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善峯寺の紫陽花

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もう二週間以上前の話をまだグダグダと続けておりますが(汗)、石山寺→法金剛院に続く紫陽花めぐり三ヶ所目です。

京都で清水寺や八坂さんなどのある界隈を「東山」と呼びますが、ここでご紹介する善峯寺があるのは「西山」。文字通り京都盆地の西側に連なる山間にある古刹です(長岡京の北西・大原野)。

平安時代後期の長元2年(1029)創建、長元7年(1034)に後一条天皇から「良峯寺」の寺号を賜り、鎌倉時代に入ると『愚管抄』の著者として知られる慈円が住持したこともあり、後鳥羽上皇より賜った直筆の寺額により「善峯寺」と改められたという謂れを持ちます。



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山門に「西山宮門跡」と掲げられていますが、これは慈円以降定着した流れなのか、青蓮院の門跡が入山する例が多かったためのようです。なお、この楼上に安置される本尊の文殊菩薩と脇侍の金剛力士の像は運慶作で、源頼朝の寄進と伝わっているようです。

ということで、前置きはこのくらいにして、お目当てのあじさい苑へ。
幸福地蔵の祀られる楼閣から下を見下ろせば、谷間には一目何万株(?)のブルーやピンクの紫陽花が咲き乱れる絶景が!



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(この画像の拡大表示は こちらをクリック のこと)
桃源郷ならぬ紫陽花の秘境に迷い込んだよう…。

続いて下の石畳に降りて散策します。




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紫陽花の名所として名高い宇治の三室戸寺では木立の中に密やかに咲く…という風情でしたが、ここ善峯寺では絶壁のような場所に咲いている花を含め、どこからでもお日様の光を浴びられるようなとても明るくオープンな印象を受けます。でも、この日は曇天でしたのでさほど影響はありませんでしたが、快晴の下ではせっかくの花の色も飛んでしまいそうですし、何より花も見て回る人もくたびれてしまいそうな気が… (~_~;)



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こちらの洞窟みたいなのは「白山名水」。
開祖の源算上人が写経のための墨を磨るのに用いたという浄水が湧き出ています。



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(この画像の拡大表示は こちらをクリック のこと)

そして、谷間から山側へずっと登って行くと、先ほど花を見下ろしていた楼閣を逆に見通せるポイントに。この日の紫陽花は全体的にまだ少し時期が早くて、色付きもまだ淡いようでしたが、それでも初見の目には十分すぎるぐらい美しかったですよ。




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さて、あじさい苑を過ぎて奥の院へ。
高台の眺望の良い場所に「けいしょう殿」という額の掛かったお堂があります。




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徳川五代将軍綱吉の生母・桂昌院の像。
犬公方様のお母上だけに傍らには戯れる子犬の像も。

京都の八百屋の娘として桂昌院は、幼少の頃から幾度となく善峯寺に参詣しており、その縁から将軍生母となると莫大な寄進をして衰退していた寺の復興に尽力したと言います。

なお、桂昌院の元の名は「お玉」と言いますが、将軍生母にまで上り詰めたまさに「玉の輿」の彼女の幸運にあやかろうという参拝者も多いそうですよ (^-^)/




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善峯寺は標高300m辺りにあり抜群の眺望。
京都中心部の京都タワーや駅ビルなども見て取ることができます。



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奥の院の薬師堂の裏手にある蓮華寿院庭。




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アオモリガエルの卵泡。



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こちらは釈迦堂の前に咲いていたちょっと儚げな雰囲気の「白蝶草」。




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これは南天の花?




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絵馬堂(経堂)と桂昌院お手植えと伝わるしだれ桜。




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(この画像はクリックで拡大表示可)
「日本一の松」という「遊龍の松」。
天然記念物にも指定されている樹齢600年の五葉松で、かつては54mもあったそうですが、松くい虫の害により15m余り切ったとのことです。



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(この画像はクリックで拡大表示可)
あまりに大きすぎてどうやっても画面に収まりきりません (^^ゞ




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先ほどの桂昌院の桜と絵馬堂、そしてその奥に重要文化財の多宝塔。



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ずっと下って、最初の山門上がってすぐの「観音堂」の傍らにある池。
この左手に寺宝館があり、桂昌院ゆかりの品々なども展示されていました。


ということで、今回はあじさい苑が目当ての訪問でしたが、こちらの本番はやはり春の桜と秋の紅葉。ただ、市街と比べると交通の便が悪く(バスが1時間に1本あるかないかみたいな)、道幅も狭くて車のすれ違いに困るような箇所がいくつかありますので、一旦大渋滞となるともうにっちもさっちも行かなくなりそうな心配も…。
ここは朝一に車を出してもらうのが無難でしょうかね (^_^;)


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【このページの写真&動画は平成21年6月20日に撮影したものです】



《メモ》
  西山 善峯寺 【地図】
   京都市西京区大原野小塩町1372
   TEL:075-331-0020
   拝観料… 一般500円、高校生300円、小中学生200円
   拝観時間… 8:00-17:00(受付は16:30まで)
by kiratemari | 2009-07-06 23:40 | ├京都 | Trackback | Comments(0)

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