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『平清盛』vol.3「源平の御曹司」

さて、第3回。
皆様まだ着いて来られてますか? (^_^;)

これまでの長い前振りでだいぶん離れた視聴者もいるでしょうが、源平揃い踏みの今回が正真正銘の本編スタートですよ!





 
と言いつつ、いきなり話の腰を折るようで恐縮ですが、冒頭の鎌倉パートって、どうしても入れないといかんのでしょうか?  今週分はノベライズに書かれていなかったので油断していたのですが、やっぱりそこから始めますか…。

毎回清盛賛美の演説ぶって御家人にドン引きされてる頼朝くん。
こんなのに平家が滅亡させられたのかと思うと本当にやるせない… (/_;)

ナレーターに持って来た都合上、出さざるを得ないお家事情もわからなくはないものの、さすがにここまでクドイと負の要素にしかなっていないと思います。

そもそもキャスト発表の時から大いに懸念していましたが、20代前半の俳優さんがクランクインして最初に臨んだシーンがコレというのは、まったく気の毒以外の何ものでもないでしょう。

若い時分から順を追って演じて行けば、最終的にはもう少し年輪を感じさせる雰囲気も出せるようになるかもしれませんし、視聴者側の目も慣れようと言うもの。そんなものは全部すっ飛ばしていきなり最終回(実際は少し前後するかもしれませんが)から撮ってしまおうなんて、どんだけ視聴者を甘く見ているのやら…。

どうしてもこのパターンで行きたいと言うのなら、やっぱりせめてアラフォー世代の俳優さんを充てるべきでしたし(若い時代とリレー制で)、このキャストが動かせないなら、回想の始まりを何も壇ノ浦後に設定する必要はなかったのではありませんかね。

例えば、史実にもある保元の乱以前に某酒宴で頼朝が清盛に酌をしたという場面とか、あるいは平治の乱後の伊豆配流決定時とか、なるべく本編での初登場時に近い時代から始める手もあったのではないかと…。ただその場合、主人公の清盛の方が相応の年齢に見えるかどうかというネックもありますが、そこは後姿でごまかすとか、頼朝中心の構図で意図的に清盛当人は映さないなどいくらでもやりようがあるわけで…。

まあ始まってしまってから言っても詮無いことですが、他でもない視聴意欲を左右する大事な冒頭部なれば、今からでももう少し堅実な路線を取られるのが賢明かと…。



それはさておき、ドン引きと言えば今週はやはり璋子さんでしょうか。
後年の保元の乱を語る時に決して避けては通れない「叔父子」発言。事の真偽は別としても争乱の火種の一つであったと目されていますが、よもや当事者の璋子さんの口から出て来ようとは…、予想の斜め上を行く展開にビックリしました。

『古事談』という鎌倉時代成立の説話集に端を発するエピソードで、鳥羽院が嫌悪の気持ちを込めて言ったように解釈されるのが通例ですが、今回のような形で出て来るとそれぞれの人間模様にまた違った興味をそそられますね。もちろん否定的な見方をされる方も多いと思いますが、この璋子さんのキャラクターが今後の展開のキーにもなっていますので、まずは広い心でスルーしておいていただければ… (^_^;)



ということで、そろそろ主筋に話題を向けましょうか。

西海で自称(爆)「船の警固役」を務め、海賊から 巻き上げた 取り戻した米を貧しい民に分け与えていた…ということでしたが、ノベライズでは少し様子が違っていまして…、

海賊を大立ち回りの末に退け、無事輸送の役目を果たしたところまではドラマ通りですが、その後が問題。

警固を依頼した(?)村長から「褒美」と称して半ば強奪するようにして米俵をせしめ、それを民に分け与えた…という、ちょっとえげつないようにも思える出だしから、京に連行された清盛と平家一門が再会する所では、あの時輸送されていた米はそもそも院に献上されるために運ばれていたもので、それを横取りした(褒美分)という事実を知らされて一同が青ざめるという…。

さらに、忠盛から大目玉を食らうシーンでは、退治した海賊たちが清盛への意趣返しで村を襲った…としていましたが、ノベライズでは「その村に米があると聞きつけ襲った」となっています。

いずれも大略はそう大差ないでしょうが、しかし「そこに米があるから襲った」という理由付けは単純すぎる分、逆に合点が行きやすいですし、最初に清盛たちのやり口が示されていることで、忠盛の「おまえのしたことは賊と同じだ」という言葉にもより説得力が増したように思います。

