安倍文殊院
1月も終わりという段になって、思いっきり「今さら…」な話で恐縮ですが(汗)、これも1月12日の長谷寺&談山神社参りの続きになります。
談山神社からバスで桜井駅へ戻る道すがら、せっかくなので途中下車をして少々寄り道をすることに。多武峰と桜井を結ぶ街道沿いには古寺旧跡がいろいろあるのですが、時刻が午後3時を過ぎていたこともあり、ほとんど街中に近い所まで戻ってから散策をスタート。ちょっと山を降りただけで雪のゆの字も見えない有様。おかげで足取りは軽々~ (^^ゞ
こちらは談山神社の大鳥居。
北の入口に当たる一の鳥居になります。
1724年(享保9)に建てられたもので奈良県指定の重要文化財。
上之宮遺跡(うえのみやいせき)。
聖徳太子が幼少期から青年期を過ごしたという「上宮(かみつみや)」の跡ではないかと見られています。住宅街のど真ん中にありますので、ごく普通の児童公園かと思って通り過ぎそうになりました(汗)。しかも逆光で写真がひどい…(>_<)
そして、さらにてくてく歩いてやって参りましたのが「安倍文殊院」。
こちらは表山門になります。実は途中で道を間違えて裏側の東山門から入ってしまったもので(汗)、これは帰り際に撮ったものです。
山門の傍らに大きく「下馬」と刻まれた石が据えられていますが、これは文字通り「ここで馬から下りる」場所を意味しています。「下馬評という言葉がありますが、貴人方のお供をして来た従者達がこの辺りで主人の帰りを待ち、その間に繰り広げられる一種の井戸端会議で挙がる評判うんぬんが語源のようです。
こちらが本堂。
安倍文殊院は「大化の改新」で左大臣に登った安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安倍一族の菩提寺として建立したもので、その子孫に当たる安倍仲麻呂や安倍晴明にとってもゆかりのお寺。
本尊は寺号の通り「文殊菩薩」で、丹後宮津にある智恩寺の「切戸文殊」、奥州亀岡・大聖寺の「亀岡文殊」(山形県高畠町)と並び「日本三文殊」に数えられています。境内は拝観自由ですが、件の文殊菩薩を間近で拝むには拝観料700円が必要。通常はお抹茶付きですが、新春の間はお抹茶に替り、念珠をいただけます。
安倍晴明ゆかりのお寺らしく五芒星の晴明桔梗紋入り。
青や黄、ピンク、透明など何種類かあってちょっと迷ったのですが、無難な感じの緑に落ち着きました (^_^;)
その本堂の斜め向かい側に文殊池があり、その畔に建つのが「仲麻呂堂」こと金閣浮御堂。
昭和60年(1985)に建てられたもので、堂内には本尊の弁財天と共に仲麻呂や晴明の像も安置されているそうです。
浮御堂からさらに奥へ進むと境内社の白山堂へ。
室町時代に安倍山の鎮守として建てられた御堂で、重要文化財に指定されています。
日本最古の縁結びの神様が祀られているのだとか。
白山堂の右手に聳え立つ「合格門」。
この門は松で作られていて、一足先に合格門をくぐり合格を「まつ」という縁起物だそう (^^ゞ
合格門をくぐって石段を登っった先にあるのがこちらの「晴明堂」。
かの陰陽師・安倍晴明の出生地が安倍文殊院とする説もあるそうで(大阪阿倍野の安倍晴明神社の方が有名ですが)、その晴明を祀る御堂です。
正面に据えられている黒い玉石は「如意宝珠」。
読んで字の通り「意のままに宝をもたらす珠」であらゆる願いを自在に叶えてくれるのだとか。
具体的には魔除け、方位除けのご利益がいただけるそうです。
そして、この晴明堂の前に広がるのが、安倍晴明が天文観測を行った場所とも言われる展望台。眼下に広がる干支をあしらったジャンボ花絵が圧巻です。
(この画像の拡大表示は こちらをクリック のこと)
黄色や白のパンジーで描かれた今年の干支「丑」に、ハボタンでかたどった「合格」の文字。
知恵の神・文殊様だけに、合格祈願に訪れる受験生が多いお寺ならではの演出ですね。
なお、この花絵は年賀状の素材に使いたいという要望も多いようで、例年、花絵は前年の12月初めに作成され、ホームページ からも画像をダウンロードできるようになっています。
花絵に気を取られがちですが、遠方へ目を移すと真正面に二上山、左手に葛城山も見える中々の眺望です。
ということで、境内には他にも特別史跡に指定される文殊院西古墳(↑の動画に入っています)など見どころの多い安倍文殊院。
ジャンボ花絵も4月半ば頃まで引き続き見られるそうで、今は寒々しいばかりの背後の枯れ木が満開の桜の花で彩られる4月上旬の風景がまた素晴らしいようです。
もし都合がつくようなら、是非その頃にまた再訪したいものと… (^o^)/
【このページの写真&動画は平成21年1月12日に撮影したものです】
《メモ》
安倍文殊院 【地図】
奈良県桜井市阿部645
TEL:0744-43-0002
本堂拝観料… 一般700円・子供500円(抹茶付き)
拝観時間… 9:00-17:00
by kiratemari
| 2009-01-31 21:44
| ├奈良
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