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げに恐ろしきは女の執念?―『義経』vol.16「試練の時」

今回は時間軸の設定が行ったり来たりと、かなり目まぐるしく、頭の中もかなり混乱。
   還都決定 ……1180(治承4)年
   亀の前事件……1182(寿永元)年
   馬牽き事件……1181(養和元)年

ついでに言えば、清盛の死去が治承5年=養和元年の閏2月ですから、いかに無茶苦茶なことになっているか…(^^;)
一応、正しい流れに沿って並べてみますと、
     1180(治承4)年  還都決定→南都焼討(来週?)
     1181(養和元)年   →清盛死去→馬牽き事件
     1182(寿永元)年    →政子の頼家出産→亀の前事件

ということで、今回もまずは平家話から始めましょう<分量も少ないし(笑)

妖●丹後の毒気に完全に冒されて、大天狗(?)と化しつつある法皇様。その法皇様に簡単に手なずけられ、清盛に還都を奏上するものの一蹴され、自分は法皇様の御落胤では?との思いっきり的外れな妄想にふける宗盛。
これは『源平盛衰記』にある、実は宗盛は傘張りの子と取り替えた子だと時子が告白したという逸話を下敷きに、清盛の白河院御落胤説を混入させたような奇妙な話ですが、こういう設定をわざわざ組んだということは、今後も、何らかの影響を及ぼすのでしょうかね(ただの思いつきとか言わないでよー)。

宗盛の奏上はひとまず退けたものの、後日、一門の家族会議で、改めて還都の是非を諮問して、図らずも1名(時忠さん)を除く全員一致の意見で、やむなく「還都」を決定せざるをえなかった清盛。余命数ヶ月を切って、どんどん影が薄くなって来ていますね。
夢の都「福原」も、結局、あの館から臨む遠景以外は映像で見られることもなく、次回はもう京に戻ることになるのでしょうか。

それにしても、徳子の中宮立后以来、全く出番のない高倉上皇(こちらも余命あとわずか)に、安徳天皇も東宮時代?の赤ちゃんしか記憶にありませんが…。以前、菊見の宴で輔子さんが近況を報告するシーンはありましたが、そういう所をセリフで済ませてしまわず、映像で見せて欲しいのですよね(怒)。

さらに、門脇中納言教盛、修理大夫経盛に至っては、ここまで出て来ないとなると…、今さら、無名俳優さんでの登場もないと既に諦めモードですが、壇ノ浦までの合戦で、実質、知盛に次ぐ司令官の任にあったこの二人を無視しても、その子の教経や敦盛は、エピソードの関係上、しっかり登場させるんでしょうね。




 
それでは、お待ちかね(?)の源氏側のお話へ。

まずは、亀の前の事件ですが、これに関しては、一つ重要な事柄がドラマでは抜け落ちていました。この事件発生の時期が、政子が後の二代将軍頼家を出産した直後であったということです(今回はいったいいつ頼家出産となるのか?)。

自分の懐妊中に、頼朝が浮気していたことを義母の牧の方に耳打ちされ、怒った政子が、牧の方の兄牧宗親に命じて、亀の前の住む伏見冠者廣綱の屋敷を破却(=打ち壊す)させたというのが『吾妻鏡』の伝える所ですが、この「懐妊中の浮気」という前提が、あるのとないのとでは、下手すると印象も真逆に。しかも、ドラマでは「焼き打ち」というおどろおどろしい行動に出るものですから、あの激しい嫉妬ぶりと相まって、夜叉のような陰鬱なオーラに包まれた政子像は、ホラー映画並の怖さ…。

これに比べると、同じ破壊行為とはいえ、「打ち壊し」を命じた史実の政子は、もちろん、激しい気性の持ち主ながら、大らかな東国の気質そのままに、どこか痛快に思える面もあり、この事件そのものも、スケールの大きな夫婦喧嘩と、笑い話的に受け止めることもできるのではないでしょうか(少なくとも、笑えないラブ・コメを連発するより、よっぽど、リアルで面白いはず!)

ところで、ドラマではここまでしか取り上げられず、焼け跡に哀愁たっぷりにたたずむ頼朝の図で、一応の決着を見ていましたが、実際は、この後さらに、二転三転のドタバタ劇が続きます。

まず、政子のやらかしたことを知った頼朝が逆ギレして、打ち壊しを実行した牧宗親を詰問した挙句、彼の髻を切り落とすという報復行動に出ます(頼朝もただのマスオさんではなかったということです)。この時代、髻を切られることは、死をも意味する不名誉なことでしたから、今度は、これに怒った牧の方に焚きつけられて、時政が手勢を連れて伊豆に引き上げてしまい、鎌倉は一時「時政謀反!?」と騒然となる事態にまでに発展しているのですが、ドラマではその辺りのことは完全スルー。これでは、いったい、何のために「牧の方」を登場させる必要があるのか…。ただの「告げ口」係だけなら、手古奈とかいう侍女で十分のような気もしますのにね。

それと、ついでながら、頼朝と亀の前の関係は、この事件の後もまだまだ続いています(亀ちゃんがおとなしく伊豆に帰ったなんてとんでもない!)。これには、もちろん政子の腹の虫も治まらず、やがて、その怒りの矛先は、前に住んでいた館の家主の廣綱に向けられ、何と遠江国に飛ばされてしまうという余談も(館はぶっ壊されるは、流されるは…と散々)。全く、はた迷惑な夫婦でございます。


そして、いよいよ、今週のメイン・イベント!? 史実の流れで行けば、亀の前事件よりも一年前に起きている馬牽き事件。

その前に、頼朝も政子も、突如、お公家スタイルに変身。先ほどの角突き立てた猪とは打って変わって、冷静沈着な女宰相ぶりを演出する政子殿ですが、あまりに嫉妬心をあからさまに表現した前半の印象が強すぎて、いくら目先を変えた所で、義経が静とイチャイチャしているのが気に入らなくて、その腹いせで、頼朝にいらぬ進言をしたんじゃない?という風にも映ってしまうのですよね。

