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『風林火山』vol.34「真田の本懐」

越後から帰還した勘助に、重臣らもこぞってその無事を喜び、「真にしぶといのう。それほどしぶといとは憎みきれぬわ」と小山田殿らしい歓迎の言も飛び出すなど、久しぶりに武田方に明るさが戻った今回。しかし、これまでの流れからすると、こういうほのぼの&痛快劇(?)の後には、またストレスの溜まる鬱々ダーク展開が待っているのでしょうね (-_-;)



 
さて、今回はタイトル通りメインは真田一家。展開的にやや強引な所もありましたが、最後の三人の熱い抱擁を見ると、まあ良かったかな…と (^_^;)
ストレートに「裏切りの城」→「砥石崩れ」とやって今回なら、さらに盛り上がったようにも思いますし、二週間に渡り挿入した越後番外編が仇となった感もなきにしもあらず…(策士、策に溺れる…てか?)。

忍芽のスタンドプレーには、思わず昨年の残像もよみがえりましたが(汗)、そこで即「姉上、負けました…」とはせず、「やれるものならやってみろ!」的な切り返しで来た所から急展開。

しかし、それによって、常田隆永も食うか食われるかの瀬戸際を生きる戦国武将らしさを見せられ、裏切り者の深井にも新たな見せ場が生まれ、そして、最後は家長らしく真田幸隆がまとめて…と、忍芽のお手柄で済まされるような安直な話にならなかったので、まだ救われましたね。
でも、今回のような話の流れで行くと、忍芽が直談判に出向くのは、常田よりも兄の河原隆正の所が先のように思うのですが…。

それにしても、勘助&真田&相木もいいトリオですね。
中でも、どちらも鋭すぎるがゆえに、ややもすればぶつかりそうな勘助と真田の間で、いわば緩衝材のような役割を果たしている相木殿の存在が大きいかと…(海ノ口で初登場の折には、ここまでしっかりと絡んでくる役とは思いませんでしたけど)。

「わしが真田殿に知恵を授けたのよ。どうじゃい!」
「威張られても困り申す」

瞬時に話の矛先を変えて場を和ませる…、こういう人間が一人はいないとトリオは成り立ちませんからね。伝兵衛&太吉との関係ともども、勘助には貴重な息抜きの場と言えましょう。
でもって、軽妙さにさらに拍車をかけたのが、調略は無理という真田に調略を勧める勘助の背後で、シラケ鳥(死語?)ならぬ烏の鳴き声がリフレイン…。
これももちろん意図的なんでしょうね (^_^;)

クライマックスでは「そなたを失えば儂が困るのじゃ、儂は生きてゆけぬのじゃ」の幸隆の殺し文句に、聞かされるこっちが恥ずかしくなる…と思ったら、すかさず相木氏の「儂は妻にあんなことはよう言えぬ」。先に自発的に突っ込まれると、逆に好意的に見てしまう視聴者心理を上手く突いて来ますね。あの思いっきりクサイ台詞にしても、そこまで言われたら、忍芽さんも女冥利に尽きるだろうな…という具合に(でもって、この夫婦のやけに熱いラブラブぶりは、次週以降に展開する晴信の女性関係との対比の意味合いも当然あるのでしょうね)。

そして、そうした遣り取りを無言で見守る勘助には、ふと、もしかするとあり得たのかもしれない別の人生を垣間見る部分も…。確か初めて勘助が真田の庄を訪れたのは、ミツやんが惨殺されたのと同じ年と記憶していますので、その時、忍芽のお腹の中にいた源太左衛門くんは、残念ながらこの世に生まれて来ることのできなかったミツの子と変わらない年頃。何事もなく親子三人(もっと増えていたかも?)の暮らしを送っていたら…との思いもつい湧き上がって来ようというものです。もっとも、その場合でも、勘助は家族を放っぽらかして放浪とか、決してマイホーム・パパで納まるようなことはなかったでしょうが… (^_^;)


それはさておき、海野家の再興話について、「海野」と聞いて真っ先に思い浮かんだのが、源平時代に木曽義仲の子・義高と共に鎌倉に下った海野小太郎(幸氏)。また、義仲の軍師として知られる太夫坊覚明も同じ海野氏の出とする説が有力。

ちょっと気になったもので、少し調べて見た所、やはり真田氏はその海野氏の子孫ということになっているみたいですね。もっとも系譜の途中に不審な点もあるようですが、それでも、身代わりとなってまで義高を守ろうとして、結局守りきれなった小太郎ですが、図らずもその忠勤ぶりに感じ入った頼朝の引き立てによって家名を守り、それから300年以上の時を繋いで来たのかと思うと、やけに感慨深いものがあります。


それにしても、常田陥落の後は須田新左衛門もあっけなく寝返るなど、目にも止まらぬ急展開で武田が勝利というのは、さすがに忙し過ぎましたね。小笠原の殿もこれでフェード・アウトのようですし、せめて、次回前半で決着ぐらいのペース配分でも良かったような…。欲を言えば、そもそも子供の頃は仲の良かった真田兄弟がなぜ道を違えることになったのか、その辺りにも触れる余裕も欲しかったですし。

正直な話、嫉妬丸出しの由布姫話には大して興味ないですし、由布姫のことになると勘助が別人なってしまうのも難。『風林火山』である以上、そこを素通りするわけには行かないのでしょうが、どうも無駄な話のように思えてならないのですよね。でもまあ、そんなことを言いつつも、次回から登場の於琴姫役のヅカOGは、現役時代からよく知っている子なので、久しぶりに彼女の和物が見られるのは、何げに楽しみではありますけど… (^^;)
by kiratemari | 2007-08-28 19:15 | テレビ | Trackback | Comments(0)

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