CS 『女人平家』 vol.1 「対屋の姫たち」

この6月よりCS放送のホームドラマ・チャンネルで放映が始まった『女人平家』。
吉屋信子原作の同名小説のドラマ化で、1971年・朝日放送制作、全20回の放送とのことです。

我が家はケーブルテレビですので、CS放送でも見られるものがいくつかあるものの、未だアナログ受信のためこのチャンネルは見ることができないのですが、身内に受信可能な人間がいて、幸いにも録画してもらえることになりました。

週1回放送で、何回分かまとめてのお届けということで、不定期にはなりますが、内容&感想など記して行こうと思います。



 
タイトルの通り、この作品は平家の女性たち《清盛の妻時子と6人の娘たち》を描いたもので、とりわけ時子役の有馬稲子さんの美しさ・存在感は抜群。おかげで清盛(佐藤慶)がやけに小物に見えてしまって…(汗)。

あまりにも出来すぎた女性という印象も受けますが、壇ノ浦での最期を思うにつけ、そこ至るまでにどのような道のりをたどることになるのか…、そこは大いに興味を惹かれるところです。

それはさておき、長寛元年の晩春に別邸の西八条邸が完成し、時子らが六波羅から引き移ったところから物語は始まります。

清盛の娘たちの顔ぶれは(花の名は人物をたとえる形容です)
    昌子(よしこ)16歳 ・・・ 紫苑
    盛子(もりこ)14歳 ・・・ 水仙
    徳子(とくこ)13歳 ・・・ 芙蓉
    寛子(ひろこ)12歳 ・・・ 一重桜
    典子(のりこ)11歳 ・・・ 紅梅

下の徳子・寛子・典子(新藤恵美)の3人は時子所生で、上の昌子と盛子(吉永小百合)の2人は外腹ながら、生まれてすぐに引き取られ、時子の手元で育てられたということです。

この辺りの事情は、「前妻の子は重盛一人と思っていたら、どこかの白拍子に基盛が…。知盛のお七夜の時に昌子が…、重衡誕生の折には盛子が…」という具合に、半ば時子の愚痴のような形で明らかにされます。そして「まだどこぞで…」とまた妙な胸騒ぎを覚えたりもして… (^_^;)

さて、清盛が福原より帰還しての西八条の別邸開きの宴。
重盛以下の男兄弟も揃いますが、どれが誰やら…(汗)。
たぶん年齢順に並んでいると見れば、その後、盛子・昌子と蹴鞠ならぬ手鞠遊びに興じていたのは知盛と重衡でしょうか。宗盛殿は妻子(あのおチビちゃんは清宗?)と共に泉水を眺めながら「竜頭鷁首の船を浮かべたい…」とつぶやいて、時子から「そのような大宮人の真似事は武人には無用のこと」と叱られていました。

そして、夜もふけて清盛と二人きりになった時子は、二の姫・盛子と六条摂政・藤原基実との縁談話を知らされます。
盛子の実母・藤波の局は基実に仕える女房で、前妻(藤原信頼の妹)に付き従って摂関家に入り、離縁後も嫡子・基通の養育を託され、なおも摂関家に居残っているという話。

ここで、一の姫の昌子は信西入道の子息との婚約が決まっていたのが、平治の乱によりご破算になったことも触れられ(史実によれば後年、花山院兼雅に嫁ぐことになります)、姉より先に妹の縁談がまとまりそうなことを気に病んだ時子は、法従寺殿を訪ね東の御方こと妹の滋子に相談を持ちかけます。

その席で、事情通の滋子は、藤波の局は実は双子を生んでおり、姉の盛子が六波羅に引き取られた一方で、妹は「双子を共に育てるは不吉」との因習により寺へ預けられたという事実を時子に語り、そうした因縁を負う盛子は早く手放すにこしたことはないと縁組にも賛同します。

思わぬ形で新たな姫の存在を知った時子は、早速その尼寺へ侍女らを遣わし、佑子(ゆうこ:吉永小百合さんの二役)を西八条に迎えることにしますが、当の佑子は嫌がり、すぐにも髪を下ろして尼になると庵主(宝生あやこ)に懇願。しかし「御仏の御心に背いてはならない」と諭す庵主の言葉に泣く泣く寺を後にします。

そうして迎えた盛子と基実の所顕しの宴は、同時に佑子のお披露目の場ともなります。
盛子と双子の姉妹という事情は隠し、滋子のお声掛かりにより引き取った「由緒正しき姫」との触れ込みで…。
しかし、ここで入った「重盛だけは佑子の素性を知っていた」のナレーションが、何か意味深で少し気になります。