そもそも、義経に人を惹きつける魅力があるから危険…ということを表現する一環として、政子が一目ぼれ(?)する設定を挿入したのが、今さらながら、蛇足でしたね。そんなことをしなくても、富士川の合戦の際に、即効でファンと化していた(笑)弟の義時や、今回から登場の梶原景季などの若い武将達が、自然に義経の元に集まるようになり、その和気藹々としている情景を政子や景時が垣間見て、将来への危惧を抱く…など、いくらでもやりようがありそうなものを…。

それと、亀の前事件でもそうですが、政子の暴挙をクローズアップする一方で、頼朝がアクションを起こす場面は悉くカットされているため、どうしても優柔不断男の印象が拭えず、この後の馬牽きの件も、政子や時政の意向には逆らえないから、本心はそうでないが仕方がない…と、義経に目で訴えかけているように見えたのも少し気に掛りました。

ということで、そろそろ問題の馬牽き事件に行きましょうか。
大工に贈る馬の手綱を牽く役目を頼朝から仰せつかった義経。「本来は鎌倉殿の弟がすることではない」とナレも言ってはいましたが、これがまた、そうとは思えないシチュエーション。
何しろ、居並ぶ御家人の最後尾に座らされる新参者ですからね。そう考えると、一緒に馬を牽く人物として、土肥実平の名前も挙がっていることでもあり、決起以来の有力御家人の一人で、今後の合戦でも、常に大将格で出陣する(今回はどういう扱いか知らないけど)土肥実平でさえ、有り難く拝命するお役目となれば、試練も何も、むしろ「光栄なのではないの?」と嫌味の一つも言ってやりたくなります (^^;)

ドラマでの義経は逡巡した挙句、頼朝の「目は口ほどに物を言う」光線をキャッチして(笑)、潔く立ち上がっていましたが、実際は、そんな格好のよいものではなかったようです。
馬牽きというのは、通常、二人一組で行うものですから、義経は自分に見合う相手がいないと、一旦は断りを入れるのですが、これを聞いた頼朝が激怒。その凄まじい怒り方に、義経も急に顔を蒼くして、慌ててその任に就いたという体たらく…。

もっとも、義経ドラマである以上、この程度の脚色は不問に付すべきなのでしょうけど、あんまり義経を立派に描き過ぎると、後へ行くほど、彼の行動についての言い訳は、どんどん苦しくなって来ますからね。何事もほどほどにしておいた方が、身のためだと思うのですが…。<誰の心配をしてるのやら(笑)

さ~て、次週は義経の縁談話と静との別れ、それに、弁慶の色恋沙汰がメインのようですが(あのベタなサブタイトルは何とかしてくれ!)、私の注目は、やっとこそ来たか…の 重衡の勇姿!!!
と言っても、内容が内容だけに、必殺「お徳婆ナレ攻撃」で、わずか1分で終了!の可能性も大ですけど…<悲しいが、私の予想は結構当たるんだな~(-_-;)
by kiratemari | 2005-04-27 20:04 | テレビ | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from えりかの平安な日々 at 2005-04-28 17:02
タイトル : 大河ドラマ「義経」第16回&ちょっとつっこんでみました
大河ドラマ「義経」第16回の感想です。  今回の見どころはやはり、「馬を引け!」だと思いました。  頼朝が、義経に馬を引かせようと決心させた裏には、時政と政子の進言があったのですね。特に政子の「殿は嫡流、九郎は庶流」という言葉は頼朝の身にしみたのではないでしょうか。  そう言えば第10回の放送で、頼朝はそのことを政子に話していたのですよね。  そして当日、「九郎義経、馬を引け!」と頼朝から言われたときの義経の何とも言えない表情と間が印象的でした。  頼朝は義経に馬を引かせることによって、「そな...... more
Commented by えりか at 2005-04-28 17:53 x
 手鞠さん、こんにちは♪いつも、トラックバックをして下さりありがとうございます。少し遅くなってしまいましたが、私の方からも送らせていただきました。

 手鞠さんの大河ドラマの感想、今回も興味深く拝見しました。今回は、本当に年代がめちゃくちゃで、私も混乱してしまいました。

それに、事件そのものの描き方にも疑問が多かったです。
 特に政子と亀の前の事件、政子が亀の前の家を壊したあとにそんな後日談があったのですね。ドラマでは亀の前が伊豆に帰っただけで終わってしまいましたけれど、そんな面白い後日談があるならドラマでもしっかり取り上げて欲しかったと思いました。あれだけでは、亀の前があまりにもあっさりしすぎていますし、手鞠さんのおっしゃるように牧の方はただ告げ口しただけになってしまいますよね。何よりも政子のイメージが悪すぎます。義経中心のドラマだから仕方がないのかもしれませんが、この事件に関しては史実通りきちんと描いてくれた方が面白かったように思えます。

 重衡さんの活躍がきちんと描かれるかどうかは、私も気になっています。でも、やっぱりナレーションだけですまされてしまいそうですね。では、では。
Commented by kiratemari at 2005-04-28 19:45
えりかさん、いつもTB&コメントありがとうございます。
今回はとにかく、すっちゃかめっちゃかの展開で…、なまじ予備知識があると、ちょっとしたパニックに陥ります。
亀の前の事件については、むしろ、後の話の方が頼朝&政子の見せ場のように思われるのに、見たい部分を悉くカットしてくれるN●K様(怒) ですから、重衡についても、多くは期待しないよう、自分自身に言い聞かせて臨むつもりではいますが…。

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