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1300年の都-唐招提寺

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さて、東大寺~春日大社~興福寺とめぐった後は近鉄奈良駅前よりバスで西ノ京へ。

そのまま近鉄電車を利用しても良かったのですが、この日は奈良交通のバスも乗車OKのチケットを持っていたのと、乗り換えなしで行ける(電車は大和西大寺で乗り換え要)便にちょうど時間が合ったこともあり、バスを選択してみました。


ということで、やって来ましたのは「唐招提寺」。
昨年秋より何かと話題のお寺ですね(ドキュメント混在のドラマもありましたし)。

公式ページの こちらの境内図 を参照していただくとイメージしやすいかと思います。




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まずは入口の「南大門」。
昭和35年(1960)の再建です。



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頭上に掲げられている「扁額」は孝謙天皇(称徳天皇)の手によるものとされていますが、今現在掲示されているのはレプリカで実物は講堂内に収蔵されているとのことです。



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南大門をくぐって真正面に現れるのがこちらの「金堂」(っていうか入る前から見えてますが)。
平成12年(2000)から10年の歳月をかけて行われた平成の大修理が完了し、昨年11月1日に落慶行事が行われたばかり。

創建から1200年を超える長い年月が経つ間に、幾度となく大きな修理が繰り返され、外観などは多少変化している部分もあるようですが、概ねベースは奈良時代の創建当初のまま。
もちろん国宝に指定されております。



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金堂の内部には本尊・廬舎那仏坐像を中心に、右に薬師如来立像、左に千手観音立像が安置されていますが、金堂内に立ち入ることはできず、外から拝する形に。
しかし、ハト避けのために張られた金網越しですので非常に見づらいのが難です。





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金堂の屋根を飾る「鴟尾(しび)」。
二つあるうちの西側の方は平成の大修理前は奈良時代の創建当初のものでしたが(東側は鎌倉時代に作り直されたもの)、今回の修理で著しい劣化が認められたことから二つとも新調され、元にあったのものは現在、新宝蔵で保管展示されています。
しかし、ここにも早速鳩の糞害と思しき痕跡が…。




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金堂を背後から。
これを撮った側にあるのが「講堂」です。




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こちらも国宝で、平城宮の東朝集殿を移築・改造したものとされています。
この内部にも本尊弥勒如来坐像(重文・鎌倉時代)を中心に、持国天、増長天立像(重文、奈良時代)など、多くの仏像が安置されています。

本来、寺院の造営ではまず本尊を納める金堂(本堂)を建て、次いで教えを講義する講堂を建てるのが流れですが、開基の鑑真は戒律を伝え、授戒できる人材の育成を求められ来日したわけですから、その教えを説く場が真っ先に必要と考え、先に講堂→金堂という流れになったようです。



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金堂と講堂の間に建つ「鼓楼」。
背後に見える横長の建物は講堂ですが、繋がった一つの建物ではなく、あくまでも独立しています。
「鼓楼」は鎌倉時代に建てられたものでやはり国宝。
堂内の厨子には仏舎利を収めた金亀舎利塔(国宝)が安置されているそうです。




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寒空の下、数少ない彩りの椿の花。




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さて、講堂の裏手の方に回りますと、こういう素朴な趣きのある土塀が連なる通りに。
この土塀の内側については、昨年9月に訪れた際の写真でご紹介を。




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「開山御廟」、つまり鑑真の墓所です。
遠き異国の地に眠る和上への慰めにと先ごろ故郷の揚州から瓊花(けいか)が贈られ、この墓所の傍らで毎年初夏の頃にガクアジサイにも似た白い可憐な花を咲かせるそうです。
次回訪問する時は是非その頃に合わせたいものと…。




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開山御廟の周辺は紅葉の木が多く、秋もまた風情ある景色が楽しめそうです。
となると、秋にも来ないと…、いや、蓮の花が咲く頃も良いらしいと聞くし、これは困った!


ところで、唐突に昨年9月に訪問済みという話を出しましたが、その時のお目当てはこちら。




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萩の花。
昨年は花の時期が早く、気づいた時にはほとんど終了で、ここ唐招提寺とお隣の薬師寺ぐらいしか見頃の箇所がなくなっていて、慌てて出掛けてみたのですが、やはり遅かったようで既にほとんど萎れかけの状態だったもので、特にこちらでご紹介することもなくお蔵入りとなっていました。



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アップにすると花の褪せなど気になるのでなるべく遠めに。



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こちらのバックにかすかに写っているのは「宝蔵」。




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正倉院に似た校倉造の建物。
唐招提寺創建にあわせて建立されたといわれ、これも国宝です。




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こちらは宝蔵の隣にある「経蔵」。
宝蔵より一回り小さく、元々は新田部親王邸(その跡地に唐招提寺を造営)の「米倉」だったものを改造したものといわれ(つまり創建以前からあるもの)、唐招提寺で最も古く、日本最古の校倉とのことです。これももちろん国宝。


しかし、どこを向いても国宝だらけ。
境内そのものが巨大なギャラリーのようですね。
それにしても、1000年という途方もない年月を軽く超えて、それでもなおも現役でい続ける木造建築の意外な強靭さ。人も同じでしょうが、日ごろのお手入れがいかに大事かということですね。





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奥に見えるのが、左が宝蔵、右が経蔵。
左手前の建物は「礼堂」(鎌倉時代・重要文化財)です。




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これでまだ半分ちょいという非常に長い建物で、講堂から出てくるとちょうど突き当たる所に馬道(めどう)と呼ばれる通路が通っています。




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そして、こちらは伽藍群からは少し離れた場所にある「戒壇」。
僧となるための授戒が行われる場所で、戒壇院の建物は江戸時代末期に焼失して以降再建されないまま今日に至り、今も3段の石壇が残るのみ。

石段の上にある宝塔は昭和53年(1980)にインドの古塔を模して建てられたものだそうです。




この他にあと、あの鑑真和上坐像(国宝)が安置されている「御影堂」もありますが、そちらは通常非公開のため割愛。例年、鑑真の命日にあたる6月6日前後に特別公開が行われているようです。




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ということで、再び金堂。
こちらは落慶前の昨秋に撮ったものですので、扉は閉められたまま。

それにしても、この時は訪れる観光客もまばらで閑散とした雰囲気でしたが、さすがに大修理明けで話題の寺院だけに、この日は打って変わって大賑わいでした。遷都祭が始まるとさらにまた人出が増えることでしょうね。



【このページの写真は平成22年1月24日および平成21年9月27日に撮影したものです】



《メモ》
  唐招提寺 【地図】
   奈良市五条町13-46
   TEL:0742-33-7900
   拝観料… 一般600円、中高生400円、小学生200円
   拝観時間… 8:30-17:00(受付は16:30まで)
by kiratemari | 2010-02-12 19:07 | ├奈良 | Trackback | Comments(2)
Commented by ぶーふーうーの母 at 2010-02-13 10:46 x
お久しぶりです。歌舞伎座のチケットを取るのにPCに貼りついています。なかなかつながりません(涙)。
3月に奈良に行きます。手毬さんみたいに素敵な写真撮りたいです。
Commented by 手鞠 at 2010-02-13 23:01 x
ぶーふーうーの母さん、こんばんは~♪

チケット取れました?
PCから購入できるのは体力的にはとても楽ですが、繋がるか繋がらないかのあの緊迫感。精神的にはちょっとしんどいものがありますね

3月の奈良と言うとお水取りですね。一転して奈良の町も活気付いて来る時期ですし、楽しい奈良訪問になるといいですね

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