佑子の乳母として、徳子以下3人の時子の実子をみな取り上げたという超ベテラン女房の汐戸(田中絹代)が召し出され、また、建礼門院右京大夫の父で能書家の世尊寺伊行(下元勉)や大江広元(浜畑賢吉)も登場しましたが、いずれも今回は顔見世程度。

とにかくクレジットに役名が付されている人が少なくて、姉妹の中でも演じ手の名前がわかるのは、佑子と盛子の二役の吉永小百合さんと、とても11歳には見えない「ちい姫」典子役の新藤恵美さんのみ。新藤さんと言うとサスペンス物の悪女役などをよく見ていましたし、典子自体が我がままな Going My Way タイプですので、何だか佑子をいじめる役のように見えがちですが、あらすじによれば憧れ慕う役だとか。何事も色眼鏡で見てはいかんということですね(汗)。


ところで、これは原作に対するツッコミになるかもしれませんが、基実と結婚した当時の盛子の年齢は史実では9歳で、冒頭のナレの「長寛元年」は盛子の結婚の前年に当たり8歳。
また、盛子と重衡が同い年なのは、例の時子の愚痴(?)でわかっていますし(つまり重衡兄、徳子妹の位置づけ)、全体的に姉妹たちの年齢が実際より5~6歳ずつ高めの設定になっているのは、大人の女優陣が演じるに当たっての配慮とか?(今の時代なら子役を使うのでしょうけど)


まだまだ始まったばかりなので、何とも言えませんが、映像や音楽にはどうしても古めかしさがつきまとうものの、女性がメインだけに色とりどりの衣装で居並ぶ姿はとにかく華やかの一言。

細かく見ていけばもちろんツッコミ所も多々ありますが、30年以上も前に、これほどのものがNHK大河ではなく、民放で作られていたとは…、何よりそのことが驚きでした。
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by kiratemari | 2006-06-25 01:00 | テレビ | Trackback | Comments(4)
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Commented by えりか at 2006-06-25 15:38 x
 手鞠さん、こんにちは♪

 わ~、ありがとうございますー。私はこのドラマのことは某所で知ったのですが、我が家にはCSがないので見られないと、残念に思っていたのでした。なので手鞠さんがドラマ感想を書いて下さるのがとっても嬉しいです。

 実はこのドラマの原作小説を読んだことがあるので、どのように脚色されているかも気になっていました。第1回のストーリーはだいたい原作どおりのようですね。ただ、原作では盛子の結婚年齢は史実通り9歳になっていました。多分、演じ手の女優さん達の年齢の事情により、平家の娘たちの年齢も引き上げたのだと思います。

 何はともあれ、これからの手鞠さんのドラマ感想を楽しみにお待ちしていますね。
Commented by 手鞠 at 2006-06-25 21:50 x
えりかさん、こんばんは~♪
早速のコメントありがとうございます。
こんなのでおわかりいただけましたでしょうか?

大河の場合はご覧になっていることを前提に書いていますので、近頃はあらすじ等は省いていますが、これについては視聴の限定されるCS放送ですので、出来る限り話の流れをお伝えすることに重きを置くつもりでいます。とはいえ、言葉足らずなどいたらない部分もあるでしょうし、ご質問などあれば、何なりとお尋ね下さいませ。

盛子の結婚は原作では、やはり史実通り9歳なのですね。
今回も原作を未読の状態で見ておりますので(汗)、これからも色々と教えていただければ幸いです。
Commented by bluecat at 2006-06-26 12:44
手鞠さん、こんにちは♪
私も観られない環境なので、この「女人平家」のドラマレビュー、
とても面白く読ませていただきました(^^)
また今後も楽しみです♪
30年以上前の民放でちゃんとした平家のドラマを作っていたのですね、
N○Kの大河も、もっとなんとかならないものですかね(>_<)
Commented by 手鞠 at 2006-06-27 00:51 x
bluecatさん、こんばんは~♪
とりあえず始めてみました。どこまで内容をお伝えできるか…、あまり自信はありませんが(汗)、せめて雰囲気だけでも感じていただければと思います。

キャストがほとんど女性ばかりで、場所も西八条邸内が中心とかなりピンポイントのドラマなので、単純に大河物と比べられるものではありませんが、昨今の軽さを求める傾向からすれば、やや重い作りと言えるように思います。
とりわけ、吉永小百合さんの楚々とした美しさ…、あれは今では実現不可能ですよ (^_^;)

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