに璋子さんはあんな調子(笑)ですから、その皺寄せが全部得子様に行ってしまっている形になっていますね。それにしても、院政を執り出してもう何年にもなるのに、いつまでたってもあんなにグラグラ足許の定まらない治天の君だったら、とうの昔に摂関家が出し抜いて復権してそうなものですが… (~_~;)


それでもまあ、今回の雅仁さんの登場で実は一つ腑に落ちたこともありました。
それは、この鳥羽院と璋子さんの子が雅仁なんだと…。いや、当たり前のことなんですが(汗)、逆に雅仁の両親だからこういう特異なキャラ付けになったのではなかろうかと…。

自覚なく人の心を惑わせ掻き乱す璋子。
怜悧に見えて実は激情家で執着心の強い鳥羽院。

この二人のDNAをそっくり受け継いだ魔性の男(爆)雅仁が、次々に立ちはだかるライバル達を手玉に取りながら、やがては大天狗とも渾名される後白河法皇になる…と考えると、何か妙に納得できるような気がして、先々の展開を思い浮かべてちょっとわくわくして来たりもしています。何だったらこのまま主役の座に納まってくれても… (^_^;)

本来は主人公のバックボーンにこそ、これぐらい造り込まれた世界観があって然るべきなんですけどね。白河院の落胤と言えば聞こえはいいですが、ここまで見ている限りでは、単に反抗期にグレさせるためだけに入れ込んだんじゃないかと思うぐらい掘り下げが浅い…。もっと言えば、清盛の不良化ももしかしたら雅仁くんのキャラ付けが先にあって、それとの対比のために必要で入れただけなんじゃないかという疑いもよぎったりしています。

まあ、これは全部勝手な想像なので脚本家さんの意図するものは全く違うかもしれません。
ただ、伏線の多用はイコール逆算を意味しますから、全くの的外れということもないんじゃないかと…。


さて、次回は璋子さんもお人形から卒業!?
雅仁親王本格参戦で役目を終えた倒錯劇場にようやくピリオドが打たれる瞬間がやって来る模様です。
by kiratemari | 2012-03-10 00:28 | テレビ | Trackback | Comments(0)

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