早春の讃岐路を行く~vol.5 古戦場めぐり (2)

檀ノ浦の古戦場めぐり第2R。
中身はどんどんマニアックになって参ります (^^;)



 
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総門跡にたどりついた時点で時刻は午後3時40分すぎ。
まだまだ日暮れの早い冬季のことですから、そうあっちこっちと行っている暇もないということで、とりあえず一直線のルート上からはややはずれる「義盛塚」は除外して、残る史跡をとにかく行ける所まで行ってみようと再び出発。

総門跡の前の道をまっすぐ北上しておよそ5分で「義経弓流し跡」に。

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合戦の最中に弓を落とした義経が、自分の弱弓が敵の手に渡り嘲られるのは恥と思い、命懸けで拾おうとしたという『平家物語』の義経譚の中でも有名なお話のその場所…だそうですが、今はただ小さな石碑が建つのみで… (^^;)

そして、この弓流し跡と目と鼻の先にあるお寺が「洲崎寺」。

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(いずれもクリックで拡大表示可)

眺海山円通院と号し、平安時代初期の大同年間(806~810)に弘法大師によって創建され、本尊の聖観世音菩薩はその弘法大師の作とも。源平合戦の頃には大伽藍を誇っていたものの、中世・戦国時代に衰微し、江戸期に入り元禄12年(1699)に再興され今日に至ります。

義経を庇い討ち死にした佐藤継信の亡骸を、この寺の本堂の扉に乗せて、本陣の瓜生ヶ丘まで運んだと言われ、継信の菩提寺として、毎年2月19日には慰霊のための法要が催されているそうです(よって大夫黒が寄進されたのは志度寺でなく洲崎寺だとも)。

ところで、こちらの境内には、屋島の合戦に関する石造りの絵入説明板がいくつも掲げられていて、周辺の史跡の所在や謂れなども記されているので、探索の際の手掛かりにちょうど打ってつけです。

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源平屋島合戦絵図(クリックで拡大表示可)


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屋島檀ノ浦の戦い説明文(クリックで拡大表示可)


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佐藤継信の討死(クリックで拡大表示可)


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那須与一 扇の的(クリックで拡大表示可)


さて、洲崎寺の中を通り抜けて別の門から外へ出ると先ほどより広めの車道へ。
ここから左へまっすぐ進んで7~8分行くと、右手道路脇に「景清錣引伝説」の立て看板と小さな塔が。

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こちらは平家方の武将・上総悪七兵衛景清と源氏の美尾屋十郎(三保谷・丹生屋とも)の一騎討ちの跡。甲の錣(しころ=頸部を覆う防御具)を引きちぎった景清の執念と豪腕ぶりを伝える「錣引」は、歌舞伎の演目にもなっているプチ有名エピソードの一つです。


そして、この錣引の斜め向かい辺りにあるのが「いの里岩(祈り岩)」ですが、民家の前に埋もれるように建っているので、目印の旗がないと見過ごす所でした (^_^;)

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扇の的の射手に選ばれた那須与一が、この岩の前で『平家物語』でも御馴染みの一説「南無八幡大菩薩……(中略)……願はくはあの扇の真中射させてたばせ給へ……(後略)」の祈念をしたとか。

なお、この「いの里岩」と彫られた字は、松平頼重公の家臣・箕輪野六の書と伝えられているそうです。<つまりこれも頼重殿の捏造品ってこと?(爆)


この「祈り岩」の所で道が突き当たりに。で、左へ折れるとすぐに小さな橋があり、そこに「那須与一 扇の的 駒立岩」とやけに目立つ看板が…。

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ここからでもぱっとすぐ目に付くピンクで囲んだ岩が「駒立岩」と思ったら…、


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これの銘がまたしても「いのり岩」 (?_?)
では「さっきのは?」ということになりますが、実はこの辺り一帯は「与一公園」となっているらしく、この「いのり岩」も最近作られた複製品のようです(紛らわしい!)。

では、肝心の「駒立岩」はというと、ここからもう少し先(だから「50m先」とわざわざカッコ書きされているわけですね)。上の写真のブルーで囲んだ辺りに、亀の甲羅のような平べったい岩が水面上に顔をのぞかせています。

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扇の的を射るべく、渚から沖へと駒を進めた那須与一は、折からの強い北風で波に揉まれて落ち着かない馬の足をこの岩に掛けさせ、狙いを定めたのだとか。『平家物語』の流れでは、このあと先述の「南無八幡…」の祈りをして矢を放つ……となるですが、そうすると2つの岩は隣り合わせぐらいの至近距離でないと無理ですよね… (^_^;)


さて、ここまでの所要時間が1時間強。
時刻も午後4時を回り、ここでちょうど同行人からの電話が(本当はもっと前から呼び出していたらしいのですが、夢中になるあまり全然気づかず…)。

で、「今どこ?」の問いに「駒立岩」と言って通じるはずもなく(汗)、土地勘のない場所での待ち合わせは非常に苦労します(携帯電話がないと無理!)。とりあえず琴電「八栗」駅まで戻ることにして、えっちらおっちらと歩き出したのですが、何せ1時間かけて歩いて来た道のりですから、そう簡単に戻れるものでもなく… (-_-;)

しかし、向こうさんも適当に車を走らせ探してくれたようで、駅に行き着くよりも大分手前で拾ってもらえることができたのは、運が良かったと言うべきでしょうね。


ということで、これでめでたくお終い……ではありません!
最後の総仕上げ(?)と言いますか、「これは車がないとちょっと難しい…」という場所が、実はまだ残っているのです。


☆Next → 早春の讃岐路を行く~vol.6 古戦場めぐり (3)

☆Back → 早春の讃岐路を行く~vol.4 古戦場めぐり (1)



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by kiratemari | 2007-03-04 15:58 | Trackback | Comments(2)
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Commented by えりか at 2007-03-04 23:45 x
 手鞠さん、今晩は♪

 風邪をひいたり、パソコンが壊れたりしてすっかりご無沙汰しました。マイパソコンは修理中なので、予備のノートパソコンを使って書いています。ようやくキー操作にも少し慣れてきましたが、ノートパソコンはキーボードが小さくてまだちょっと違和感がありますね。

 さて、屋島旅行記、拝見しました。佐藤継信 の墓を始め、史跡がたくさんあるのですね。こちらにもいつか訪れてみたいです。何しろ私の大好きな能登殿教経も活躍した土地ですものね。

 旅行記もまだまだ続くとのこと、次回も楽しみにしています。
 
Commented by 手鞠 at 2007-03-05 19:55 x
えりかさん、こんばんは~♪
こちらこそ忙しさに取り紛れすっかりご無沙汰しておりました。
風邪の方はどうやら落ち着かれたようで何よりですが、明日あたりからまた一時的に冷え込むようですので、まだまだ油断はなさらず十分にお気をつけ下さいませ。

それにしても、パソコンがまた修理入院とはまた大変なことになりましたね。やはり使い慣れたものでないと何かと不便でしょうし、早く治ってお手許に戻って来ると良いですね。

屋島の史跡めぐり、自称「源氏の子孫」の徳川の縁に繋がる人物のが作ったもの(らしい)だけあって、どうしても佐藤継信に那須与一と源氏方のものの方が目に付いてしまいますが、最終回になる次回分では平家方の、能登殿にも関わりのあるものが出て来ますので、どうぞお楽しみに(でも、アップはまた週末ぐらいになりそうな…)

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