京の紅葉を訪ねて vol.5 高桐院(大徳寺塔頭)
この連休中にも少々遠出をしたのですが、とりあえず現行のレポを先に上げてしまいたいと思います。ここ数日の極端な冷え込みによって一気に紅葉も進み、もはや周回遅れの感もなきにしもあらずですが(汗)、まあ話の種の一つとしてお付き合いいただければ幸いです (^_^;)
大徳寺塔頭「高桐院」。
戦国時代の武将細川忠興(三斎)が、慶長7年(1602)に父の藤考(幽斎)の菩提所として創建したもので、開山は叔父の玉甫紹琮(ぎょくほじょうそう)と伝えられています。
高桐院といえばまずはこの参道でしょうね。
参道の宿命で中々人通りが絶えることがなく、15分ほどその場で待機。まだ人出のさほど少ない時期でこれですから、この週末には朝駆けでない限り、かなりの難問だったかもしれませんね (-_-;)
参道を抜けて客殿入口へ。
拝観受付はここですので、先ほどの参道のみなら拝観料なしで見ることができるということに… (^_^;)
客殿南庭。
参道に比べ紅葉の進み具合も早いようで、かなり色づいていました。
緑の竹林をバックに紅が映えてえもいわれぬ美しさ…。
しかし、このお庭の真骨頂は、客殿に座して眺める額縁でしょうね。
見る場所が違えば角度も変わり、光の入り方とかの違いもあるでしょうが、額縁で区切ることでそれぞれの風景がより鮮明になるような気がしますね。この日も庇に多くの方が座を占め、完全に視界が開ける瞬間もそうはなかったのですが、人影が前にあっても、それなりに絵になるのもまた額縁の良さ。是非お試しあれ。
さて、額縁を楽しんだ後は、客殿から降りて西側の庭の散策。
この一角には細川家の墓所も営まれています。
忠興・ガラシャ夫妻の墓。
クリスチャンで知られるガラシャ夫人のお墓がこんな所にあったとは…。
死後に夫が建てたものですから、別に不思議なことでもないのですが、しかし夫人の心中はどんなものでしょう。
墓石は忠興が生前愛好したという石灯籠で、元は千利休が秘蔵したものを豊臣秀吉と忠興の二人から請われ、利休はわざと裏面三分の一を欠けさせて、疵物と称して秀吉の請を退けたという曰くの品。利休割腹後に忠興に遺贈され、墓塔銘は「無双」、あるいは「欠灯篭」とも(肝心の裏側を撮り損ないました)。
夫妻の墓の隣には、父幽斎を始め歴代藩主の墓が整然と並び立っています。
袈裟形のおり蹲踞。
加藤清正が朝鮮王城羅生門の礎石を持ち帰り、忠興に贈ったとされるものです。
ところで、千利休が天下人の秀吉でなく忠興に秘蔵の灯篭を贈ったのは、忠興が「利休七哲」の一人に数えられる茶人であったためと思われますが、ここ高桐院の境内にはその灯篭のみならず、千利休の屋敷の広間を移築したと伝えられる書院の「意北軒」があり、また豊臣秀吉の催した北野大茶会で使われた茶室を移築したという「松向軒」もあります。
「松向軒」は壁が黒という茶室にしては珍しい配色になっています。
今回は庭を見るのに夢中で、動画はあまり撮れていなかったため、少々短めです。
ということで、ピークより若干早めだったこともあり、土曜日の午後からの訪問にも関わらず、思いの外、ゆっくりと楽しむことができました。この週末が最盛期だったのではないかと思いますが、お次は名残りの散紅葉。
高桐院での紅葉のお楽しみも今しばらく続きそうです。
《メモ》
大徳寺 高桐院 〈地図〉
京都市北区紫野大徳寺町73-1
TEL 075-492-0068
時間 9:00~16:30
拝観料 400円
大徳寺塔頭「高桐院」。
戦国時代の武将細川忠興(三斎)が、慶長7年(1602)に父の藤考(幽斎)の菩提所として創建したもので、開山は叔父の玉甫紹琮(ぎょくほじょうそう)と伝えられています。
高桐院といえばまずはこの参道でしょうね。
