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『功名が辻』vol.11「仏法の敵」

「仏法の敵」と言えば、南都焼き討ちの平重衡様しか浮かばない私 (^_^;)

昨年のそれは、炎を背負った重衡殿の甲冑姿にお徳婆のナレで終了(その後、輔子さんが時子さん相手に喚いてましたっけ)という思いっきり手抜きでしたが、今回の延暦寺焼き討ちは、まあ、それなりに頑張っていたのではないでしょうか。



 
信長の延暦寺攻めの凄惨さというのは、ある程度見て取れました。
僧兵ならいざ知らず、武器を持たない学僧や女子供までも皆殺しにせよとの命令に、兵士のほとんどが仏罰を恐れて躊躇しながらも、主命に逆らえず刃を浴びせる地獄絵図。
そして、その惨劇の最中に表れる秀吉と光秀の人間性の違いは、今後のさらなる悲劇も予感させて…。

仏罰を「ブツバツ」ではなく「ブツバチ」と言わせたのは原作に則してなのか、制作者陣のこだわりかはわかりませんが、昨年の最後まで誤読を押し通した「法住寺殿」のことを思えば、その「時代」を尊重する姿勢には敬服します(まあ、こだわる場所がどうでもいいような所というか、ちょっと的外れな気もしなくはないのですけど…)。

ただ、延暦寺攻めに至る話の運びとしては、そもそもの張本である浅井・朝倉がセリフで語られるのみで全く姿を現さないので、攻撃の動機付けとして訴えるものが希薄。なぜこんな惨い殺戮を行わなければならないのか、どうも説得力に乏しいように感じました。

もっとも過去の大河でも、朝倉が画面に登場することはほとんどありませんでしたし、少なくとも『利○とま○』よりは浅井を丁寧に描いていますので、遥かにマシですけど…(あの時の長政殿は誰だか認識できないぐらい出番も極少でしたからね)。

その浅井家滅亡へのカウント・ダウンもいよいよ始まりましたが、そう言えば、嫡男・万福丸の生母がお市の方なのか、先妻もしくは側室なのか、例の疑問も未だ明らかにならないまま。
小谷落城までにははっきりさせてくれますよね。
そろそろ三姉妹も出てきそうですが(もちろん子役で)、万福丸については、もしや、一度も画面に現れないままナレのみで抹殺!なんてことにはならないでしょうね…。(-_-;)

そうそう、子役といえば、寧々の依頼により、千代が家庭教師役を務めることになった秀吉の甥・治兵衛くん。奇妙な尾張弁を操る実に個性的な顔立ちの彼には、始めは「オイオイ」とツッこまずにはいられませんでしたが、顔より声で落ちる質(?)の私は、あの可愛らしい声にあえなく撃沈(汗)。あの子が将来「殺生関白」という汚名を着せられて(ドラマオリジナル設定らしいですが)葬り去られるのかと思うとあまりにも可哀想すぎる…(涙)。

しかし、千代殿。いくら大事な上司の甥御さんだからって、超初心者の手習いにあんな気前良く紙を使いまくるってのはどうでしょうね。この頃はまだ秀吉だってそう裕福でもない時期ですし、まだまだ貴重だった紙を湯水の如くって…、いくら治兵衛くんが一生懸命お習字に励んだことを示すためとはいえ、そんな使い捨てのような真似は賢妻・千代ちゃんのポリシーにも反するのでは?

細部への時代に即したこだわりも、こういう現代感覚丸出しの描写一つで興ざめとなってしまうことを、制作者陣ももう少し自覚された方がよろしいのではないでしょうか。


さて、来週はいよいよ宿敵(?)六平太と一豊の対決があるようですね。
六平太がなぜか白髪のようだったのがちょっと気になる… (?_?)
by kiratemari | 2006-03-22 12:34 | テレビ | Trackback(2) | Comments(2)
Tracked from 蒼き猫の言霊日記 at 2006-03-24 11:32
タイトル : 常に危機一髪の旦那さま・・・「功名が辻」感想。
千代と一豊夫婦だけを追っていると、歴史の流れが「?」となってしまいがち。 それだけ、彼らは歴史の表舞台からは遠い、ということでしょうか。 千代が浮気に怒って実家に帰っている間に一豊は出陣、 しかも戦の最中に行方不明・・・。 ま、戦国時代にはよくあることですが。 もう生きている望みはない、 弔いをあげよとせかす秀吉のほうがもっともなわけで。 そんな中、奇跡の生還・・・! しかーし、実は浮気相手に助けられてたんですねぇ。 縁の深いことで・・・ あの体躯の立派な彼女なら、小柄な一豊を...... more
Tracked from 信長フィギュア!これが戦.. at 2006-03-26 13:35
タイトル : 信長などの戦国武将フィギュアコレクションを展示中
乱世の時代がフィギュアで忠実によみがえる!... more
Commented by bluecat at 2006-03-24 10:55
手鞠さまこんにちは!
延暦寺の惨劇はまあまあがんばって再現していたように思います(去年の大河にくらべたら・・・ですが)。
しかし、話の流れとしてはこれも唐突に始まった気がしますね。説明不足というか、伏線不足というか・・・。
あと、千代が手習いで紙を大量に使わせていたシーン!
私も思わず、「ももももったいない~っ!」と
ツッコまずにはいられませんでした(ーー;)
あまりにも現代的すぎますね、この辺の感覚が・・・orz
Commented by 手鞠 at 2006-03-24 19:47 x
bluecatさん、TBありがとうございます。
延暦寺攻めの描写自体は、まああんなものでしょうね。斬られた坊さんの血の出方といい、一頃に比べ凄惨映像もかなり許容されるようになったのでしょうか。

手習いの紙はこの物が溢れる今の時代でも、あんな大盤振る舞いはまずしないでしょうにね。これはもう時代物以前の話のような気がしますが…。

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