初秋の大原散策・番外編 蓮華寺

 
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左京区上高野にある蓮華寺。
こちらも名園の誉れ高い庭園を有する寺院なのですが、京都市街と大原を結ぶ街道筋にありながら、いずれとも中途半端に離れた立地のせいか、意外に訪れにくい=観光客も少ない…と、実に私好みのお寺でございます (^_^;)


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楓が覆いかぶさるように連なる参道。


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門をくぐって左手に雛壇よろしく整然と並ぶ石仏。



そして、書院に上がるとこの日3枚目の額縁庭園とご対面~♪




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(この画像のみクリックで拡大表示可)


到着時には何組か先客がいたのですが、気がついたら私一人…。
この空間を独り占めにできる優越感、何という贅沢でしょう (*^.^*)






緋毛氈も座敷の奥まった所に配置されていて、ここが特等席とさりげなく教えてくれているその細かな気遣いがいいですね。なお、こちらではお茶席は別室になっていて、お薄をいただく方のみ見ることのできる別庭もあるそうです。この日は既に2杯お薄をいただいていましたので控えましたが、次回は是非そちらも堪能させていただきたいと思います。


それはさておき、こちらも実光院同様、履物が用意されていて、向かって右手の本堂にお参りできるようになっていますので、一部、回遊式も兼ねた池泉鑑賞式の庭園となっています。


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池に浮かぶ石組みの内、手前の平たい石は「船石」と呼ばれ、池の向こう側を蓬莱山に見立て、そこへ向かう船という趣向のようです。そして、その船石の先にすっと立っているのが「鶴石」、少し影になってしまっていますが左奥の石が「亀石」。亀が水面から頭を出した様子を表しており、右手にある島の大石を甲羅に見立て、合わせて「亀島」とも呼ばれているそうです。

ここ蓮華寺は元は洛中の西八条塩小路(京都駅付近)に営まれていた時宗の寺だったそうで、応仁の乱によって荒廃し、その後、寛文2年(1662)に、加賀前田家の家老・今枝近義が祖父重直の菩提を弔うためこの地に再興したと言われています。

今枝重直(1553~1627)は斎藤道三→織田信雄→豊臣秀次→前田利家と幾度も主を変えながら戦国の世を生き抜き、最終的には前田家の家老にまで昇り詰めた人物で、三代藩主利常の娘富姫が八条宮智忠親王に輿入れする際に、その後見役も務めたと言います。

八条宮智忠親王と言えば、父の智仁親王と共に桂離宮造営に当たったことで知られていますから、その関係から各界の一流文化人との親交も生まれたのでしょうか。ここ蓮華寺の再興には、詩仙堂を開いた石川丈山を始め、狩野探幽(絵師)、木下順庵(儒学者)、隠元禅師(黄檗宗開祖)といった錚々たる顔ぶれが関わったと伝えられているようです。



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六角形の急勾配な傘を持つこの独特のフォルムの石灯籠は「蓮華寺型燈籠」と呼ばれ、江戸時代に茶人に好まれ、茶席の庭によく使われたのだとか。青蓮院のお庭にも同型のものがあるそうで、そのためか、蓮華寺の庭の作者に、石川丈山と共に小堀遠州(青蓮院の作者)の名も上がっているようです。



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この日は全体的にまだまだ青々としていた中、参道の一枝にわずかに色づきかけた葉がある程度でしたが、あれから1ヵ月近く経ち、今頃は紅葉もかなり進んで来ているでしょうね。できれば今月か来月始めにもう一度訪ねてみたいと思っていますが、今年の紅葉の進行速度はどうも読みにくく、上手くタイミングが合えば良いのですが…。


ということで、長々とお送りしました大原レポもこれにて終了!
ようやく高野山レポに取り掛かれます。何とか来週中に終わらせたいのですが、はてさてどうなりますことやら… (^_^;)



【このページの写真&動画は平成19年10月13日に撮影したものです】



《メモ》
  蓮華寺 〈地図〉
   京都市左京区上高野八幡町1
   拝観料… 一般400円、小・中学生 無料、抹茶・菓子400円
   拝観時間…9:00-17:00
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by kiratemari | 2007-11-09 19:14 | ├京都 | Trackback | Comments(2)
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Commented by なぎ at 2007-11-10 23:54 x
蓮華寺というお名前だけは聞いたことがありましたが
こんなに素敵な風情のあるお寺とは思いもよりませんでした。

お庭がいいですね~。

蓬莱山に見立てたり、石を船に見立てたりという構成は
平重盛の庭園跡とも言われる積翠園を思い出しました。

http://kakitutei.gozaru.jp/kyoto05ma/14-5.html

機会があれば訪れたいです。
ご紹介ありがとうございます。o(^-^)o
Commented by 手鞠 at 2007-11-11 22:21 x
なぎ様、こんばんは~♪
前々から気になっていたお寺だったのですが、以前の大原行きの際には時間切れになってしまい、今回ようやく足を運ぶことができました。

秋の紅葉だけでなく、春のサツキ、初夏の新緑、冬の雪景色…と、どの季節に訪れても味わい深い庭園だと思いますし、叡山鉄道沿線でもありますので、大原への行き帰りでなくても、ほんのちょっと足を伸ばす…くらいの感覚で立ち寄れるのもよろしいかと…。
そうそう仁和寺のそばにも蓮華寺という同じ名前のお寺があるそうですので、それだけはご注意下さいませ。

積翠園もいずれ行きたいと思っていた庭園の一つなんですよ。
訪問の節にはなぎ様の記事をしっかり拝見して、見落としのないようにしたいと思います (^^)v

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