参道の宿命で中々人通りが絶えることがなく、15分ほどその場で待機。まだ人出のさほど少ない時期でこれですから、この週末には朝駆けでない限り、かなりの難問だったかもしれませんね (-_-;)
参道を抜けて客殿入口へ。
拝観受付はここですので、先ほどの参道のみなら拝観料なしで見ることができるということに… (^_^;)
客殿南庭。
参道に比べ紅葉の進み具合も早いようで、かなり色づいていました。
緑の竹林をバックに紅が映えてえもいわれぬ美しさ…。
しかし、このお庭の真骨頂は、客殿に座して眺める額縁でしょうね。
見る場所が違えば角度も変わり、光の入り方とかの違いもあるでしょうが、額縁で区切ることでそれぞれの風景がより鮮明になるような気がしますね。この日も庇に多くの方が座を占め、完全に視界が開ける瞬間もそうはなかったのですが、人影が前にあっても、それなりに絵になるのもまた額縁の良さ。是非お試しあれ。
さて、額縁を楽しんだ後は、客殿から降りて西側の庭の散策。
この一角には細川家の墓所も営まれています。
忠興・ガラシャ夫妻の墓。
クリスチャンで知られるガラシャ夫人のお墓がこんな所にあったとは…。
死後に夫が建てたものですから、別に不思議なことでもないのですが、しかし夫人の心中はどんなものでしょう。
墓石は忠興が生前愛好したという石灯籠で、元は千利休が秘蔵したものを豊臣秀吉と忠興の二人から請われ、利休はわざと裏面三分の一を欠けさせて、疵物と称して秀吉の請を退けたという曰くの品。利休割腹後に忠興に遺贈され、墓塔銘は「無双」、あるいは「欠灯篭」とも(肝心の裏側を撮り損ないました)。
夫妻の墓の隣には、父幽斎を始め歴代藩主の墓が整然と並び立っています。
袈裟形のおり蹲踞。
加藤清正が朝鮮王城羅生門の礎石を持ち帰り、忠興に贈ったとされるものです。
ところで、千利休が天下人の秀吉でなく忠興に秘蔵の灯篭を贈ったのは、忠興が「利休七哲」の一人に数えられる茶人であったためと思われますが、ここ高桐院の境内にはその灯篭のみならず、千利休の屋敷の広間を移築したと伝えられる書院の「意北軒」があり、また豊臣秀吉の催した北野大茶会で使われた茶室を移築したという「松向軒」もあります。
「松向軒」は壁が黒という茶室にしては珍しい配色になっています。
今回は庭を見るのに夢中で、動画はあまり撮れていなかったため、少々短めです。
ということで、ピークより若干早めだったこともあり、土曜日の午後からの訪問にも関わらず、思いの外、ゆっくりと楽しむことができました。この週末が最盛期だったのではないかと思いますが、お次は名残りの散紅葉。
高桐院での紅葉のお楽しみも今しばらく続きそうです。
【このページの写真&動画は平成19年11月17日に撮影したものです】
《メモ》
大徳寺 高桐院 〈地図〉
京都市北区紫野大徳寺町73-1
TEL 075-492-0068
時間 9:00~16:30
拝観料 400円
by kiratemari
| 2007-11-25 22:47
| ├京都
|
Trackback
|
Comments(2)
手鞠さん、こんにちは♪
この連休中に私も京都に行って来ました。京都駅はすごい人でしたよ…。私は、地元の方に紅葉の穴場を案内していただいたので良かったのですが、大徳寺あたりはかなり込んでいたのではないかと思います。
さて、高桐院、拝見しました。実はこちらにも訪れたことがあります。でも、真夏の暑い時期でしたが…。
細川ガラシャの墓がこちらにあったのですね。加藤清正が朝鮮から持ってきた石に気を取られて気がつきませんでした。
それにしても庭が素敵ですよね。こちらの庭を見ながらゆったりとお茶を飲んだことを思い出しました。今度は紅葉のこの時期に訪れたいですね。
この連休中に私も京都に行って来ました。京都駅はすごい人でしたよ…。私は、地元の方に紅葉の穴場を案内していただいたので良かったのですが、大徳寺あたりはかなり込んでいたのではないかと思います。
