しまなみ&大分の旅(4)-豊後竹田
旅レポに戻りまして、大分市内から豊後緒方と来てお次は豊後竹田へ。
くじゅう連山・阿蘇山・祖母山・傾山などの1000m級の山岳に囲まれた盆地に開かれた「豊後の小京都」とも呼ばれる城下町。その本体のお城が「岡城」ですが、明治維新の廃城令により破却され、現在は高く積み上げられた石垣が残るのみの城址となっています。
洒落た作りですが開けたり直したりがちょっと面倒… (~_~;)
ここで遅ればせながら岡城の由緒について少々記しておきますと、この地に最初に城を築いたのは何を隠そうあの緒方惟栄。源平の合戦で源氏方に加わった惟栄は源頼朝・義経兄弟が不仲に陥ると弟義経に味方し、西国で再起を図ろうとする義経を迎え入れるためにここに築城したと伝えられています。しかし、兵庫の大物浦で難破して渡海に失敗し、鎌倉方に捕らえられた惟栄は上野国沼田荘に流され、結局この城が歴史の表舞台に登場することはありませんでした。
その後、南北朝時代に豊後国守護大友氏の一族の志賀氏によって改修された際に「岡城」と命名。豊臣秀吉の時代に大友氏が改易されると播磨国三木から中川秀成が移封され、3年がかりの大修築が行われ城としての完成を見ることとなりました。
秋の紅葉の時期もさぞかし美しいでしょうね。
奥に見えるのは太鼓櫓です。
ここにはある有名人がおられます。
「箱根八里」「花」「お正月」「雪やこんこ」「鳩ぽっぽ」など非常に馴染み深い唱歌の旋律を世に送り出し、中でも代表作に挙げられる「荒城の月」はここ岡城址をイメージして作曲されたと言われています。
そして、銅像だけでなく城に来るまでの道路沿いにもこんなものが…。
ということで、岡城址をめぐった後は竹田の街も少し散策。
トンネルを通ると瀧廉太郎作曲の「はとぽっぽ」「散歩」「荒城の月」のメロディーが流れるというだけのものですが。
そうそう、竹田に来る途中の道でも、車中で突如「荒城の月」の旋律が聞こえて来るメロディー・ロードというのに遭遇しました。アスファルトの表面に音程によって変化をつけた溝が刻まれていて、制限速度通りに走ると丁度良いテンポでメロディが奏でられるようになっているようです(関西では琵琶湖大橋に「琵琶湖周航の歌」のメロディー・ロードがあります)。どうもそっちのインパクトの方が強かったので、こっちのトンネルはちょっと子供騙し的な感じも… (^^;
それはさておき、トンネルを抜けて向かったのは滝廉太郎記念館。
が、この記念館のもう一つの狙いは廉太郎が当時聞いていたであろう「音」の復元。日々の生活の中でごく自然に耳にしていたであろう音、例えば風にそよぐ裏山の竹藪、庭に飛来する鳥のさえずり、溝川の水の響き、庭の飛び石を渡る下駄音などを再現すべく、様々な工夫が施されているようです(鳥の餌になる千両・万両などの実の生る木を庭に植えたりとか)。
蔵の方へ向かう途中にある大きな穴(写真中央の四角い穴)は馬小屋として使われていたものだとか。
それにしても、先述のように廉太郎がここに住んでいたのは実はわずか2年半ほど。それで「滝廉太郎」=「竹田」というイメージがしっかり固定されているのはある意味凄いですよね。ただ、その2年半というのが思春期の多感な年頃の時期にあたり、彼の感性を育む上で特に大きな影響を与えたというのも理解できますが…。
私事ではありますが、この人物にはちょっとした思い入れもありまして、小学生の頃、読書が大の苦手でいつも学校の図書室で借りた本は半分も読まないうちに期限が来て返すという繰り返しをしていたのですが、そんな中、彼の伝記本は初めてちゃんと最後まで読み終えて返せた本でした。元々音楽好きだった私のツボに上手くはまったのでしょうね。でも、そう言いつつも、その後すっかり忘れていたのですが、こうして今回訪ねたことでその頃のことを思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。
やっぱり何かご縁があったのかしら? (^^ゞ
【このページの写真は平成22年4月30日に撮影したものです】
《メモ》
岡城址 【地図】
大分県竹田市竹田字岡
TEL:0974-63-1541
入場料… 一般300円、小中学生150円
拝観時間… 9:00-17:00
滝廉太郎記念館 【地図】
竹田市寺町2120-1
TEL:0974-63-0559
入館料… 一般300円、小中学生200円
開館時間… 9:00-17:00(受付は16:30まで)
by kiratemari
| 2010-05-27 20:32
| └九州
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