恐らくは海賊と紙一重の行動を映像で表すことをためらっての変更でしょうが、ここまで既におよそ従来のヒーロー像からかけ離れたトンデモキャラを炸裂しているのですから(爆)、迷うことなく思いっきりぶっち切って欲しかったものです (^_^;)


なお、以上の他は差異点が多かった前回に比べ、今回はわりあいノベライズ通りでしたが、1つ追加されていたのが家盛が母の宗子に桜の枝を手折ってやるシーン。

家盛の優しい気質を表すためのものでしょうが、同時にこれまで真っ白だった家盛のイメージにすっと翳りが差した瞬間のようにも感じられました。あそこで釘を刺すというのは、逆に強く意識させる方向に向かうこともあるわけで、そういう意図があったかどうかはわかりませんが、結構意味深な場面になったと思います。



でもって、今回のタイトルにも入っている源平の両雄の対決。
清盛と頼朝のこの時期の実年齢を言えば、中学生vs小学生みたいな勝負になってしまいますが、そこはまあドラマ世界のお約束、せいぜい高校生同士ぐらいに見るのが妥当でしょう(実際にこの後清盛くんは北面に就職するわけですし)。

親の代のその前から続く因縁に縛られつつ、やがて互いを認め合う好敵手となって行く王道ストーリーの序盤としては、まあこんなもんでしょうか。日ごろはクールでドライな義朝、その彼をカッカと熱くさせてしまう唯一の存在ともいえる甘ちゃん清盛のキャラクター付もはっきりしていますし、さらにここに今回より登場の佐藤義清も加わり、中々面白いトライアングルを形作って行きますよ。


ということで、まずは平家、王家とその近臣、そして源氏と少しずつ世界を広げて来て、次回はいよいよ摂関家が満を持して本格参戦。

特に忠実さんの食えなさぶりにどうぞご注目あれ!
(ただしノベライズ通りならですが…)
by kiratemari | 2012-01-25 20:38 | テレビ | Trackback | Comments(2)
Commented by ともp at 2012-01-29 12:32 x
おはようございます。

今日はもう第4回目ですね。本放送時はながら見だったので、細かいところはよくわからず、再放送でちゃんと見てから感想を書こうと思ったのですが、忙しくて再放送を見る余裕がなかったので軽い感想を書きたいと思います。

冒頭まだ工事現場なのには驚きました。せいぜい1,2回と思っていました。いつまで工事現場なのでしょうね。でも逆にいつまで工事現場が続くのか楽しみにもなって参りました。

ところで、満9歳のしかも白河院近臣の娘の子である義朝君を鳥羽院の北面の武士にと推挙することってあるのでしょうか?『平清盛』でどれだけ義朝君に時間をさくのかわかりませんが、私は白河院所縁のせいで廃嫡されたと思っていたので、このあとどういう流れで義朝君が関東にいくのかちょっと楽しみです。

あと鳥羽院と待賢門院様(壇れいさんの美しさに、つい『様』をつけてしまいます)の壊れ方には唖然としました。いいのかなあ…。讃岐典侍日記の『ほ文字り文字』の幼気なお子様はどこにいってしまったのか…。

ところで上西門院の配役が決まりましたね。待賢門院のお血筋は宝塚なのでしょうか?八条院はどなたになるのでしょう?

それでは失礼いたします。
Commented by 手鞠 at 2012-01-29 22:28 x
ともp様、こんばんは~♪
拝見するのが遅くなり、第4回目放送後になってしまいました。

その第4回には工事現場は登場しませんでしたね(笑)。
第3回のも初回の使い回しのようでしたので、もしかしたら尺調整のためにやむなく入れ込んだとか?(←絶対違いますよね)

このドラマでは実年齢のことはひとまず忘れましょう。
そこにこだわってしまうと先に進めなくなりますから…(^_^;)
とりあえず清盛と義朝の年齢差もせいぜい1~2歳と脳内変換して見ております。

義朝くんの関東行きの話は次回くらいに出てくると思います。まあ、大した前提もなくあっさりと…ですが、そこはまあ、主人公ではないのでしょうがないかと…。

上西門院さんも出るというのは朗報ですが、しかし「なぜ彼女が?」という思いの方が強いですね。やっぱり親御さんのご威光の賜物でしょうか。和物の経験が璋子さん以上に少ないので、所作なども含めかなり不安要素大ですけど… (~_~;)

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