盛夏の東北旅行vol3.平泉1-高館&遺跡めぐり

さて、晴れて平泉入りして、まずは今宵のお宿へ。
そこで「どうも車の調子がおかしい」ということで、早速JAFに電話を入れた所、50分ほどでやって来るとの返事が。

当初の予定では何を置いても「いの一番に中尊寺へ!」だったのですが、運転手は居残っていなくてはならないことになり、せっかく平泉まで来て金色堂を見ずに帰るなんて、そんなバカな話はなかろうと、やむなく翌朝に回すことに。また、毛越寺も宿からすぐの所なので「これも明日一番にすればいいか…」と考え、そこで残る選択肢の中から高館をリストアップ。

もう一人の同行人も暑さ疲れで居残り宣言したものですから(汗)、だったら、その後は気ままに遺跡めぐりでも楽しもう!などと目論みつつ… (^_^;)



 
北上川に面した丘陵地に建つ高館は、兄頼朝に追われ奥州にたどり着いた義経が、非業の最期を遂げたとされる場所ですが、昨今では疑わしいと見る向きが強いようです。

ここに建つ義経堂は江戸時代入り、四代仙台藩主・伊達綱村が義経を偲び建立したもので、堂内には創建当時に製作されたという木像の義経像が安置されています。

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こちらは御堂の傍らに建つ宝篋印塔。
昭和61年(1986)に、秀衡&義経&弁慶の800年遠忌(秀衡=1187年没、義経&弁慶=1189年没)の記念にと建てられたものだそうです。


それにしても、屋島をめぐった時にも思ったのですが、昔の貴人方の中にも歴史好き(?)の方は結構多かったみたいですね (^.^;)
綱村がこの場所に建てたのは、伝承に拠ったこともあるでしょうが、それよりも中尊寺から程近い立地に、素晴らしい眺望…と物見遊山的な条件を兼ね備えた場所として、ここが最適と判断したような気もします(観光する側の立場からするとその方が楽で楽しいですからね)。


では、その素晴らしい眺望を動画でどうぞ~♪





動画が見づらい方のために、写真もアップしておきますと…

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真正面の山が束稲山ですが、よく見ると大文字さんが。


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束稲山は、かつては歌人・西行が奈良の「吉野山に勝るとも劣らない」と賛辞を贈ったほどの桜の名所だったようですが、奥州藤原氏の滅亡と共に次第に衰退して、江戸時代には既に桜の木は1本もないと記した文献も。近年、往時の姿を取り戻そうと「西行桜の森」なるスポットも形成されているようですが、今回はそこまで訪ねることはできませんでした(今の季節じゃ花見ができるわけじゃないですし)。


そして、高館と言えば、もう一人忘れちゃいけないのが芭蕉さん。

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『奥の細道』でお馴染みの名句「夏草や兵どもが夢の跡」の石碑。
「高館」という名を世に広めた最大の功労者は松尾芭蕉と言っても過言でないでしょうね。

ここに御堂を建てた伊達綱村、図らずも宣伝マンとなった松尾芭蕉。
この二人がいなければ、高館と衣河館(『吾妻鏡』にある実際に最期を迎えた場所)の混同がどうのこうのというような、ややこしい話にもならなかったかもしれませんが、その代わり、平泉から大きな観光資源が一つ消えていたかもしれませんね。


ということで、この時点で既に午後4時15分。
遺跡めぐりには拝観時間のリミットはないとはいえ、勝手知らぬ土地のこと、日が落ちる前に宿へ帰り着かないと大変ですから、早々に高館から退散。

ここからまず柳之御所跡を目指したのですが、のどかな田園風景に気をとられているうちに見逃したものか、見つけられないまま通りすぎてしまっていたようです (^_^;)

で、気を取り直して次に向かったのは無量光院跡。
無量光院は、三代秀衡が宇治の平等院鳳凰堂を模して建立した寺院と言われていますが、今はわずかに礎石が残るのみ。



本当に何もない所なので、ただ写真を撮るだけではよくわからないだろうと思い、動画でも記録。
忙しないカメラワークで、非常にあっけないですが、雰囲気ぐらいは伝わりますでしょうか (^^;)


