粉河寺の桜
さて、和歌山城を後にして、お次は紀ノ川沿いにさかのぼって東へ。
紀の川市粉河にある「粉河寺」へとやって参りましたが、ここでとうとう雨に降られてしまいました。
境内の入口に建つ「大門」(重要文化財)。
宝永4年(1707)建立。
筋骨隆々の凛々しい仁王様 (^^ゞ
大門をくぐると参道脇にずらっと桜の木が立ち並びます。
そして、もう一つの門の「中門」(重要文化財)。
天保3年(1832)建立。
こちらの門は左右表裏に四天王が安置されています。
粉河寺の山号は「風猛山」。勇ましい名前ですね (^^ゞ
奈良時代末期の宝亀元年(770)に大伴孔子古(くじこ)によって創建されたとされる古刹ですが、草創の縁起を記した『粉河寺縁起絵巻』が国宝に指定されており、そちらの方で耳にする機会が多いかもしれませんね。
『枕草子』や『梁塵秘抄』などにも霊験あらたかな寺の一つとして挙げられているようで、平安時代には朝廷や貴族の間でその名は浸透し、やがて西国三十三箇所観音霊場巡りの札所が置かれるに至ります。
鎌倉時代には七堂伽藍、五百五十ヶ坊を有する広大な寺領を誇ったという粉河寺。
しかし、戦国時代に入って、天正13年(1585)に豊臣秀吉の紀州攻撃によって堂塔伽藍は無残に焼け落ち、『粉河寺縁起絵巻』もかなりの部分に焼損を負うことに。
現在の伽藍は紀州徳川家の庇護を受け、江戸時代中後期に再建されたものになります。
丈六堂。
本堂(重要文化財)。
享保5年(1720)上棟。
西国三十三ヶ所の寺院の中では最大級の堂とか。
その本堂から振り返るとやはり一面の桜の風景。
本堂の傍らにある六角堂。
その前には土地の豪族・湯浅宗永が本尊の千手観音のおつげに従って植えたという湯浅桜があります。
湯浅宗永は平治の乱の際に熊野詣から京へ取って返す平清盛に加勢した湯浅宗重の父であり、また鎌倉時代の高僧・明恵(京都の栂ノ尾高山寺の開山)は曾孫に当たります。
奈良時代の創建以前からここにあったといわれる大楠。
とすると、樹齢はゆうに千年超???
本堂裏にある産土神社へと続く参道の鳥居。
龍宮造の築地門が目を引く「十禅律院」。
平安時代に粉河寺の塔頭として「十禅院」の称で創建されましたが、江戸時代後期に時の紀州藩主・徳川治宝によって天台宗の寺院に改宗されて、名前も「十禅律院」に改められたとのことです。
千手堂(重要文化財)。
宝暦10年(1760年)建立。
秘仏の本尊千手観音立像が安置され、昨年10月に217年ぶりに開扉されたそうです(1ヵ月間のみ)。
国の名勝に指定されている桃山時代の石庭「粉河寺庭園」。
庭というイメージとは少し異なる趣きですが、巨石を縦横無尽に配して実に豪快なお庭です。
そして、帰り際に中門を振り返って…。
桜の薄紅に椿の鮮烈な赤の彩りも加わりいっそう華やかに。
ということで、雨の中のことですから、ほとんど駆け足で見て回った程度ですが(本堂内陣の拝観もせず)、さすがに桜の名所に挙げられているだけあって、たくさんの桜を見ることができました。お天気のせいか拝観者が少なかったのも幸いで… (^_^;)
晴天下ではこうは行かないでしょうね。
【このページの写真&動画は平成21年4月4日に撮影したものです】
《メモ》
粉河寺 【地図】
和歌山県紀の川市粉河2787(JR和歌山線「粉河駅」下車徒歩10分)
TEL:0736-73-4830・3255
拝観料… 境内自由、本堂内陣拝観300円
拝観時間… 8:00-17:00
by kiratemari
| 2009-04-12 19:46
| └和歌山
|
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Comments(2)
Tracked
from 妄想大さじ5杯
at 2012-11-11 22:43
タイトル : 粉河寺の桜 5
粉河寺から駅に戻ると電車が来るまで少々時間がありました。 暇つぶしに川沿いリバーサイドに向かったのです。 久しぶりだな、きしゅう君。 相変わらずムカツク顔してやがる。 困ってしまってワンワン鳴いてろダボがッ! 2012年の桜はこれにておしまい 前回の記…... more
粉河寺から駅に戻ると電車が来るまで少々時間がありました。 暇つぶしに川沿いリバーサイドに向かったのです。 久しぶりだな、きしゅう君。 相変わらずムカツク顔してやがる。 困ってしまってワンワン鳴いてろダボがッ! 2012年の桜はこれにておしまい 前回の記…... more
初めまして、和歌山見所.netに管理人をしています。ワルの和歌山特集といたしまして、粉河寺と桜のページを作っております。ブログを拝見させていただき参考になりました。ブログの紹介もさせていただきます。
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和歌山見所.net様、初めまして!
書き込みどうもありがとうございます。
リンクを貼っていただいたページを拝見させていただきました。
粉河寺の他にも和歌山の桜の名所のお写真をたくさん載せられていて素敵ですね。
桜の時分は中々和歌山の方までは足を伸ばせずにいますが、機会があればそちらの記事も参考にさせていただきつつ、また訪ねたいと思います (^-^)
書き込みどうもありがとうございます。
リンクを貼っていただいたページを拝見させていただきました。
粉河寺の他にも和歌山の桜の名所のお写真をたくさん載せられていて素敵ですね。
桜の時分は中々和歌山の方までは足を伸ばせずにいますが、機会があればそちらの記事も参考にさせていただきつつ、また訪ねたいと思います (^-^)
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