さて、高桐院、拝見しました。実はこちらにも訪れたことがあります。でも、真夏の暑い時期でしたが…。
細川ガラシャの墓がこちらにあったのですね。加藤清正が朝鮮から持ってきた石に気を取られて気がつきませんでした。
それにしても庭が素敵ですよね。こちらの庭を見ながらゆったりとお茶を飲んだことを思い出しました。今度は紅葉のこの時期に訪れたいですね。
0
えりかさん、こんばんは~♪
連休中の京都はやはり人が多かったのですね。
それでも、十分楽しまれたようで何よりです。
地元のよくご存知の方が一緒だと随分違いますよね。
高桐院の見どころは参道ばかりと思っていましたので、これほど優美なお庭が奥に控えているとは驚きでした。
真夏の瑞々しい青さも素敵だろうと思いますが、やはり紅葉した風景は絶品ですよ。人出ももちろん多くなりますが、それでもまた訪れたいと思える素晴らしさです。
機会がありましたら、この次は是非訪ねてみて下さいませ。
連休中の京都はやはり人が多かったのですね。
それでも、十分楽しまれたようで何よりです。
地元のよくご存知の方が一緒だと随分違いますよね。
高桐院の見どころは参道ばかりと思っていましたので、これほど優美なお庭が奥に控えているとは驚きでした。
真夏の瑞々しい青さも素敵だろうと思いますが、やはり紅葉した風景は絶品ですよ。人出ももちろん多くなりますが、それでもまた訪れたいと思える素晴らしさです。
機会がありましたら、この次は是非訪ねてみて下さいませ。
「きらめきの刹那」 別館 花や史跡の探訪記録や源平&時代物ドラマ話など何でもござれの雑記帳
by kiratemari
ブログパーツ
最新の記事
舞洲 新夕陽ケ丘 |
at 2022-03-24 21:01 |
初富士めぐり2022 (2) |
at 2022-02-23 19:27 |
初富士めぐり2022 (1) |
at 2022-02-21 21:00 |
迎春花 |
at 2022-01-01 08:00 |
謹賀新年 |
at 2022-01-01 00:00 |
摩耶山天上寺 |
at 2021-12-28 21:14 |
Merry Christmas! |
at 2021-12-24 22:09 |
リンク
カテゴリ
お知らせ歴史語り
「きらめきの刹那」関連
書籍
テレビ
エンターテイメント
グルメ
関西探訪
├京都
├大阪
├兵庫
├奈良
├滋賀
└和歌山
旅の記録
├東北
├関東
├中部
├北陸
├四国
├中国
└九州
お出かけ
つれづれ
タグ
花めぐり(706)紅葉(282)
歴史探訪(159)
平家物語(130)
桜(122)
庭園(111)
ドガログ(92)
義経(86)
動画(63)
風林火山(47)
雪景色(41)
功名が辻(41)
平清盛(40)
篤姫(34)
重衡(23)
大自然を行く(21)
人形劇・平家物語(20)
絶景(18)
天地人(11)
花火(8)
最新のコメント
壺井勘也 |
by 辻原俊博 at 21:03 |
知恩院 |
by 知恩院 at 21:02 |
藤原宮跡 |
by 栄藤仁美 at 20:05 |
北脇健慈 |
by 藤原宮跡 at 20:05 |
ちゃんちゃんさん、こんに.. |
by 手鞠 at 15:35 |
階段の紫陽花が見事です.. |
by ちゃんちゃん at 08:10 |
ちゃんちゃんさん、こんば.. |
by 手鞠 at 20:30 |
今年は行かれてたのですね.. |
by ちゃんちゃん at 16:12 |
最新のトラックバック
以前の記事
2022年 03月2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
more...