そして、この無量光院から平泉駅側へ少し行った所に、伽羅御所跡の道標が建っているのですが、いざ進んでみても、ただ住宅街の中にぽつんと立札があるのみ。

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この状態では、発掘調査もままならないでしょうね。
古きは廃れ、時代と共に土地もどんどん変化して行くのが世の常とはいえ、何だか淋しいものがあります (-_-;)


さて、伽羅御所跡から平泉駅まで出て、今度は毛越寺の方向へターン。
毛越寺も午後5時で拝観終了ですので、もちろんタイム・オーバーでしたが、そのすぐ手前に広がる観自在王院跡の庭園は一般に公開されていて、いつでも出入り自由となっています。



「観自在」とは観世音=観音様のことで、二代基衡の妻が建立したという阿弥陀堂の跡。この庭園は遺構を基に昭和53年(1978)に復元されたものだそうで、「舞鶴が池」を中心に石組や洲浜、中島が配されるなど、毛越寺の庭園と似たような作りになっています。

先述した無量光院が平等院のパクリ(爆)というのは有名な話ですが、毛越寺や観自在王院もそれぞれ京の法勝寺と浄瑠璃寺を模して建てられたする説があるようです (^_^;)


さて、遺跡群をざっと見て回った所で、この日、最後に訪れたのはこちら。

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義経の妻子の墓と伝えられる五輪塔。
『吾妻鏡』の記載によれば義経の妻は河越重頼の娘(享年22歳)で、4歳になる姫君共々、義経の手にかかり果てたとあります。
金鶏山の登山口、毛越寺の一院「千手院」の脇にひっそりと建っていますが、なぜこの場所なのか?(高館とは随分離れてますし)という疑問もなきにしもあらず…。


ということで、わずか1時間余の平泉探索第1Rもこれにて終了。
次のレポではいよいよ毛越寺、そして中尊寺へと参ります~♪



【このページの写真&動画は平成19年8月13日に撮影したものです】


《メモ》
  高館義経堂 地図
   岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所14
   TEL:0191-46-3300
   拝観料:大人200円、小・中学生50円


  柳之御所跡 地図
   岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所

  伽羅御所跡 地図

  無量光院跡 地図
   岩手県西磐井郡平泉町平泉花立44

  観自在王院跡 地図
   岩手県西磐井郡平泉町平泉字志羅山
   0191-46-2110

  義経公妻子之墓  地図
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by kiratemari | 2007-08-24 17:57 | ├東北 | Trackback | Comments(2)
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Commented by sanraku2 at 2007-08-26 12:09 x
江戸時代は全国各地で先人の顕彰碑やら供養塔やら建ててますね。中世関連の史跡なども実際には江戸時代のもの、という比率が高いように感じます。

それにしましても、高舘からの眺めは素晴らしいですね。冬場も感動したのですが、夏はまたそれ以上かと。再訪したくなりました。

ちなみに柳之御所跡ですが、標柱や説明板はもう少し北上川の土手寄りの方にありましたよ。ただ、あの辺り一帯はバイパス工事や発掘調査で、半年も経てばいろいろ様子が変わっているのかもしれませんけど(^^;
Commented by 手鞠 at 2007-08-27 01:14 x
sanraku2さん、こんばんは~♪
江戸時代に史跡建設が盛んだったのは、戦がなくなり、武よりも文が重んじられるようになったことが大きいでしょうね。歴史は最も身近な学問であり、特に中世は武士道の始まりのような時代ですので、そこに理想の姿を見る向きもあったのではないかと…。

高館からの眺めは噂に違わぬ絶景でした!
山の深い緑に、田んぼの稲穂をつけたやや黄色がかった緑、そして、手前の陰になった木の濃い緑と、同じ緑でもバリエーションが豊かで、これは真冬では見ることは出来ない光景でしょうね。でも、sanraku2さんのいらっしゃった頃の、青みがかった山に白い雪が降りかかった風景もまた素敵でしたよ。

柳之御所跡はもう少し余裕があれば、執念深く(爆)探し回った所なのですが、夕方になっても一向に和らぐ気配のない暑さにやられて、もういっぱいいっぱいで…(汗)。田んぼや草の背丈が結構高くなっていて、見通しがききづらかったのもネックでしたね。でも、単に見当違いの方向ばかり見ていただけかもしれませんが… (^_^;)

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