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緑の苔生す祇王寺の庭

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京都奥嵯峨にある祇王寺。
もうかれこれ20年ぶりぐらいの再訪になります。

祇王寺は『平家物語』に名高い祇王・祇女ゆかりのお寺として知られていますが、この奥嵯峨の界隈にはかつて法然の弟子・念仏坊良鎮が創建した伝えられる「往生院」があり、祇王や祇女の庵室もその子院の一つでした。

しかし、往生院は中世以降荒廃し、江戸時代に再興されますが、その時に往生院の名は消え、「祇王寺」となったのでした。これも当時の人々の心の中に『平家物語』が深く根付いていた証拠でしょうか。

その後、江戸時代末期に再び衰退し、明治初期には廃寺ともなりますが、墓や木像の管理にあたっていた旧地頭大覚寺の門跡・楠玉諦師が再興を計画し、これに祇王の物語に深い感銘を受けた元京都府知事・北垣国道が賛同して、嵯峨にあった自身の別荘の茶室を寄贈。その建物を本堂として明治28年(1895)に復興され、現在に至ります。

ということで、祇王寺は創建時は法然門下の浄土宗でしたが、今は真言宗の大覚寺塔頭。
その関係から大覚寺と祇王寺はセットで拝観すると200円お安くなる共通券も発行されていますので、できれば同時に訪ねておきたいところです (^^;)



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祇王寺へ向かう参道。
この緑のアーチの先に広がるのは、さらに深い緑の世界…。



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真夏の強い日差しも遮る緑の紅葉の天蓋。
地表を覆う瑞々しいばかりの苔。
そこに洩れ差し込む光が巧みに作り出す陰影。

「緑」という言葉一つではとても表現し切れない色彩の多様さに、思わずじっと見入ってしまいました。




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なぜか入口にはない山門。
拝観ルートの途中にあり、一旦くぐって仰ぎ見る形になります。
茅葺の門はやはりお寺というより茶室の趣ですね。



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境内の一角にあるクマガイソウとアツモリソウの植え込み。
蘭の一種ですので花期は4~5月と完全に時期ハズレですが、袋状にふくらんだ独特の形の唇弁を持つ花の姿を武将の背負う母衣(ほろ=後ろからの矢を防ぐためのパラシュート状の布)に見立て、がっしりと白っぽい色のものを「クマガイソウ」、優しげで赤っぽい色のものを「アツモリソウ」と、熊谷直実と平敦盛の体格差や源氏と平家の旗色になぞらえて呼び分けたもののようです。

熊谷と敦盛は祇王とは何ら関係ありませんが、そこは『平家物語』つながりで栽培されているのでしょうね (^_^;)




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祇王寺本堂(光が強すぎてコントラストの調整不能)。
先述の通り、元は茶室として使われていた建物で、その名残で奥の控えの間には「虹の窓」と呼ばれる吉野窓がしつらえられています。

また、手前の仏間には本尊の大日如来を挟んで、祇王・祇女・母刀自・仏御前の4人の尼僧達と清盛の木造が安置されていますが、あいにくと堂内は撮影禁止。

吉野窓も木像も公式サイトのこちらに小さいながら写真が載っておりますのでご参照くださいませ。




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境内をぐるっと一回りして出口に向かう手前にある墓所。
左の背の高い方が祇王・祇女・母刀自の母娘3人の合葬墓と伝わる三重の宝篋印塔。
右の小さい方が平清盛の供養塔と言われています。

しかし、清盛に愛され、捨てられ、そしてそうした俗っぽいこととは決別してこの嵯峨の地に移り住んだ祇王の心情からすると、死して後も清盛の影と共にあり続けることをどう思っているでしょうね。清盛あっての祇王と諦めの境地か、それとも鬼籍に入れば俗世のしがらみも雲散霧消、もはや何のこだわりもなしといった所なのでしょうか… (?_?)










それにしても、こちらを訪ねたのは良く晴れて暑い日の真昼間だったのですが、緑の天蓋の効果は絶大でゆうに2~3度は低く感じられました。

嵯峨野散策の中でもやや外れた場所にあるため、たどりつくまでに汗だくにもなりますが、でも、だからこそより強く実感できる涼感。
暑い盛りにこそ訪ねる価値のあるスポットと言えそうです (^^)v



【このページの写真&動画は平成20年7月12日に撮影したものです】



《メモ》
  祇王寺 〈地図〉
    京都市右京区嵯峨鳥居本小坂32
    TEL… 075-861-3574
    拝観料…一般300円(大覚寺との共通券600円)
    拝観時間… 9:00-17:00
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by kiratemari | 2008-08-03 22:34 | ├京都 | Trackback | Comments(0)
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